「Windows 8.1」の起動を高速化
「会社PCの起動が遅い」と思ったら見直したい「Windows」設定
社内ネットワークに接続する「Windows 8.1」マシンは、グループポリシーの同期処理によって、起動が遅くなることがある。この問題を解決するには、Windows 8.1と「Windows Server 2012 R2」でキャッシュを有効にすることを検討されたい。
企業のIT管理者の多くは、「会社のPCが起動するまで時間がかかる」と従業員から苦情が寄せられ、対応した経験があるのではないだろうか。その場合、グループポリシーの同期処理が原因となっている可能性がある。この同期処理は、ユーザーインタフェースからフォーカスを奪い、Windowsの動作を一時停止させる。その間、IT部門の管理下にある特定の設定の変更やネットワーク接続が必要なソフトウェアのインストールが行われている。
この状況は、新たに導入したばかりのPCで発生する可能性が高い。フォアグラウンド処理がフォルダリダイレクトの設定などを変更している間は、進行状況を示すホイールが回転した状態で表示され、待ち時間が長いという苦情が従業員から寄せられる結果になる。グループポリシーおよびMicrosoft Windowsインストーラー(MSI)パッケージ経由でインストールするソフトウェアは、ユーザーが操作を行う前に適用しなければならない。そのため、ソフトウェアのインストール中は、Windowsが応答を停止することになる。
高機能なデプロイメントシステムを使わずに、グループポリシーを使用して「Microsoft Office 2010」を導入している場合は、ネットワーク管理の極みに達していると考えるかもしれない。だが、この状況は「グループポリシーオブジェクト」(GPO)が適用される月曜日の朝には3時間もの間、誰も何もできないようにしているにすぎない。
「Windows XP」では、高速なログオンを実現するための最適化がなされた。以前はリアルタイムで動作する必要があった一連のGPOの処理がバックグラウンドで分散して行われる処理に変更された。この変更により、PCの電源を入れてからデスクトップが表示されるまでに掛かる時間は「Windows 2000」以前のWindows OSと比較すると大幅に短くなった。
通常、このバックグラウンド処理は、ワークステーション、クライアントPC、サーバでは1時間半ごと、ドメインコントローラーでは5分ごとに行われる。管理者はグループポリシーの更新間隔の設定で、この間隔を変更することができる。
残念ながら、高速ログオンの最適化を実装すると、デスクトップ管理者にとって好ましくない動作を引き起こした。新しいGPOを特定するアルゴリズムの記述方法により、PCを3~4回再起動しないと適用されないGPOがあったのだ。この状況は特に新しいPCを導入するときに不便だった。この設定はユーザーの初回ログオン時には無効になっていた。そのため、新しく導入したPCにポリシーが完全に適用されるまでには、複数回の再起動が必要だった。
そのため、一部の管理者は「コンピュータの起動およびログオンで常にネットワークを待つ」を有効にしていた。この設定は「グループポリシーオブジェクトエディター」を起動して、「コンピューターの構成\管理用テンプレート\システム\ログオン」の手順でツリーを展開したところにある。
「Windows 8.1」と「Windows Server 2012 R2」では、このようなポリシーをバックグラウンドに移動できるようになっている(念のためだが、ここで対象になるのは、ポリシーのデータであって、ポリシー自体の適用ではないことを補足しておきたい)。ユーザーはPCへのログオン時にポリシーのデータがドメインコントローラーからダウンロードされるのを待つ必要はない。これは、フォアグラウンドでグループポリシーの同期処理が必要な場合も同様である。
ただし、これまでと同じく実際にポリシーを適用するには、ユーザーが会社のネットワークに接続し、ドメインコントローラーにアクセスできる必要がある。だが、キャッシュを利用することでログオンの処理とPCの起動時間は速くなる。
キャッシュを利用した処理が開始されると、ポリシーが適用されている間も処理が停止されることはない。これはドメインコントローラーにあるポリシーが更新されている場合も同様だ。なお、新しい設定は次回の再起動時またはログオン時まで有効にならない。
Windows 8.1とWindows Server 2012 R2でグループポリシーのキャッシュを有効にするには、新しいGPOまたは既存のGPOを選択する。グループポリシーオブジェクトエディターを起動し、「コンピューターの構成\管理用テンプレート\システム\グループポリシー」を展開して、「グループポリシーのキャッシュを構成する」にアクセスする。この設定は未構成のままにすることも、有効または無効にすることもできる。それから、この設定には次の2つのオプションがある。
- 低速リンク値:新しいポリシーの適用をスキップして低速リンクの速度のポリシーを適用する構成に戻すまでにWindowsがドメインコントローラーからの応答を待つ時間を指定する(ソフトウェアのインストールなどネットワークリソースを集中的に使用するGPOは遅延することになる)
- タイムアウト値
キャッシュが有効になっている場合、Windows 8.1とWindows Server 2012 R2ではキャッシュのコンテンツがユーザープロファイルディレクトリに保存される。デフォルトの保存場所は「C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\GroupPolicy\DataStore\o\SysVol\<ADドメイン名>\Policies」だ。GPOにはグローバル一意識別子(GUID)が割り当てられており、各GPOのデータが保存されるフォルダー名にはGUIDが使用される。
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