バックアップ/リカバリソフトウェア製品紹介:CommVault
バックアップデータの積極活用でシャドーITも防げる「CommVault Simpana」
統合データ管理ソフトウェア「CommVault Simpana」は、バックアップデータの積極的活用や仮想マシンの階層型管理などの機能を備え、データ保護プラットフォームの新たな可能性を示している。
米調査会社Gartnerのバックアップ/リカバリ分野のマジッククアドラントにおいて4年連続で「リーダー」に選出――。国内での知名度は大手に後れを取るものの、製品自体の優位性で評価を広げつつあるのが、1996年に設立された米CommVault Systemsだ。同社が開発・提供する主力製品が、データ保護ソフトウェア「CommVault Simpana」(Simpana)である。
日本法人CommVault Systems Japanのエリアバイスプレジデント、大越大造氏は「多くのバックアップ製品・サービスを提供するベンダーが、企業買収で自社の製品や機能のポートフォリオを増やす事業戦略を取る。一方、CommVaultではデータの管理、アクセス、保護に関する包括的な機能を備えるSimpanaを自社開発してきた」と、他社との差異化ポイントを説明する。
大小さまざまなベンダーがひしめくバックアップ/リカバリ分野。Simpanaはその中にあって、バックアップデータを積極的に活用したり、仮想マシンのライフサイクル管理を支援するなど、データ保護プラットフォームの新たな可能性を示しており、注目の価値があると判断した。本稿ではSimpanaの特徴的な機能を紹介する。
データ管理に対する要件を単一のプラットフォームで実現する「CommVault Simpana」
Simpanaは「バックアップ/リカバリ」「アーカイブ」「レプリケーション」「リポーティング」「情報検索」などデータ保護・管理機能を単一のユーザーインタフェースに集約して提供する。サーバやクライアントPC、ノートPCなどの保護対象となる全てのデータを共通ストレージプール「Simpana ContentStore」に集約し、管理コンソール「CommCell」で一元管理する。重複排除技術やデータ圧縮、ストレージスナップショットなどの機能などを生かしてストレージ容量を最適化し、バックアップ/リストア時間を短縮する。
特に国外で多くの実績を誇っており、特にサービスプロバイダー200社以上が導入しているという。サービスプロバイダーが評価するポイントは、マルチテナントへの対応だという。「バックアップ先にクラウドを利用するユーザー企業が増える現在、顧客向けのクラウド型バックアップサービスとして導入、展開できる点が高い評価を得ている」(大越氏)
CommVault Systems Japanは2014年8月、Simpanaの2種類のライセンス体系を発表した。Simpanaの全ての機能を利用できるライセンス「Simpanaプラットフォームアプローチ」は、1Tバイト単位の従量課金制。もう1つの「Simpanaソリューションセット」は、Simpanaの機能をモジュール化し、用途に応じて個別導入できる。Simpanaソリューションセットのモジュールは以下の4種だ。
- エンドポイントデータ保護(Simpana for Endpoint Data Protection)
- VM(仮想マシン)のバックアップ/リカバリとクラウド管理(Simpana for VM Backup, Recovery and Cloud Management)
- スナップショット管理(Simpana for IntelliSnap Recovery)
- メールアーカイブ(Simpana for Email Archive)
本稿では、多くのIT管理者がデータ保護の課題として挙げる「エンドポイント」「仮想環境」におけるデータ保護を支援する1つ目と2つ目のモジュールを紹介する。
バックアップデータの積極的な活用も可能な「Simpana for Endpoint Data Protection」
スマートフォンやタブレットが普及し、従業員が業務で利用する端末(エンドポイント)の種類や導入台数が増えている。従業員のデスクトップPCやノートPCには機密情報を含む業務上重要なコンテンツが作成され、保存されている。また、会社が承認していない個人向けストレージなどのクラウドサービスを利用して、従業員がモバイル端末などで業務データを閲覧したり、保存したりするケースも増えている。いわゆる「シャドーIT」問題だ。こうした端末の紛失は情報漏えいにつながったり、重要データへの不正アクセスなどのリスクに直結する。
こうしたエンドポイント管理の課題解決を支援するため、CommVault Systems Japanが2015年1月に提供開始したのが「Simpana for Endpoint Data Protection」だ。
Simpana for Endpoint Data ProtectionはノートPCやデスクトップPC、モバイル端末のデータの包括的な保護機能を提供する。各端末にエージェントをインストールすることで、エージェントがHTTPS経由でSimpana ContentStoreにバックアップする。
セルフサービス機能によって、エンドユーザー自身がバックアップ対象や実行スケジュールなどを設定したり、手動バックアップやバックアップからのリストアなどを実施できる。また、CPUや電源利用の閾値、帯域幅制限などで実行可否を判断して実施することも可能だ。
Simpana for Endpoint Data ProtectionがSimpana ContentStoreに集約したデータは、バックアップ用途以外にも利用できる。例えば、ファイル共有サービスとしての利用が挙げられる。
ある従業員がノートPCで作成してSimpana ContentStoreにアップロードしたデータは、自身が持つ別のモバイル端末から閲覧できる。バックアップデータには、SSL(Secure Sockets Layer)によって通信を暗号化してアクセスする。また、従業員自身がファイル単位やフォルダ単位などでバックアップデータのアクセス権限を設定することで、他の従業員とデータを共有したりすることも可能。さらに、ファイル単位の暗号化/復号、遠隔操作によるデータ消去機能を備える。
その他、証拠保全機能(リーガルホールド機能)を持つ検索コンソールを利用することで、エンドポイントデータの迅速な検知も可能で、e-Discovery(電子情報開示)や内部統制対策を支援する。
「Simpana for Endpoint Data Protectionによって、エンドポイントごとに散在しがちなデータを集約して一元管理することで、エンドポイントのデータを包括的に保護できる。また、企業ポリシーに従ってバックアップデータのアクセスを制御することで個人向けクラウドサービスの利用を防ぐなどシャドーIT対策にも有効だといえる」(大越氏)
仮想マシンのライフサイクル管理も可能
基幹系システムの仮想基盤への移行、さらに進んでクラウド環境へ移行する企業も増えている。結果、企業が保有する仮想マシンの数が急増し、その管理が煩雑になるケースも目立つ。例えば、テスト環境の利用が終了した仮想マシンが役目が終わってもそのまま放置されることもある。ストレージリソースを消費するだけでなく、バックアップ先のストレージを無駄に圧迫する原因にもなる。
Simpanaソリューションセットの1種である「Simpana for VM Backup, Recovery and Cloud Management」は、仮想マシンのバックアップだけでなく、インフラやストレージプールのセットアップ、プロビジョニング、運用、バックアップ保護、リカバリ/DR(災害復旧)、リタイア、データ保持まで仮想マシンのライフサイクル全体を統合的に管理する機能群だ。
同機能群が含むセルフサービス機能を使うと、管理者は事前に定義された管理ルールやテンプレートをベースにして仮想マシンのプロビジョニング(割り当て)ができる。また、従業員でも仮想マシンの起動や停止、スナップショット取得などを操作できる。「Microsoft Hyper-V」「VMware vSphere」といったサーバ仮想化製品が混在する仮想環境、「Amazon Web Services」「Microsoft Azure」「VMware vCloud」といったクラウド環境の仮想マシンが管理対象となる。ホスト名やデータストア名などで仮想マシンを自動的に検出し、分類やフィルタリングなどができる。
仮想マシンのバックアップはエージェントレスバックアップ方式を取る。VMware環境では「vStorage API for Data Protection(VADP)」、仮想ディスクイメージであるVMDKファイルの変更ブロックを管理する「Change Block Tracking(CBT)」によって、変更部分のみの増分バックアップを実施できる。仮想マシンのリストアは、仮想ゲスト単位、ファイル単位、ファイル単位でも可能。また、フルリストアを待たずして、仮想マシンを使用開始できる「ライブリストア」機能を備える。
仮想マシンのライフサイクル全体を管理する仕組みとして、仮想マシンを使用頻度に応じて階層的に管理できる「自動VMアーカイブ機能」を提供する。一定期間使用していない仮想マシンの電源を自動的にOFFにすることで、CPUやネットワークリソースの無駄な利用を防ぐ。さらに仮想マシンのバックアップを使用頻度に応じてプライマリーストレージからストレージを自動的に移動したり、バックアップ対象から外してアーカイブ用ストレージに退避させることもできる。企業ポリシーに従ってアーカイブストレージから消去することも可能だ。
「仮想マシン作成時にバックアップやアーカイブのポリシーを組み込むことでライフサイクル管理が自動実行され、煩雑な運用管理の作業が不要となる。階層型ストレージ管理のアプローチを仮想マシンにも適用するイメージ」(大越氏)
CommVault Systems Japanでは、2つのライセンス体系を提供することで、より幅広い層への普及を図る。大越氏は「まずは、用途や必要な機能に応じてSimpanaを利用してもらい、使い勝手やメリットを確かめてほしい。今後は日本での認知度アップと市場開拓を進めてきたい」と語る。
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