オールフラッシュアレイ導入前に総確認
幸せになれる「RFP」の書き方 SSD/オールフラッシュアレイ編(2/3 ページ)
ストレージの容量とパフォーマンス
必要となるストレージの容量とパフォーマンスについては、導入1年目だけでなく、3、4、5年目についても指定する。過去2、3年のストレージ容量の増加傾向をよく理解し、今後の増加ペースを的確に予測しなければならない。
フラッシュストレージの価格は年々低下していくと考えられる。現時点では一定のストレージ容量を確保し、次年度以降には容量の増加見通しに応じて、より低コストで容量を追加していく方式でRFPを作成すればよい。
オールフラッシュアレイでは容量よりも、アプリケーションのストレージパフォーマンスの指標や傾向を把握する方がはるかに重要だ。ストレージパフォーマンスの基本的な指標は以下の3つだ。
- IOPS(入出力回数/秒)
- スループット(Mバイト/秒)
- レイテンシ(遅延時間)
購入するオールフラッシュアレイで実行する予定の全てのアプリケーションについて、上記の指標を把握する必要がある。さらに、これらの指標がこの1~2年でどう変化したかも調べておかなければならない。
ワークロード(稼働させるアプリケーション)によってパフォーマンス特性は異なる。このため、ワークロードのプロファイリングが必要になる。RFPではアプリケーションごとに、レイテンシ、IOPS、スループットといったパフォーマンス指標の最小値や期待値を指定する必要がある。
例えば、オンライントランザクション処理(OLTP)のワークロードでは、スループットよりもIOPS(1秒当たりに処理できるI/O数)が重視される傾向があり、低レイテンシが要求される。これに対し、データウェアハウス(DWH)のワークロードでは、IOPSよりもスループットが重視される傾向があり、高レイテンシが許容される。仮想サーバおよび仮想デスクトップ環境のワークロードは、レイテンシに敏感だ。
RFPには、アプリケーションのパフォーマンス指標を把握するだけでなく、アプリケーションにおける読み取り/書き込みの混合比を指定する必要がある。ベンダーがオールフラッシュアレイを適切に組み合わせたシステムを提供できるようにするためだ。フラッシュストレージは、読み取り集約型(Read Intensive)、読み書き混合型(Mixed Use)、書き込み集約型(Write Intensive)とさまざまなタイプが提供されているからである。
ここまでの説明では、ブロックストレージ(データをファイルではなく固定長区画の「ブロック」単位で管理するストレージ)が想定されていたことにお気付きかもしれない。しかしもちろん、ファイルストレージも考慮しなければならない。
ファイルストレージの重要な指標には、
- ファイル(とファイルシステム)の数
- ここ1~2年の容量の増加傾向
- 今後3~5年の増加見通し
などがある。一部の基幹システムでは、新しいファイルの追加頻度や、特定の時点において通常開かれているファイルの数を追跡することも重要だ。ファイルシステムのメタデータ操作は、通常の読み取りや書き込みとは異なるため、こうした指標が重要になる。
オールフラッシュアレイをオブジェクトストレージ(データ本体とメタデータで構成される「オブジェクト」単位でデータを管理するストレージ)として使う場合でも、ファイルストレージと同様の情報が必要になる。ただし、オールフラッシュアレイがオブジェクトストレージでの利用を可能にしていることが前提だ。
RFPでは電源も取り上げなければならない。米国で販売されている新しいストレージアレイの大半は、110/115/120V、または220/230/240Vで動作する。ストレージシステムで使われる電源は、220/230/240Vが供給された方が効率的に動作することが分かっている。
データの削減
本稿の前編で説明したように、現在のオールフラッシュアレイの多くは、容量最適化機能、つまり圧縮や重複排除といったデータ削減機能を搭載している。オールフラッシュアレイベンダーはこうした機能の搭載により、重複排除後の使用可能容量または実効容量に基づいて課金することで、Gバイト当たり単価を抑えられるようにしている。
公平な条件を提示し、より中立的なRFPを作成するには、容量、パフォーマンス、読み取り/書き込みの混合比率、ブロックサイズ、ファイル/オブジェクト数のいずれも、使用可能容量の決定に一定の役割を果たすことを理解しなければならない。蓄積するデータによって、圧縮率も重複排除率も異なる。圧縮や重複排除がデフォルトで有効なオールフラッシュアレイを評価する場合、圧縮率や重複排除率をベンダーに合理的に見積もってもらうには、ワークロードやデータの種類について十分なデータを提供する必要がある。
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