オールフラッシュアレイ導入前に総確認
幸せになれる「RFP」の書き方 SSD/オールフラッシュアレイ編(3/3 ページ)
運用環境のサポート
RFPには、サーバ仮想化のハイパーバイザー(米VMware製品や米Microsoftの「Hyper-V」など)の利用についても記載しなければならない。一部のオールフラッシュアレイは、こうした製品との連係機能を提供するからだ。
仮想マシン(VM)で実行されるOSとアプリケーションは、マルチパスI/O(ストレージとサーバとの接続経路を複数用意する機能)、キャッシュ、実ストレージ認識の処理メカニズムが異なる。このため、これらに関わる問題も取り上げる必要がある。
例えば、仮想デスクトップインフラ(VDI)を運用している場合、「新しいオールフラッシュアレイは『ブートストーム』(多数のユーザーが同時にログインするときに発生する処理)をどう処理するのか」「現在および将来の自社の環境で、同時に起動されたりログインされたりする可能性がある仮想デスクトップの数は幾つか」といった事項をRFPに記述しなければならない。
データの保護
オールフラッシュアレイはスナップショット、クローンコピー、リモートレプリケーションなど、さまざまなデータ保護機能を提供する。これらの中でどの機能が必要か、データのコピーを幾つ保持しておきたいかをRFPに記載する必要がある。リモートレプリケーションについては、同期レプリケーション(本番サーバと予備サーバとの間で常にデータを同期させるレプリケーション手法)と非同期レプリケーション(本番サーバと予備サーバのデータを一定のタイミングで同期させるレプリケーション手法)のどちらを使用するかを指定しなければならない。
データは、当然ながらデータが保存されている場所でも保護する必要がある。ドライブやモジュールの障害からの保護に使用されるRAIDやイレージャーコーディング(データを分割した上で冗長化し、破損したデータの再構築を可能にする技術)といったメカニズムを理解しなければならない。幾つのドライブやモジュールで障害が発生したら、再構築が必要になるかどうかも認識しておく必要がある。保護すべきデータがPバイト規模の場合、障害の発生後にデータを再構成するのに必要な再構築時間は重要な意味を持つ。
RFPでは、既存データの移行、バックアップ、リストアのプロセスに加え、使用するアプリケーションにも言及しなければならない。
保証
RFPにはシステム全体の保証情報が必要だ。交換部品の保証情報が異なる場合は、それも必要になる。最近は、エンタープライズクラスの優良なフラッシュストレージには5年保証が付くことが多い。一部のベンダーは、フラッシュストレージに「書き込み容量」(Bytes Written)や「マイレージ」といったタイプの保証を付けようとしている。SSDにも採用されているNAND型フラッシュメモリは、セル当たりの書き込み可能回数に制限があるからだ。エンタープライズクラスのNAND型フラッシュメモリのメモリモジュールは一般的に、全容量を毎日数回書き換えることができる。書き込み集約型の場合は特にそうだ。
価格
RFPでは全てのハードウェア・ソフトウェアについて、定価や割引額、最終価格といった形で価格を提示するようベンダーに求める。メンテナンスやサポート、導入サービス、トレーニングといったサービスが必要な場合は、必ずそれらの料金も提示してもらうようにする。ほとんどのベンダーは、リースや後払いといった支払いオプションの提案にも積極的だ。それらに興味がある場合は、提案を希望することをRFPに明記しておく。
まとめ
オールフラッシュアレイのRFPを作成する作業は多くの点で、従来のHDDベースのストレージアレイの場合と同様だ。総容量と使用可能容量、データ削減、データ保護に関するデータが重要になる。ただし、従来とは異なる点も多い。フラッシュストレージのコストと固有のパフォーマンス特性を考慮すると、自社の技術上およびビジネス上のニーズに最適なシステムを手に入れるには、アプリケーションやワークロードに関する情報を豊富に盛り込む必要がある。
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