スイス・チューリッヒ保険など3社のモバイル戦略を紹介
「MDM」はもはやiPhone活用成功の絶対条件ではない?(1/2 ページ)
スマートデバイス活用を進める企業が、当たり前のように導入を検討してきたモバイルデバイス管理(MDM)。そんなMDMに対する企業の見方が変化しつつある。3社の担当者の話から、現状を探る。
モバイルを第一に考えたIT基盤構築を進める「モバイルファースト戦略」の形は、組織によってさまざまだ。こうした中、モバイルファースト戦略を進める上で、モバイルデバイス管理(MDM)の先を見据えた動きが広がり始めた。
2015年8月に米サンディエゴで開かれた米調査会社Gartnerの年次カンファレンス「Gartner Catalyst Conference」では、ITの専門家がエンタープライズモバイル管理(EMM)の先を行くモバイルファースト戦略について解説した。
MDMより重要なこと
スイスの保険会社Zurich Insuranceは、社内の1万5000台の端末のために、米MobileIronのMDMサービスを利用している。ただし、Zurich Insuranceの懸念は「MDMの先を行っている」と、同社の国際情報セキュリティ&アーキテクチャ担当責任者、アンディ・ストーン氏は話す。「端末についてはもう心配していない。それは後で考えればいい。心配なのは、端末のアプリとデータだ」と同氏は言う。
Zurich Insuranceのシステムを使うユーザーは、保険の仲買人やディーラー、代理店、顧客まで多岐にわたる。同社は過去、多数の業務委託先や一時雇用の従業員に対し、多大なコストを負担して、ノートPCやアプリケーションへのVPN(仮想私設網)アクセスを提供してきた。それと同時に、こうした一部のスタッフだけでなく、Zurich Insuranceの全従業員のためのモバイルアクセス実現にスポットを当て始めたという。「ユーザーが使うかもしれないし、全く使わないかもしれない機能をフルに備えたアプリを提供するのではなく、一部のアプリの中心的な機能を提供することについて考え始めた」(ストーン氏)
米Mocanaが提供する技術やモバイルアプリ管理製品「Mocana Atlas」の導入で、Zurich Insuranceはモバイルアプリへのシングルサインオン(SSO)を実現した。Mocanaの製品/技術を利用すれば、組織全体で複数の異なるディレクトリにまたがってユーザーのアクセスを管理できる。「もはやMDM製品に依存する必要はない。セキュアな方法でアプリを導入すれば、それがセキュアであることを確信できる」とストーン氏は語る。
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