「協働学習」を支えるIT基盤に
桐蔭学園が「iPad」「MDM」「フィルタリング」を導入、選定の決め手は?(1/3 ページ)
桐蔭学園は米Appleのタブレット「iPad」の導入に併せて、モバイルデバイス管理(MDM)とWebフィルタリングを導入した。その製品選定の理由とは。同校担当者に聞いた。
桐蔭学園は神奈川県横浜市に広大なキャンパスを構え、幼稚部から大学・法科大学院までを備える大規模校だ(写真1)。創立50周年を迎えた同校は改革方針の1つに教育のIT化を掲げ、2015年4月より中学校1年および中等教育学校1年に米Appleのタブレット「iPad」を導入した。
OSやメーカーを問わず幅広くタブレットを検討した桐蔭学園は、一時Windowsタブレットを前提に検討を進めたが、最終的にiPadを選んだ。その背景を同校のICT導入の推進役である、桐蔭学園中学校男子部技術科の山口大輔 教諭に聞いた。
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桐蔭学園IT活用の契機となった「アジェンダ 8」
桐蔭学園は幼稚部と小学部までが共学で、中学校1年生~高等学校2年生までが別学(同一キャンパス内で男子部と女子部エリアが分離)、高校3年生のみ男女併学という特徴的なクラス構成を採用する。2001年からは6年制の中高一貫校である「桐蔭学園中等教育学校」も新設。中高6年の一貫教育を2校で提供する。
同校がiPadなどのIT製品を導入する契機となったのが、創立50周年を基に定めた指針「アジェンダ8(改革の8つの行動)」の存在だ。自ら考え判断し行動できる子どもたちをはぐくみ、一人一人の生徒の可能性を開く――。アジェンダ8ではこうした思いの下、以下の推進を掲げる。
- アクティブラーニング型授業の導入
- キャリア教育の充実
- 個人カルテを用いた「TOIN個別学習支援システム」の開始
- IT教育の充実
- サイエンス教育の充実
- グローバル教育の充実
- 芸術・文化教育の充実
- 生徒、保護者、学校の三位一体教育の充実
アジェンダ8はまず、2015年度入学の新中学1年生を対象にした。iPadとIT環境の導入もそれに合わせる形で、中学校男子部と中学校女子部の1年生、そして中等教育学校の1年生(中学1年生相当)に1人1台と、当該学年を担当する教職員などの分を合わせて約650台を導入した。なお、iPadは各家庭で購入したものを学校で利用するBYOD(私物端末持ち込み)制度ではなく、学校が一括導入して生徒一人一人に貸与する形式を採る。
導入したIT製品:端末からインフラまで整備
桐蔭学園が導入したIT製品のうち、端末と主要なソフトウェア/サービスを挙げると以下のようになる。
- 端末モデル:Apple「iPad Air 2 Wi-Fi 64GB」
- 整備方法:学校が生徒に貸与
- モバイルデバイス管理(MDM):アイキューブドシステムズ「CLOMO MDM」
- Webフィルタリング:検索エンジン「Google」のフィルタリング機能「Googleセーフサーチ」、学園内ファイアウォールのWebフィルタリング機能、Webフィルタリング機能を備えたデジタルアーツのセキュアブラウザ「i-FILTERブラウザー&クラウド」の3重構成
- 授業支援ソフト: LoiLo「ロイロノートスクール」
- 教員と生徒との連絡ツール: Classi「Classi」
- その他:オンラインサービス群「Google Apps」(オンラインメールサービス「Gmail」など)を「基本ICT基盤」として活用。米Microsoftの「Microsoft Word」「同Excel」「同PowerPoint」をMicrosoft Officeファイルのビュワーとして(「Office 365」の契約なしで)導入し、Google AppsまたはAppleの「iWork」(「Pages」「Keynote」「Numbers」)を編集用として導入
その他、端末活用を支えるインフラ面も整備した。普通教室ではほぼ全ての無線LANインフラに、Appleの無線LANアクセスポイント「AirMac Extreme」を利用する(写真2)。同製品はコンシューマー向けだが、端末50台の同時接続が可能で、5GHzと2.4GHzの両周波数帯、理論値でGbps級のデータ伝送速度を誇る無線LAN規格「IEEE 802.11ac」にも準拠した、比較的高スペックな製品だ。
中学校/中等教育学校1年の各教室には、電子黒板機能が付いた可動式の単焦点プロジェクター型ホワイトボードを導入。これにAppleのセットトップボックス「Apple TV」を接続している(写真3)。Apple TVを使えば、教員や生徒が無線経由でiPadの映像をホワイトボードへ投影できる。
2015年4月に導入したばかりというClassiについては、落し物を見つけた際の落とし主の特定によく活用しているという。Classiのデータ共有機能『コンテンツボックス』を使って落とし物の写真を共有できるので、持ち主を見つけやすいという。「学習面だけでなく、生活面でもiPadを活用するのにClassiを役立てている」と山口教諭は説明する。早くも効果を実感しているようだ。
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