片手で持ち運べるPC
徹底レビュー:小さな“巨人”、Windows搭載スティック型PCは期待を裏切らない(2/2 ページ)
パフォーマンス
Mini PC Intel StickはCPU「Intel Atom Z3735F」(クアッドコア、1.33GHz)、2GバイトのDDR3L RAM、32Gバイトのオンボードストレージを搭載している。それから、802.11b/g/n Wi-FiとBluetooth 4.0をサポートしている。
Atom Z3735Fは、2014年初頭に出荷されている。最近リリースされた台湾Acerの「Aspire Switch 10」やLenovo、米Dell Software、Acerから発売されているWindowsタブレットやAndroidタブレットにも搭載されている。
このプロセッサは非常に優秀で有能なため、Mini PC Intel Stickで申し分なく機能した。ただし、他のAtom搭載デバイスと比較すると、Mini PC Intel Stickは稼働時に熱くなる。Mini PC Intel Stickに詰め込まれているものを考えると、熱くなるのは当然のことだろう。ただし、長時間の使用では、発熱によるパフォーマンスの低下が顕著だった。
Mini PC Intel StickはOS「Windows 8.1 with Bing」(32ビット版)を搭載しているが、Atomプロセッサのおかげで期待通りに機能している。Webを閲覧したり、「Office 365」アプリケーションを使用する操作は、快適だった。メディアストリーミングは問題なく機能し、Mini PC Intel Stickを使用して普通のテレビでコンテンツストリーミングサービス「Netflix」を視聴できた。
テスト中、Wi-Fi接続は安定していた。ただし、5GHzの接続はサポートしていないためやや低速だ。一方、Bluetoothの接続は少し不安定だった。当初、Mini PC Intel Stickが各種Bluetooth対応のキーボードとマウスを認識することは困難を極めた。だが、数分にわたってBluetoothのオン/オフを切り替えた後、デバイスをペアリングし、接続状態を維持できるようになった。有線のUSB接続と比較すると、Bluetoothで接続したマウスとキーボードの両方で、若干ではあるものの目に見える遅れがあった。ただし、どのデバイスも使用可能で、少し不安定なマウスでもタスクを実行したり、単純なゲームをプレーすることはできた。
他の低価格帯Windowsタブレットと同様に、期待値を抑えておけば、Mini PC Intel Stickに失望することはないだろう。基本的な生産性向上ソフトウェアを実行できるため、実行可能な操作という観点で、Mini PC Intel Stickはビジネスユーザーが持ち運べるPCとして実用的である。ただし、ハードウェアの制限には留意されたい。例えば、カメラやマイクは搭載されていないため、外出先でSkypeなどのアプリを使いたい場合は注意が必要だ。
ベンチマーク
ここから幾つかのベンチマーク結果を紹介していこう。まずは、ベンチマークツール「wPrime」によるプロセッサの比較だ。
フィンランドFuturemarkのベンチマークツール「PCMark8 Home(Accelerated)」による、米Microsoftの「Windows 8」の一般的な作業(Webサーフィン、動画のストリーミング、ドキュメントの作成、ゲームのプレーなど)に関する全体的なシステムのパフォーマンス測定の比較結果は以下の通り。
結論
Mini PC Intel Stickとその類似デバイスは宣伝されている通りに機能する。パフォーマンスという観点で見た場合、他の低価格帯WindowsまたはAndroid搭載デバイスに比肩する。そのサイズを考えると、感心せざるを得ない。ユーザーにとって問題となるのは、同じ価格帯のタブレットと比較した結果、どちらの満足度が高いかだ。同じ価格帯のタブレットには、カメラやマイク、タッチスクリーンが搭載されており、電源に接続していなくても機能する。
広い視野で見ると、Mini PC Intel Stickを使用するにはHDMI対応モニターだけでなく、少なくともマウスとキーボードの2つのアクセサリが必要だ。この事実により、標準的なユーザーにとっての実用性は制限される。だが、試作品やデバイス概念という観点であれば、この製品は成功したといえるだろう。埋め込み型Windows PCの新たな始まりの到来を告げているかもしれない。また、企業やデータセンターが、場所を取らず、少ない電力で機能する安価なPCとして関心を寄せる可能性もある。
長所
- 小型で安価な省電力PC
- まずまずのパフォーマンス
- フルサイズのUSB端子とmicroSDカードスロット
短所
- 不安定なBluetoothのパフォーマンス
- サイズが小さいことに起因するハードウェアの制限
- キーボードとマウスなどのアクセサリの必要性
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