デル渾身の8インチタブレットをベンチマーク
徹底レビュー: Officeも付いて3万円台、格安Windows 8.1タブレット「Dell Venue 8 Pro」の性能は?
Microsoft Officeが使えて300ドル台で買える。そんな手頃な価格設定で話題をさらったWindows 8.1タブレット「Dell Venue 8 Pro」だが、肝心なパフォーマンスはどうか? 徹底検証する。
米Dellの「Dell Venue 8 Pro」は、300ドル(32Gバイトのストレージ容量。日本では64Gバイトの3万9980円から)という価格のおかげで大きな関心を呼んでいる。フルバージョンのWindowsが動くタブレットとしては驚異的な安さだからだ。そこで気になるのが、このデバイスがどのようなパフォーマンスを発揮するかである。
Dell Venue 8 Proの主な構成は、解像度1280×800ピクセルの8インチディスプレー、米Intelのクアッドコアプロセッサ「Bay Trail」(コードネーム)、2GバイトのRAM、32Gバイトのオンボードストレージ、microSDカードスロットなどとなっている。
仕上がりとデザイン
Dell Venue 8 Proではタブレットの一般的なデザインが採用されており、長方形で角は丸くなっている。サイズは縦向きの状態で幅約130ミリ、高さ216ミリ、厚さ8.9ミリ。重さは約395グラムと中型のデバイスだ。長時間使える軽さで片手でも持ちやすいが、ポケットには入らない。
前面は全体がガラス製で、両側面と背面はプラスチック製となっている。背面には同心円状の細かな凹凸が刻まれており、手になじむだけでなく、置いたときも滑りにくい。
ディスプレー
8インチの1280×800ピクセル(WXGA)ディスプレーの表示は申し分ない。画素密度は十分高く、ギザギザ感はほとんどない。
ディスプレーはIPS方式で視野角が広い。バックライトが明るいので屋外でも使える。ただし、直射日光下での見え方は、屋内には遠く及ばない。
ボタンとコントロール
Windows 8については、「デスクトップにスタートボタンがない」という不満が多かった。Windows 8.1でスタートボタンが追加されたが、Dell Venue 8 Proではそれにとどまらず、上面の右端(縦向き時、以下同じ)に物理的なWindowsボタンが用意されている。右側面の上部に電源ボタンが配置されており、平均的なユーザーは少し練習しないと、この2つのボタンを押し間違えてしまいそうだ。
電源ボタンのすぐ上にはMicro-USBポートがある。これはDell Venue Pro 8の唯一のケーブルコネクタで、通常サイズのUSBスロットやイーサネットポートは付いていない。もっとも、これはDell Venue 8 Proのような薄型軽量タブレットでは決して珍しくない。
電源ボタンのすぐ下に音量調節ボタンがあり、これらのボタンとポートは右側面の上部に並んでいる。右側面の下部にはうれしいことにmicroSDカードスロットが設けられている。microSDカードスロットは、基本的にメディアファイルの保存に必須だ。Dell Venue 8 Proのストレージは大部分がOSに占有されており、残りの容量の多くは、サードパーティー製ソフトウェアをインストールして保存するのに必要になる。
パフォーマンス
Dell Venue 8 Proの心臓部は、1.8GHz駆動のクアッドコアプロセッサ「Intel Atom Processor Z3740D」。新しいBay Trailチップの1つだ。Intelは、Bay Trailが前世代の「Clover Trail」(コードネーム)チップと比べて、消費電力は少ないものの、2倍のパフォーマンスを発揮するとアピールしている。
とはいえ、Dell Venue 8 Proはハイエンドのゲーム用デバイスではない。手軽で持ち運びやすいコンピュータを求めている人向けに設計(および価格設定)されている。Web閲覧やメール、カジュアルゲームに加え、オフィススイートの利用にも便利な選択肢となっている。
ベンチマークテスト
以下、主要なベンチマークツールを使ったDell Veneu Pro 8のテスト結果を示す。
ソフトウェア
Windows 8.1に対する評価はまちまちだが、不満の多くは、タッチスクリーンがない従来型のデスクトップPCやノートPCでこのOSを使っているユーザーから出ている。だがDell Venue 8 Proは、こうした不満とは無縁だ。Windows 8.1は、この製品のようなタブレットで動くように開発されている。新しいタイルベースのModern UI(「Metro」というコードネームで呼ばれることもある)は、いったん覚えれば使いやすい。
ただし、注意点もある。Windows 8.1と付属アプリは、明らかにDell Venue 8 Proよりももう少し大きなディスプレーを主に想定して設計されている。このタブレットの8インチ画面ではテキストがかなり小さくなることが多い。これはデスクトップモードでは調整できるが、Modern UIでは多くの場合、フォントサイズを大きくすることはできない。視力が良い人には大した問題ではないだろうが、そうでない人は、このデバイスを使うのにいつも読書用眼鏡をかけることになるかもしれない。
Dell Venue 8 Proの最大の長所の1つは、Windows RTではなくフルバージョンのWindows 8.1を搭載しているので、ユーザーは従来のWindowsデスクトップを開いてサードパーティー製のレガシーWindowsソフトウェアを実行できることだ。Dell Venue 8 Proには「Microsoft Office 2013」もバンドルされている。
ただし、デスクトップモードは基本的にタブレットで使うようには設計されておらず、画面要素が小さいせいで、ややタップし難いこともある。多くのレガシーアプリケーションは、スタイラスペンを併用する方が使いやすい。また、Bluetoothマウスおよびキーボードを接続すれば、超小型のデスクトップコンピュータのような感覚で利用できる。
それでも、Dell Venue 8 Proの成功にとっては、人気アプリのModern UI版が開発されることが重要になる。幸い、2013年にこうしたModern UI版アプリが大幅に増加した。FacebookやTwitterなど、需要が多いカジュアルアプリのほとんどはModern UI版が見つかるはずだ。だが専門的なソフトウェアを使うには、ほぼ全ての場合、Windowsデスクトップが必要になる。
バッテリー持続時間
バッテリー持続時間をテストするため、われわれはベンチマークソフトウェア「Powermark」をバランスモードで使った。テストでは、Web閲覧、ワープロ、ゲーム、動画再生のワークロードを組み合わせて実行した(図4)。
このテストでDell Venue 8 Proの動作時間は6時間7分だった。この結果からすると、バッテリー持続時間はまずまずだが、際立って長いわけではない。バッテリーは日中の大半は持つが、ときには途中で充電が必要になることもあるだろう。この程度の持続時間は中型のWindowsタブレットでは一般的だが、米Appleの「iPad Air」やほとんどのAndroidタブレットと比べるとはるかに短い。
価格と機能のバランスがウリに
DellはかつてクライアントPC市場で首位に立っていたが、近年は苦戦が続いている。ビジネスの一角を担っていた低価格クライアントPCの市場がタブレットに侵食されているからだ。同社は巻き返しを図っており、Dell Venue 8 Proはその切り札になるかもしれない。
このタブレットは価格と機能のバランスが絶妙だ。一般のコンシューマーが必要とするほぼ全てのものを、非常に手ごろな価格で提供してくれる。米国での定価は300ドルだが、もっと安値で売られているのがいつも見つかる。
しかし、Dell Venue 8 Proがビジネスユースでも優れた選択肢になるかといえば、それはまた別の話だ。このタブレットは、パーソナルタスクを処理し、ときにはビジネスタスクをこなすのにフルバージョンのWindowsを必要とする“プロシューマー”には重宝する。だがフルタイムのビジネスコンピュータとしては力不足だ。
長所
- 価格が安い
- まずまずのパフォーマンス
- 申し分ないディスプレー
短所
- microSDカードが必須
- “視力の良さ”が必要
結論
パーソナルタスクを処理し、ときにはビジネスタスクをこなすのにWindowsを活用するユーザーにとって重宝するタブレットだ。しかし、フルタイムのビジネスコンピュータとしては力不足。
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