「Windows 10 Mobile」でiPhoneに対抗
“Surfaceスマホ”は出るのか? Microsoftがモバイルで勝負をかける理由
スマートフォン事業の見直しや最新版「Windows」での大きな変化など、Microsoftの次の動きが同社の先行きを決定付けるだろう。
かつて支配的だったWindows PCのポジションをモバイル技術に着々と侵食される中、米Microsoftは幾つか大胆な策に打って出ている。そうした取り組みはMicrosoftを立て直すことができるのか、それともMicrosoftの存在感をますます薄めることになるのだろうか。同社の将来は今、どちらに転ぶか分からない状況にある。
1990年代の一連の反トラスト法訴訟から、完全な失敗作となった「Windows Vista」まで、Microsoftは常に何かしらの存続危機に直面しているようにもみえる。同社が前進するためには、過去の失策を消し去ることが重要だ。
関連記事
Windows 10に関する記事
- 「Windows 10」で加速する“古き良きクライアントPC時代”の終わり
- 「Windows 10スマホ」 vs. 「iPhone」、頂上決戦はいつ起きる?
- 徹底レビュー:「Windows 10」にアップグレードできてしまうMSスマホ「Lumia 640/640 XL」の可能性
Windows Phoneに関する記事
次期Windowsのモバイル対応
- 「Windows 10 Mobile」でスマホOSの地殻変動が起きるこれだけの理由
- 徹底レビュー:「Windows 10」にアップグレードできてしまうMSスマホ「Lumia 640/640 XL」の可能性
- 「Windows 10スマホ」 vs. 「iPhone」、頂上決戦はいつ起きる?
MicrosoftによるNokia買収の変遷
Microsoftのサトヤ・ナデラ最高経営責任者(CEO)は2015年夏、スティーブ・バルマー前CEOの時代に72億ドルで買収したフィンランドNokiaの携帯電話事業について減損処理を実施した。その直前には、Nokiaの前CEO、スティーブン・エロップ氏がMicrosoftを退職している。2013年に決まったNokiaの買収はMicrosoftの歴史において2番目に大きな取引だったが、結局、スマートフォン市場におけるMicrosoftの影響力を大きく変えるには至らなかった。
またMicrosoftは現在、「Windows 10」への無償アップグレードを提供している。その狙いは最新OSを広めることだけでなく、「Windows 8」からの移行を促すことにもある。Windows 8は、従来のWindowsに固執するあまり、モバイルの潮流に乗れなかったOSだ。
こうしたMicrosoftの一連の動きは、リスクと無縁ではない。スマートフォンの売り上げが伸び、PCの売り上げが減速している今、Microsoftが置かれているのは、Windowsスマートフォンを開発する主力メーカーの不在という状況だ。米調査会社Gartnerによれば、Nokiaはスマートフォン市場でトップ5圏外だったが、それでもある程度の存在感を示していた。ナデラCEOは独自ブランドのスマートフォン開発(いわゆる“Surfaceスマートフォン”)に取り組む方針とともに、スマートフォン事業を抜本的に見直すことを明言しているが、その詳細はまだ不明だ。最終的にはこの戦略がMicrosoftの成否を決定付けることになるだろう。
Microsoftが打ち出したWindows 10の無償アップデートという選択肢のおかげで、Windows 7とWindows 8のユーザーはこの最新OSを気軽に試すことができる。ただし、この状況はもろ刃の剣でもある。Windows 10を試したユーザーが、このOSを気に入れば採用は急拡大するだろう。だがバグが多かったり、覚えることがあまりに多過ぎたりすれば、ユーザーはWindowsを見限ることになりかねない。ダウングレードの手順が厄介であれば、なおさらだ。Windows 10にアップグレードして1カ月以内であれば、元のOSに戻すのは簡単だが、1カ月以上たった場合はUSBドライブを使って元のOSを一から再インストールする必要がある。
WindowsはMicrosoftの中核事業であり、モバイルの世界でWindowsを成功させることが同社の将来には不可欠だ。またWindowsは企業のITシステムの中核を担うコンピューティングプラットフォームでもあり、エンドユーザーの支持を失えば、IT部門に影響が及ぶのは必至だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー