客室乗務員全員にスマートフォンを
Windows Phone 8はデルタ航空とともに飛躍するか
米Delta Airlinesは機内販売の決済処理を行う端末としてWindows Phone 8を1万9000台購入し、配備を完了した。米MicrosoftにとってはWindows Phone 8の実力をアピールする、待望の好機である。
Windows Phoneが成功に向かう大事な一歩
「1万9000台のWindows Phone 8端末なんて、モバイル端末市場では大海の一滴だ」と話すのは、ITコンサルティング会社、米Pund-ITの主任アナリスト、チャールズ・キング氏だ。「それでも、米Delta Airlinesのような大手企業で採用されたという実績は、Windows Phoneが成功に向かう大事な一歩といえる。これまでのところ、一般消費者からの反応が大きいようには見えなかったからだ」
iOSとAndroidベースの端末が席巻する市場で、Windowsベースのスマートフォンはじわじわとシェアを伸ばしている。とはいうものの、調査会社の米IDCが発表した最新のデータによると、市場全体でのシェアは現段階では1桁台にとどまっている。
2013年第2四半期で、Windows Phoneのシェアは第3位の3.7%。かたやAndroidは79.3%、米AppleのiOSが13.2%となっている。BlackBerryはシェアを落として第4位、2.9%となった。残り1%をLinuxとSymbian OSが分け合っている。
Deltaの客室乗務員は今後、機内販売の決済にはWindows Phoneベースのスマートフォン、Nokia Lumia 820を使用することになる。この端末はWi-Fi接続または米AT&Tの4G/LTE接続でDelta独自のPOSシステムにアクセスする。POSシステムは、Microsoft Dynamicsの小売業向けのモバイルPOSプラットフォームを利用して米Avanade社が開発した。
客室乗務員はWindows Phone 8で機内販売のクレジットカード決済処理を行う。電子レシートを乗客のメールアドレスに送信する方式を採用し、全体として決済処理の時間が短縮できる。
客室乗務員全員に個人用のWindows Phone 8端末を貸与
Deltaではこれまで、機内販売の決済には機内常備の専用端末を使用していた。「その決済システムを更新する時期が来ていた」と、Deltaの広報担当者は説明する。
この広報担当者によると、客室乗務員全員に個人用のWindows Phone 8端末が与えられる。この端末はインターネットにアクセスできるため、乗務員個人のメールも利用できるという。ただし、客室乗務員が現在個人で利用している携帯電話を切り替えて、支給されたWindowsベースのNokia 820を、業務と私用の両方に使うメインの携帯端末とするかどうかは明らかにされていない。「DeltaとしてはWindowsスマートフォンに割り当てられる電話番号を用意していない」と、広報担当者はコメントする。
「最近の社会人は自分用の電話番号を幾つも持っているものだ。使っている端末の選択肢も複数ある。Windowsスマートフォンを強制するとむしろ使うのを拒否したくなるのではないか。仮に端末の事故による紛失や破損といった最悪のシナリオが流行病のように広まる事態になると、DeltaとMicrosoftの体面が傷つくし費用面での損害も少なくない」と前出のキング氏は話す。
Windows Phone 8の業務利用はMicrosoftにとって一筋の光明
DeltaがWindows Phone 8を採用したことは、業界の風向きが近年すっかり変わったことに翻弄されている様子のMicrosoftにとっては、まさに待ち望んでいた明るい知らせだ。
2013年7月、MicrosoftはSurface RTの在庫調整費用として第4四半期の決算に9億ドルを計上し、訴訟を招くこととなった。また同社はデバイスとサービスの企業を目指して組織改編を断行し、部署を役割別に再編すると同時に、製品別に分散していたエンジニアリング部門を統合した。さらに、同社のスティーブ・バルマーCEOは同年8月に、向こう12カ月以内に退任することを発表した。
加えて同月の最終週に、同社はWindows 8.1とWindows 8.1 RTのRTM(製造工程向けリリース)バージョンを、クライアントPCのメーカー各社にリリースした。ただ、従来はRTMバージョンのリリースを開発者のコミュニティーに対しても行っていたが、今回は「2013年10月18日の一般発売まで待ってほしい」とコミュニティーに要請したことで、開発者たちの怒りを買っている。
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