パブリッククラウドが正解の企業と不正解の企業
「オンプレミス環境をAWSへ」って、本当にお得なの?(1/2 ページ)
企業によってシステムをパブリッククラウドに全面移行するところもあるが、中には移行コストが膨大に掛かりためらう企業もいる。果たして、パブリッククラウド移行は企業にとって良いことなのだろうか。
創業時からクラウドを利用しているスタートアップ企業や米Amazon Web Servicesのパブリッククラウドサービス「Amazon Web Services」(AWS)に全面移行する準備ができている企業を除き、多くの企業は向こう数年間、ハイブリッドクラウドインフラを活用することになりそうだ。
従来型エンタープライズアプリケーションの大規模な導入コストを考えると、AWSでホスティングするという選択肢は当面選べないという企業も中には存在する。
米国のとあるビジュアルコミュニケーション企業もそうした1社だ。この会社はインフラに、
- 6000台の仮想マシンを実行する400台のVMwareホスト
- 1600台の物理ホスト
- オープンソース「OpenStack」をベースとしたプライベートクラウドで稼働する300個のインスタンス
- 幾つかのアプリケーションを動かすためのAWS
を使っている。
プラットフォームエンジニアリング担当上級ディレクターによれば、この会社は経営指標としてEBITDA(利払前・税引前・減価償却前利益)を採用しているという。EBITDAでは、継続的な営業費が発生するビジネスモデルよりも設備投資を積極的に実施する方が有利に評価される。
「インフラの運用を大手に委ね、管理の負担を軽減できるから、できればAWSでアプリケーションを実行したい。だがこうしたサブスクリプションサービスに料金を支払うとなると、EBITDAにも影響が及び、同じ条件で比較すればクラウドは好ましくないプラットフォームということになってしまう」とこの人物は語る。
一方、AWSを使うからこそのメリットもある。自社で実現するにはあまりに複雑で膨大なコストが掛かるようなサービスや会社のロードマップでは優先度が低いサービスをいつでも利用できる点だ。例えば、クラウドストレージ「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)などの各種サービスは世界各地のリージョンで提供され、容量ニーズの大きな変動にも対応している。また、PaaS(Platform as a Service)経由で提供されるサービスもある。そのため、この会社はAWSの使用を完全にやめるつもりもないという。
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