ビジネス部門から見た、理想的なクラウドの要件とは?理想的なクラウド基盤を構築する方法【第1回】(1/2 ページ)

IT基盤はなぜクラウド化する必要があるのか。クラウド化の目的、理想像、現状を再確認する。また、理想的なクラウド基盤の構築に欠かせない、ビジネス部門と情報システム部門、双方の要件を考える。

2015年09月18日 08時00分 公開
[渥美秀彦, 木島 亮, 國分 学, 高橋繁義, 藤澤好民伊藤忠テクノソリューションズ]

 今日、「クラウドコンピューティング」という言葉は、テレビCMや新聞記事でも目にするほど浸透してきている。しかし、IT基盤のクラウド化に注目している企業は多いようだが、果たしてどれだけの企業でクラウド化が進んでいるだろうか。

 クラウドの導入や利用が拡大しているという調査データやニュース記事が出る一方で、「それほど導入が進んでいない」または「進めることができていない」という企業もまた多いのではないかと思う。また、仮想環境を導入することでクラウドを導入したと思い込み、その結果クラウドにそれほどのメリットを感じることができなかった企業もあるのではないか。では、なぜこのようなギャップは生じるのか。それはクラウド化と仮想化を混同してしまい、クラウドの本来の目的を誤解しているためである。

 本連載は全7回を予定している。第1回では、クラウド化と仮想化の混同による誤解を払拭(ふっしょく)し、クラウド化の本来の目的、理想像、現状などを再確認する。第2回以降では、理想的なクラウドを実現するためのクラウド基盤の作り方を5つの技術分野で検討する。

 今回の内容は下記の通りである。

  1. なぜ、クラウド化する必要があるのか?
  2. 理想的なクラウド基盤とは
  3. 現状の最適解がハイブリッドクラウドになる理由
  4. ハイブリッドクラウドを見据えた理想的なプライベートクラウドを考えていこう

1.なぜクラウド化する必要があるのか?

       1|2 次のページへ

ITmedia マーケティング新着記事

news112.jpg

「インクルーシブマーケティング」実践のポイントは? ネオマーケティングが支援サービスを提供
ネオマーケティングは、インクルーシブマーケティングの実践に向けたサービスを開始した...

news135.jpg

Xが新規アカウントに課金するとユーザーはどれほど影響を受ける? そしてそれは本当にbot対策になるのか?
Xが新規利用者を対象に、課金制を導入する方針を表明した。botの排除が目的だというが、...

news095.jpg

Googleの次世代AIモデル「Gemini 1.5」を統合 コカ・コーラやロレアルにも信頼される「WPP Open」とは?
世界最大級の広告会社であるWPPはGoogle Cloudと協業を開始した。キャンペーンの最適化、...