最重要ITプロジェクトは?
何はともあれ「セキュリティ」、2016年のIT投資調査が“やっぱり”な結果に(2/2 ページ)
アプリケーション開発のランクアップ
クラウドコンピューティングは、ビジネス部門とIT部門の間で交わされる議論の中でセキュリティが登場する唯一の領域ではない。ターナー氏にとって、2016年の最優先プロジェクトはアプリケーション開発だという。アプリケーション開発の順位は、2015年の調査結果で急上昇した。2014年の調査では、アプリケーション開発の優先順位は7位で、回答者の14%が2015年における優先度の高いITプロジェクトとして挙げていた。1015年の調査では、回答者の24%が2016年における優先度の高いプロジェクトとしてアプリケーション開発を選択しており、セキュリティに次いで2位という結果になっている。
アプリケーション開発について話すときには、強固でシームレスなセキュリティが優先リストの上位に入るとターナー氏は述べる。Millennium Collaborative Careは、ニューヨーク西部に在住するMedicaidの利用者と医療提供者の連絡役として機能し、医療サービスの品質向上を後押ししている。同NPOは2016年に一種の統合医療ソリューションを導入する計画を立てている。この統合医療ソリューションは、医療サービスに関するテクノロジーを組み合わせることで、最終的に然るべきタイミングで適切な提供者から適切な医療サービスを提供するものだとターナー氏は話す。
Millennium Collaborative Careの目標の1つは、医療提供者による患者へのサービスの提供が患者数ベースではなく品質ベースで行われることを保証することだ。その鍵を握るのはデータと分析だ。つまり、Millennium Collaborative Careにとってアプリケーションは不可欠なデータのパイプラインになる。「当組織以外の従業員と連係するときには、彼らが同じ影響力が及ぶ範囲にいるわけではないことを認識しなくてはならない」(ターナー氏)
アプリケーション開発と方針に従わないIT利用者
ターナー氏にとって最大のセキュリティに関する懸念は何者かにシステムにハッキングされることではない。それよりも、機密情報の入ったモバイル端末やUSBメモリが盗まれたり置き忘れられたりすることを心配している。また、何重ものセキュリティ対策を講じたアプリケーションが足かせになることも懸念している。大抵のことについては結局優れた設計が必要なのだ。そう話すターナー氏は、同氏の基準を満たせるパートナーを探しているという。
アプリケーション開発の人気向上とセルフサービスアプリケーション環境に起因するセキュリティリスクによって、近い将来にクラウドへの反発が起こり、標準化を求める動きに拍車が掛かる可能性があるとジル・ダイチェ氏は指摘する。同氏は米SAS Instituteでベストプラクティス部門の統括責任者を務め、CIOや上級IT幹部と密接に連係している。
「2010年頃まで、企業はITベンダーに頼らず社内で問題を解決しようとしていた。今でも企業はクラウドのアプリケーションを所有したいと考えている。だが、クラウドベンダーと関係を持つことも、そうしたベンダーを通じて機器を調達したり、更新したりすることも望んでいない」とダイチェ氏は言う。
フォンタナ市では、バラシッチ氏がアクティブなフェデレーションサービスを設定し、国際的な標準化団体OASISが策定した「Security Assertion Markup Language」(SAML)に準拠するようSaaSベンダーに依頼した。SAMLは統合ID管理の標準プロトコルだ。職員の退職時にフェデレーションサービスのディレクトリからIDを削除することで、その職員が所有していたSaaSベースのサービスへの全てのアクセス権を効率的に削除できる。
だが他にもやるべきことはある。フォンタナ市の購買部が米Bank of Americaと新しい購買カード(PCard)システムの契約を結んだとき、購買部はIT部門に意見を求めなかった。「このシステムがIT部門に関連する可能性やIT部門が関わるべきということについて購買部は考えも及ばなかったのだ。IT部門が指摘するまで、PCardのシステムによってID管理の問題が発生することに気付いていなかった」(バラシッチ氏)
Bank of AmericaがSAMLに準拠していることを確認できるように、バラシッチ氏は購買部に自分を同行に紹介するよう求めた。Bank of AmericaはSAMLに準拠していないことが判明したが、朗報はBank of Americaが2016年にSAMLに準拠する計画を立てていることだった。
SaaSへの投資の可視性を確実に向上するため、バラシッチ氏は購買部と連係することを計画している。購買部はクレジットカードで購入されたものも含めて全ての購入を監視している。「購買部は購入に印を付けて確認し、その購入が何らかのサービスに属するかを購入者に尋ねることができる。その後、IT部門が介入できるように購買部はデータをIT部門に送信することができる。SaaSソリューションの販売方法から、このような形を取ることになる」とバラシッチ氏は語る。
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