業界団体SNIA-Jの会長が詳細解説
よく分かる「コールドストレージ」入門(3/3 ページ)
コールドストレージ導入に当たっての留意点
コールドストレージの定義や市場、メディアごとの特徴を述べてきた。これからコールドストレージ導入を検討する読者に向けて、製品選定における留意点をまとめた。ぜひ参考にしてほしい。
1. バックアップ用途なのかアーカイブ用途なのかを明確にする
バックアップ用途であればコールドストレージではなく、バックアップ装置を検討した方がよい
2. 将来を見据えた総容量を把握することで規模感を持ち、データマイグレーションが可能な範囲かどうかを確認する
小容量であれば通常のHDDや単体の光ディスクドライブ、テープドライブで十分。コールドストレージは100TBを超える辺りから検討した方がよい
3. 更新の有無、読み出し頻度、読み出し量を把握して、保管対象が「コールドデータ」であることを確認する
更新が多い場合はコールドデータでは無いので通常のHDDベースのストレージ運用を考える。基本的に更新がないものをコールドストレージに格納する。読み出し頻度が多い場合はアクティブアーカイブを検討、読み出しが少ない場合はディープアーカイブ(光ディスク、テープ)を検討する
4. 設置場所(データセンター、マシン室、オフィス)の温湿度変化、粉じん量、床耐荷重などを把握する
温湿度変化や粉じんが多い場合はテープの採用を控える。HDDを高密度格納する装置の場合は床耐荷重にも留意する
5. 求められるレイテンシを明確にする(秒単位、分単位、時間単位)
秒単位のレスポンスが必要な場合はアクティブアーカイブを検討。分単位、時間単位で待てる場合は光ディスクやテープを使用可能
6. クラウドサービスが使えるか否かの検討
対象データの社外格納の可否、回線容量、入出力の頻度や1回の転送量を考慮する。社外秘などの機密データのアーカイブはプライベートアーカイブを検討する。社外での保管が可能であればクラウドアーカイブも検討可能。クラウドアーカイブの場合は、入出力が従量課金の場合が多く、予想外に費用がかさむことがある。そのため、特に入出力の回数や頻度に注意する
7. 利用する業界でのデファクトがあるか否か
放送・映像業界のように既にテープがデファクトスタンダードとなっている場合は、それに従った方がよい。媒体保存のための建物や設備(空調設備、保管設備)や管理のためのソフトウェア、業界内での流通性などインフラが整っている場合が多い
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