その基本と注意点を専門家に聞いた
「磁気テープ」は過去の技術ではない、今なお伸び続ける理由とは
バックアップでのテープの利用は長年にわたって減少しているが、その一方でテープベースのアーカイビングを行う動きが広がっているという。その利点を専門家に聞いた。
テープ利用の基本と注意点を確認
バックアップでのテープの利用は長年にわたって減少しているが、米Enterprise Strategy Groupのアナリスト、マーク・ピータース氏によると、テープベースのアーカイビングを行う動きが広がっているという。アーカイビングでテープの利用が伸びている要因や、アーカイビング用にストレージメディアを選ぶ際の考慮点などについて同氏に話を聞いた。
――「テープは終わった」とよく言われますが、明らかにそうではありません。テープの現状はどうなっていますか?
ピータース氏 現在、業界の数字では、テープは全体として横ばいから右肩下がりです。しかし、その主因は、バックアップ用にHDDの方が使われるようになっていることです。大抵の場合これは、目標復旧時間(RTO:Recovery Time Objective)や目標復旧ポイント(RPO:Recovery Point Objective)に積極的な目標が設定されているからであり、理にかなっています。その一方で、テープもアーカイビング用ではまだ一般的で、利用も伸びています。これには幾つかの大きな要因があります。1つは、クラウドサービス事業者がテープの価値提案、例えば、ディスクやオンラインシステムが太刀打ちできないデータのインテグリティ(完全性)のレベルなどを“認めている”こと。もう1つは、容量の拡大と保存性の向上および法規制の存在です。そして最後に、果てしない予算圧力です。
――アーカイブ用のテープを検討する際に留意すべき常識的なことは何ですか?
ピータース氏 まず、もちろん、テープは容量単価が最も安いメディアであることです。また、動作も速く(最初の1バイトを超えると、テープからのストリーミングは常にディスクよりも高速)、非常に信頼性が高く(純粋な信頼性はHDDをはるかに上回る)、寿命も抜群です。最近では、テープ内のデータを検索したり、システム間でテープを共通に使ったりできるツールも提供されており、主要なツールとして「LTFS(Linear Tape File System)」があります。テープカートリッジを巨大なUSBドライブのように扱えるわけです。
――アーカイブ用のテープは、バックアッププロセスであればどのポイントに適しますか?
ピータース氏 どこにも適しません。バックアップとアーカイブは全く別物であることを頭に入れておいてください。“アーカイブ”は、データのプライマリコピーを、そのアクティビティプロファイルに合ったメディアに移動しただけのものです。これに対し、“バックアップ”はデータのコピーです。アーカイブデータはバックアップしなければなりません。両者は同じではないのです。
――アーカイビングは、バックアップが必要なデータの量を減らす方法として使えますか? 両者は異なるプロセスですが、関係はあると思うのですが。
ピータース氏 ストレージボリュームとコストの削減に役立ちそうな1つの関係は、ワークロードがアーカイブステータスやティアに移ると、バックアップ頻度が少なくて済むことです。そのデータはアクティブでないか、あるいは変更されないからです。
――アーカイブデータはどこに保存すべきですか?
ピータース氏 適切な距離のオフサイトに安全にバックアップされていれば、アーカイブデータは、ローカルに置いてもどこに置いても構いません。置く場所は、データにアクセスするまでにかかる時間をどれだけ許容できるか、コスト的に、必要に応じてどれだけのボリュームを移動できるかによって決まってきます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー