データ志向への転換に必要なこと(後編)
うまくいく企業は何が違う? ビッグデータプロジェクト“成功の鍵”を探る(2/2 ページ)
データ志向の文化を築く方法
データ志向の文化を築くために、まずCIOはビジネス部門にとって魅力的なユースケースを見つける必要がある。ビッグデータ分析会社ClearStory Dataの顧問委員会の一員であるミシュラン・ケイシー氏は、かつて米国連邦準備制度理事会(FRB)のCDOを務めていたとき、ビッグデータプロジェクトに対する反発を受けたことがあると話す。その原因は、関心や賛同を得られなかったからではなく、「お金」という現実的な理由からだった。「アメリカ連邦議会から資金援助を受けていないものの、FRBは政府系機関であるため、決められた予算がある」とケイシー氏は説明する。予算が少なかったため、資金調達のための競争が発生していたのだ。
「特にビッグデータに取り組み始めたばかりの企業は、その価値を示すのに適したプロジェクトやユースケースを見つけて優先順位を高めるのが、組織内でビッグデータの信用を得ることにつながる。この信用こそが、多くの組織で追加予算の獲得に貢献している」(ケイシー氏)
BloombergのCTOオフィスでデータサイエンスの責任者を務めるギデオン・マン氏も、ケイシー氏の意見に賛同している。「草の根レベルでデータ志向、機械学習やビッグデータアプローチへの転換を考えているのなら、地道な信用の積み重ねが欠かせない」(マン氏)
これが、マン氏をはじめとする専門家が、小さな問題の解決からビッグデータを導入することを推奨している理由だ。「模範にできる例を1つ見つけることをお勧めする。具体的な問題が発生したら、その問題に解決策を応用すれば良い」とマン氏は述べる。
問題が迅速に解決されると、解決手法に対する信用は高まり、企業文化のデータ志向は強くなり、IT戦略は変わることになる。例えばBloombergでは、ビッグデータの価値に関する議論は終了している。現在の課題は、機械学習とビッグデータプラットフォームをベースに何をする必要があるかを明らかにすることだ。
「小さな問題は変化する可能性がある。そのため、小さな問題に対処する特定の解決策ではなく、製品と足並みをそろえて、汎用(はんよう)的なシステムの構築に取り組まなければならない」(マン氏)
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