規制すべきは道具か、人か、使い方か
ランサムウェアをきっかけにビットコイン規制を検討する米議会の“誤解”(2/2 ページ)
法律事務所BuckleySandlerの弁護士、ダナ・シラキューズ氏も同じ意見だった。ビットコインそのものは他の仮想通貨と同様、取引の流れを追うブロックチェーンのフォレンジック(科学捜査)による追跡は十分可能だと同氏は話し、「ブロックチェーンフォレンジックを使えば1つの取引所から別の取引所へ、ウォレットからウォレットへと取引をたどることができる」と解説した。
こうした追跡のしやすさのため、ビットコインがテロへの資金供給やマネーロンダリングに使われるなど、小委員会で取り上げられたようなリスクは最低限に抑えられる。
業界団体Chamber of Digital Commerce(デジタル商工会議所)のマシュー・ロザック会頭は、「そうした使用事例は極めてささいなものにすぎない。デジタル通貨、特にビットコインは、犯罪行為への資金供給用にはあまり使い勝手が良くない」と訴える。
ブリトー氏も「現在に至るまで、デジタル通貨がテロリストへの資金提供に使われている事例は見たことがない。テロリストへの資金提供は今も現金が一番だ」と強調した。
それよりも議会や司法機関が目を向けるべきは、そうした取引が行われる「入口」と「出口」であり、その取引に規制がかかっていることを確認する必要があるとシラキューズ氏は言う。
「それがサイバーセキュリティというものだ。その分野の規制についてはもっと大きな論議を行って、適切な基準を定める必要がある」とシラキューズ氏。司法機関が資金の流れを追跡できるよう、利用可能なフォレンジックツールについて自ら学ぶことも大切だと言い添えた。
ブリトー氏もまた、ブロックチェーンのセキュリティに関する論議をきっかけに暗号通貨の利用について話し合うよう助言。そうした取引を追跡するために利用できるツールについて司法機関が学ぶ重要性を説き、公的機関や民間組織のフォーラムが果たす役割に言及した。そうしたフォーラムの1つ、Blockchain AllianceはCoin Centerとデジタル商工会議所などの企業や団体が設立したもので、デジタル通貨に参加する司法機関や企業がそうしたテーマについて論議できる。
では、ビットコインやそのエコシステムはどの側面を規制すべきなのか。また、現行の資金移転法で規制する必要はあるのか。
その答えを出すのは難しい。シラキューズ氏によると、例えばニューヨーク州では現行法で特定の場所から別の場所への資金移動は規制対象としているが、取引企業間、あるいはウォレット企業間の移動は対象としていない。一方、他の州の法律ではそうした他の側面が十分網羅される場合もある。
新しい規制を制定する場合、議会はサイバーセキュリティだけでなく、マネーロンダリング対策や消費者保護といった複数の要因についても考慮する必要があるとシラキューズ氏は言い添えた。
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