米国で年間6000億ドルの損失
深刻化する医療詐欺、“予防”に役立つ3つの分析手法(2/2 ページ)
詐欺を防止して発見するモデル
支払い後に詐欺を発見するプロセスから、支払前に発見するより積極的なモデルに移行しようとする動きがある。このアプローチは、支払い前に疑わしい請求を確認して特定することで、最初から不正請求を回避することを目的としている。最も簡単なレベルでは、主に異常な振る舞いを中心として不審な行動を明記した一連の規則を定義できる。規則ベースのシステムなら、請求をフィルター処理して、不正請求の既知のパターンを特定したときに警告を出すことが可能だ。単純な例として、物理的に離れた2つの場所から、手続きのために2つの請求を同時に送信している不正請求者が挙げられる。
多くの医療保険支払者が予測型の詐欺防止に役立てようと機械学習に目を向けるようになっている。同時に、より高い予測性と正確性を得るため、機械学習アルゴリズムを導入している医療保険支払者もいる。例えば、以下のアプローチについて検討すると良いだろう。
誘導分析
詐欺事件では、内部告発者(ほとんどは、目にしたものを不審な活動だと考えた社内の従業員)から報告されるケースが多い。詐欺が立証されると、犯人が送信した請求の履歴データは、訓練のためのデータセットとして使用できる。誘導分析では、既知の詐欺事件に関連するデータをスキャンして、不正請求に関する振る舞いのパターンや特徴を特定する。それから、不審な振る舞いの新しいパターンも明らかにすることができる。それにより、企業は潜在的に不正な活動が検知されたときに専門家に警告する一連の新たなビジネス規則を定義できるようになる。
非監視分析
この種類の分析は、大規模なデータセットを活用して、不正請求者、保険受取人、プランの関係者の間でやりとりされた請求の種類を確認する。この方法は、以前は気付かれずに行われていた異常かつ不審な行動を明らかにすることを目的としている。
改良モデル
これは誘導分析、非監視分析、ビジネス規則モデルを組み合わせたもので、既知の不正行為を予測モデルと照合する。その後、このモデルを使用してコンプライアンスとのギャップを特定し、機械学習アルゴリズムによってギャップを埋めて詐欺の防止と発見の改善を試みる。
このアプローチでは、さまざまな分析メソッドとアルゴリズムを利用している。人口統計学的な可変要素(地理的な場所または特殊性など)と不正請求者が請求を送信する際の手続きの両方に基づいて不正請求者を特徴付けるために集積が必要なことは明らかだ。企業は、ディシジョンツリーを作成および導入して、不正請求者と請求の特徴の両方を踏まえて、不審な請求を特定できる。また、エンティティ分析とニューラルネットワークを使用すれば、詳細な調査を行う正当な理由となる不適切な行動の自立ネットワークを明らかにすることができる。
この基本的な枠組みは、モデルの開発と実装を組み合わせている。詐欺の分析では、方向性を持った誘導アルゴリズムと非監視アルゴリズムの両方が請求履歴を含むデータセットに適用され、そこで明らかになった疑わしい活動が調査される。その後、開発された分析モデルが、支払処理アプリケーションに統合できる精度を備えているかどうかを判断する。
十分な精度があれば、企業は支払い処理のフロントエンドでモデルを使用し、そこに請求を送信することで、支払いが処理される前に不審な行動を特定できる。この仕組みは、潜在的な詐欺行為を警告して、不適切な支払の詳しい調査にも役立てることができる。
これらの技法は医療詐欺の防止や発見に限らず、疑わしい振る舞いの特定に関して似たような要件を抱える他の業界でも利用できる。金融業界の専門家は、常に未承認のデビットカードのトランザクションを警戒し、詐欺、不正な電信送金、マネーロンダリングに目を光らせてることを法律で義務付けられている。政府機関は、請求詐欺や給料/過払い金の返還詐欺などの対策を定期的に講じている。また、小売業界の企業は、商品の運送や進行中の取引を監視して、不正な活動を特定しなければならない。
詐欺の防止と発見を目的とした分析アプリケーションは、このような各業界で利用可能だ。不審な行動を特定し、数々の不法行為に対抗することで、何十億とまで行かなくても、何百万ドルもの損失を食い止めることはできる。
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