「ぜいたくすぎない?」という指摘にどう反論する?
こんな場合はバックアップ先に「SSD」を選択すべきだ
企業システムのバックアップメディアにフラッシュストレージを採用すべきかどうかの判断には、コストとパフォーマンスという明確な基準の他にも、多くの要因が影響する。
「バックアップにフラッシュストレージを使うべきか否か」という問いへの答えは、誰に質問するかで大きく異なる。
ストレージベンダーは、既存のバックアップメディアを高価な新しいオールフラッシュアレイに置き換えるよう勧めてくるのはほぼ確実だ。逆に自社の最高財務責任者(CFO)は恐らく、少なくともあと1年は既存のバックアップ製品で十分だというだろう。
フラッシュバックアップが必要かどうかという質問に対する本当の答えはこの中間のどこかにある。
併せて読みたいお勧め記事
SSDが“絶好調”な理由
バックアップストレージ最新事情
バックアップストレージでは長らく、容量が最も重要な要素だった。ディスクベースのバックアップの場合、ストレージアレイには作業データセットと複数のリカバリーポイントを保存する必要がある。ディスクに保存するデータは、保護すべきデータの量や全体的なバックアップアーキテクチャなどの要因によって異なる。ディスクベースのデータバックアップには、社内データのフルコピーと複数のリカバリーポイントを含める場合もあれば、直近のデータのみを置く場合もある。
確かに、バックアップにフラッシュストレージを使うか従来の回転式メディアストレージを使うかの判断には容量要件が影響する。全体的なコストを決めるのは容量要件だ。データ圧縮技術を使えば、確かに1GB当たりのストレージコストを引き下げることはできる。だが最終的には、容量要件がコストを左右するのは変わらない。それでも、フラッシュストレージの採用は通常、パフォーマンス要件に基づいて判断する。
バックアップストレージアレイの回転式メディアをフラッシュストレージに置き換えれば、パフォーマンスを向上できる。その点に疑問の余地はない。問題は、バックアップストレージアレイが実際にどの程度のパフォーマンスを必要としているかだ。
例えば、バックアップに従来の継続的データ保護(CDP)技術を使用している場合、オールフラッシュアレイの性能を十分に生かせない可能性がある。バックアップサーバへのデータ送信に利用できるネットワーク帯域幅によっては、バックアップのパフォーマンスを制限し、フラッシュアレイが本来発揮できるよりもはるかに低い性能しか出せなくなるからだ。
このような場合は、オールフラッシュアレイを採用するよりストレージ階層化を活用するのが得策かもしれない。ストレージ階層化は、フラッシュストレージを読み込みと書き込みのバッファとして使用するように構成できる。この手法を適切に用いれば、オールフラッシュアレイでバックアップを実装するコストをかけなくても、フラッシュ並みのパフォーマンスを実現できる。
もう1つ考慮すべき重要な要素は、最近のバックアップ製品は従来のCDPよりもはるかに優れた機能を提供するということだ。例えば、今や多くのバックアップ製品はインスタントリカバリー機能を備え、バックグラウンドでリカバリーを実行中に仮想マシンを直接バックアップストレージからマウントして実行できる。
インスタントリカバリー機能は、バックアップストレージアレイのIOPS(1秒間に処理できるI/O数)要件を大幅に引き上げる。複数の仮想マシンで同時にインスタントリカバリーを実行する場合は特にそうだ。インスタントリカバリーを並行して複数実行する必要があり、かつ既存のバックアップストレージでは必要なIOPS要件を満たせないという企業であれば、オールフラッシュアレイでフラッシュバックアップにアップグレードすることでメリットを享受できる可能性がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
“攻撃者優位”なサイバーセキュリティ、全ての「穴」をふさぐ方法とは? -
製品資料
実際に悪用される脆弱性は4%前後 優先的に対処すべき脆弱性を把握するには? -
製品資料
HubSpotの機能を拡張する法人データ活用法 -
製品資料
面倒で非生産的な「名寄せ」作業 高精度&高効率に実施するには? -
製品資料
名刺管理には「その先」がある 成果のでない営業活動から脱却する秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
2
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
「WSUS」終了の時限爆弾 “本命”移行先ツールとMicrosoft提唱の新管理手法
-
5
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
6
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
8
「企業におけるAIの運用」に関するアンケート
-
9
「OSの選定・導入」に関するアンケート
-
10
アラート47%削減 オープンハウスが捨てた「全部メール通知」の監視体制
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
財務・会計はAI活用でどう変わる? 調査で見えた変革の道筋
-
3
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
7
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
8
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
9
ゼロトラストにおける「IDaaSの課題」と補完すべき重要機能とは?
-
10
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー