EMCの「DSSD D5」を採用
オールフラッシュストレージでOracle RACを「別次元の速度に」、導入企業の本音とは(1/2 ページ)
最近登場したEMCのフラッシュシステム「DSSD D5」は、大規模で複雑なデータベースのクラスタリング機能で1日に何千件ものクエリを実行するユーザーに大幅なパフォーマンス向上をもたらすかもしれない。
CMA Consulting Services(以下、CMA-CS)は、EMCのオールフラッシュストレージ「XtremIO」を最初に導入した企業の1社だ。CMAはXtremIOをOracleの大規模で複雑なデータベースのクラスタリング機能「Oracle Real Application Clusters」(以下、Oracle RAC)の格納に使用している。
今回、CMS-CSはEMCがリリースしたばかりの「DSSD D5」ラックスケールフラッシュシステムを導入した。DSSD D5の導入により、別次元の速度が実現するという。DSSD D5は2016年2月に登場した製品だ。EMCがスタートアップのDSSDを買収してから約2年後のリリースとなった。
CMA-CSは最大フラッシュ物理容量である144TBを搭載したラックを購入済みだ。CMS-CS チーフテクニカルアーキテクトのブライアン・ドハティ氏は、DSSD D5を最も負荷の高いOracle RAC用に稼働することを計画している。また、2016年7月には、2台目のDSSD D5を導入する見込みだ。
オールフラッシュの導入で1時間かかる処理が3分で
CMA-CSは、メディケア支払処理向けアプリケーションのサービスプロバイダーだ。CMA-CSのユーザー企業は1日に何百万人もの患者の請求を処理するため、CMA-CSにとって迅速なデータ分析は重要な業務となっている。
CMA-CSでは、ミラーリングした2つのOracle RACを格納する目的で2013年に初めてXtremIOを導入した。だが、ドハティ氏は、そのクラスタの1つをDSSD D5システムに移行すると話す。2台目のDSSD D5システムを導入したら、8ノードのOracle 12c RACで両方のクラスタを稼働するつもりだ。
「最高速の分析処理を実現するための性能を生み出すためにDSSD D5を使用している。コピーサービスやその他の付加価値サービスのためではなく、純粋に高性能を利用することを目的としている。当社が求めているのは単に非常に高いスループットと非常に低いレイテンシで、それを実現するために使用しているのがDSSD D5だ」(ドハティ氏)
DSSD D5には、サーバに取り付けるカスタムフラッシュモジュール含む。DSSD D5はモジュールを完全搭載または半搭載した5Uラックとして販売している。また、デュアルパス、アクティブ-アクティブのコントローラーアーキテクチャを採用しており、EMCによれば1つのラックで1000万強のIOPS、毎秒100GBの帯域幅を実現するという。さらに、DSSD D5は制御とデータパスを分離している。サーバのCPUは、NVMe over PCI Expressを経由してアプリケーションからフラッシュモジュールにデータを直接移動する専用リソースとして扱うことになる。
ただ、DSSD D5が全ての組織に適しているわけではない。その理由は価格だ。北米市場における最小構成価格でも100万ドルする。しかし、CMA-CSのような膨大な数のプロファイルを扱う企業には適している。
CMA-CSでは、自社でホストするデータウェアハウス事業とユーザー企業用にOracle RACをパッケージにした「MicroTerabyte」製品のために大規模で複雑なOracle RACをセットアップしている。ドハティ氏によれば、1000人以上のユーザーが同時にCMA-CSのデータベースにアクセスしても問題ないという。
オールフラッシュを導入する前、CMAではOracle RAC用にフラッシュと1万5000rpmのHDDを複数搭載し、8台のエンジンを備えたEMCの「EMC VMAX 40K」ハイブリッドアレイを使用していた。また、ハイエンドストレージなしで動作するように設計したHewlett Packard Enterprise(HPE)のデータベース「Vertica」に一部データの移行を試みたこともあるという。
「クラスタでは十分な速さを確保できていなかった。最もサイズの大きいテーブルは100億~150億行のクレーム履歴で、何千ものユーザーがそのデータを分析している。そこで、2つあるOracle RACの3つ目のコピーを作成し、列圧縮機能を持つ列指向型データベースのVerticaに作成したコピーを移行した」(ドハティ氏)
しかし、需要が高いため、今でも対応に苦労しているという。「95%のクエリは、5分未満で結果が返る。だが、当社は1日に何千件ものクエリを処理している。依然として実行に1時間以上かかるクエリが50~60ある。そのようなクエリをDSSD D5で処理している」(ドハティ氏)
ドハティ氏によると、DSSD D5のレイテンシは900マイクロ秒にすぎない。XtremIOのレイテンシは1ミリ秒をわずかに下回る程度だが、DSSD D5のレイテンシはさらに短い。そのおかげで、CMA-CSが有する最大規模のデータベーステーブルでも20分で完全スキャンできるそうだ。このデータベースは11TBあり、多くのユーザーが1日中アクセスしている。1台目のDSSD D5でテストしたところ、完全スキャンにかかる時間は3分49秒に短縮した。2台目のDSSD D5を導入すれば2分を切るとドハティ氏は予想している。
「DSSD D5によって状況は大きく変わるだろう。CMS-CSは多数のサマリーテーブル、派生テーブル、並列ビューを保有している。これは、帯域幅の不足に対応するために作成して分割したものだ。この物理データベース設計を徹底的に簡素化するつもりでいる」(ドハティ氏)
CMS-CSは、DSSD D5を2台あるHPEの「HPE DL380 Gen9」2UサーバとMellanoxのQuadruple Data Rate InfiniBandアダプターに接続してみたという。
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