鍵はサービスホストのプロセス分離
「Windows 10」次期大型アップデートの目玉は? “いきなり再起動”がなくなるかも
Microsoftが2017年春に予定している「Windows 10」の次期大型アップデートで追加予定の機能改善は、OSのクラッシュによる作業中断の問題に悩まされているIT担当者を楽にするかもしれない。
2017年春に予定されている「Windows 10」の次期大型アップデートは、同OSのクラッシュによる作業中断の問題に悩まされているIT担当者にとって楽しみな機能改善を搭載する。
PCをアップデートした後の勝手な再起動や、突然のクラッシュは、ユーザーの生産性を大きく損ないかねない。仕事の締め切りを抱えていたり、プレゼンテーション中であったりすれば、貴重な時間を奪われることになる。未保存のデータが消えてしまう場合さえある。こうした問題への対策として、パッチ管理ソフトウェアを使用しているIT部門もある。だがそうしたツールを未導入の企業には、Windows 10に追加予定の幾つかの機能改善が役立ちそうだ。
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「Windows 10 Anniversary Edition」の悲喜こもごも
Windows 10の次期大型アップデートでは、作業の中断による生産性低下を最小限に抑えるための変更が予定されている。サービスホストのプロセスの分離だ。この変更により、どれか1つのプロセスがクラッシュしたためにOS全体がクラッシュするといったことがなくなる。
「プロセスを分離するというのは良いアイデアだ。本当にMicrosoftの説明通りの機能になることを願っている。Microsoftが本気でWindows 10をエンタープライズ市場で成功させたいのなら、絶対に必要な措置だ」と建設会社Carlisle Construction Materialsでソフトウェアアナリストを務めるジェフ・ジャノビッチ氏は指摘する。
Windowsで稼働するサービスは年々増加している。Microsoftは「Windows 2000」以降、タスクマネージャーにおいて複数のサービスを1つのプロセスにグループ化し、まとめて実行することで、メモリを節約してきた。そのため、1つのプロセスのエラーが全体に影響を及ぼし、PCはクラッシュ、ユーザーは再起動を迫られるようになった。深刻なエラーが発生した際に表示される「ブルースクリーン」が出る場合も少なくない。だが近年、PCが搭載するメモリ容量は大幅に増加している。それならば、各プロセスを分離し、不要な再起動を最小限に抑えようというのがMicrosoftの狙いだ。
ITコンサルティング会社HillSouthの創業者兼CEOを務めるロビー・ヒル氏によれば、このアップデートはWindowsのアップタイムの向上につながるという。
「ユーザー企業にとっては非常に大きな改善となりそうだ。一般的に、Windows 10はWindows 8と比べてシステム全体のクラッシュは少ない。信頼性は明らかに向上している。Microsoftは今後も信頼性の向上を追求していくだろう」とヒル氏は語る。
Microsoftによれば、この変更はメモリ容量が3.5GB以上のWindows 10搭載PCに適用される。
「アクティブ時間」が最大18時間に
2016年夏の大型アップデート「Windows 10 Anniversary Update」では、再起動のタイミングを管理するための「アクティブ時間」が追加された。次期大型アップデートでは、勝手な再起動を防ぐべく、この機能がさらに強化される。
通常、Windows 10が更新プログラムをインストールする際、ユーザーは更新を知らせる通知を受け取るが、その時点でインストールを拒否することはできない。Microsoftの販売パートナーであるCumulus GlobalのCEO、アレン・ファルコン氏も最近、更新に伴いPCを数回再起動する旨を、その15分前になってポップアップ通知で知らされたという。
「更新をオプトアウトする方法はなかった。朝の8時40分にそのような状況となり、アップデートには結局3時間かかった。更新を拒否できないのなら、せめて勤務時間中を除外できるようにすべきだ。特に中小企業にとっては重要な問題だ」と同氏は語る。
「アクティブ時間」の画面でPCを通常使用する時間帯を設定すれば、その時間帯にはPCの再起動を必要とする自動アップデートを実行しないようにできる。現在、アクティブ時間として設定できるのは最大12時間だが、2017年春のアップデートでは、「Windows 10 Pro」「Windows 10 Enterprise」「Windows 10 Education」に関しては18時間まで設定可能となる。モバイルデバイス管理ポリシーを使って、IT管理者が自分でアクティブ時間の長さを設定することも可能となる。
タスクマネージャーの情報が詳細に
サービスホストのプロセスの分離に伴い、タスクマネージャーの画面の内容も若干変わる。タスクマネージャーでは、システムで実行中のサービスやアプリケーションに関する情報を確認できるが、次期大型アップデートでは、各プロセスが使用しているメモリ、ネットワーク、CPU、ディスクの使用率を個々に確認することが可能となる。こうした追加の情報によって、IT部門はより適切にトラブルシューティングを実施できるようになるだろう。
「ディスク使用率が100%となり、Windows 10の動作が重くなることがある。こうした問題は一部にはサービスによるものだ。何か不要なサービスまで動作していないか。そうした詳細を確認できる方が良い」とファルコン氏は語る。
Microsoftの品質改善プログラム「Windows Insider Program」の参加者は既に現在、最新ビルド「Build 14942」を通じてWindows 10の一連の新機能を確認できる。
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