Cortanaが変えるWindowsの未来
Windows 10がAnniversary Updateで本気モード、革新的“キラーアプリ”を徹底レビュー(1/4 ページ)
Microsoftは、「Windows 10 Anniversary Update」でCortanaを大きく強化した。その他の新機能や強化された点も含めてAnniversary Updateの内容を紹介する。
この25年間、エンドユーザーから見てMicrosoftの「Windows」は大して変わっていない。少なくとも抜本的な変化はなかった。「Windows 3.0」から「Windows 10」まで、Windowsで動作するさまざまな機能やタスクを実行するプログラム群としての単純な目的は果たしている。ウィンドウで実行し、グラフィカルな環境を備え、精度の高い入力デバイスをサポートすることでユーザーを支援してきた。
だがMicrosoftの「Windows 10 Anniversary Update」は、Windows 10で初めて実装された革新的な要素である「Cortana」をベースに構築されている。この事実は、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)やマウス、キーボードが発明されて以来、Windowsにとって最も大きな変化が起こる前兆といえるかもしれない。
そのような変化につながる可能性があるのは、CortanaがMicrosoftにより開発された単なる音声駆動型のデジタルアシスタントではないからだ。Cortanaは、"つながり"をデジタルで体現している。名前とユーザーの声を通じて、現代のコンピューティングを構成するプログラム、アプリケーション、システム、サービスをまとめ上げている。
少なくとも、それがMicrosoftの目指すところだ。現時点では、まだそこには到達していないのである。実際のところ、Anniversary Updateの新機能によってCortanaが中心的な役割を果たすようになっても、その目標実現への道のりは遠い。
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実用性のみにフォーカスしても、Cortanaはもっと大きな可能性がある。MicrosoftはCortanaの範囲を広げて対象となるプログラムを追加し、機能も拡張した。Cortanaが特に得意としているのはミーティングの設定とスケジューリングで、バッティングしそうな予定があればユーザーに警告する。例えば、ランチミーティングをする場合、Cortanaと他のWindowsアプリケーションと連係することでお勧めのレストランが提示されたり、テークアウトを注文したり、レストラン予約を入れたりすることができるとMicrosoftはいう。
ただし現時点では、そこまで精度は高くない。数十件のランチミーティングをスケジュールしてみたが、お勧めのレストランや予約の提案がなされることは一切なかった。影響する可能性のある設定を全て有効にして、Microsoftの「Windowsストア」から考えられるレストランアプリケーションを全部インストールしてみたが結果は同じだった。
Cortanaの状況認識についても同じことがいえる。Microsoftの開発者向けカンファレンス「Build 2016」で、「昨日作業した『PowerPoint』をチャックに送ってくれ」というコマンドをCortanaが処理して、観客をあっと言わせた。だが、TechTargetで同じ結果を再現することはできなかった。とはいえ、Cortanaは、プレゼンテーションやドキュメント、スプレッドシートのファイルを適切に提示することに長けていることを証明した。
またCortanaは、「明日」や「次の木曜日」のような言葉も正しく認識する。だが、そうした仕組みが全て連係して、チャックにPowerPointファイルを送信するには、Build 2016の技術デモ用のような非現実的な調整やファイル管理が必要になる。
多くのユーザーは連絡先がごちゃ混ぜの状態だ。TechTargetのチーム全員も例外ではない。各種アカウントやサービスから連絡先のデータを取得しており、同じ相手が重複して登録され、古くなった情報もある。
ファイルについても同様だ。「Microsoft OneDrive」や「Googleドライブ」「Dropbox」など、ファイルの保存先は複数のサービスに分散している場合がある。ファイルが複数のデバイスに保存されていることは言うまでもないだろう。特にスマートデバイスの場合、使用しているOfficeアプリケーションの提供元がMicrosoft、Google、Appleなど、1つではない。Microsoftが描く理想の世界では、ユーザーがOneDriveやオフィススイート「Microsoft Office」などを使用して、あらゆるものを整然とした状態に保っているのだろう。Cortanaは、雑然としたエンドユーザーの実環境に対応する準備ができていない。
ただし、朗報もある。Googleの「Android」用のCortanaアプリケーションは、見逃しているSMSテキストや着信の通知をWindows 10の通知機能「アクションセンター」に送り、Androidスマートフォンを介して応答できるようにしている。この機能は、Microsoftの「Windows Phone」に限定する形とる可能性もあっただろう。ただし、まだ細心の注意が必要な上、一貫性が全くないため信頼は置けない。だが、出だしとしては好調だ。Apple製品で似たような機能が「Continuity」構想で実現されるずっと前から、このような機能がWindowsにも搭載されることが長い間待ち望まれていた。
Cortanaには、他のアプリケーションやサービスを使用する新機能も幾つか備えている。一部のコマンドはロック画面で起動するようになった。また、Microsoftの「Microsoft Edge」でオンラインショッピングをしているときには、クーポンコードが自動検出される。Microsoftの音楽再生アプリケーション「Grooveミュージック」とも連係し、音声コマンドで特定のアーティストの曲を再生が可能だ。Cortanaの優秀なリマインダー機能も補強されている。その上、専用のタイマーアプリケーションとは無関係に、タイマーを設定、登録、キャンセルできるようにもなった。
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