「時間的な制約」が元凶か
「Windows 10 Anniversary Update」でウイルス対策製品に不具合、その“目を疑う原因”とは
マルウェア対策製品のユーザーから、「Windows 10 Anniversary Update」のインストール後に問題が発生したとの声が挙がっている。その背景には何があったのか。
Googleのセキュリティ調査チーム「Project Zero」は、主要マルウェア対策製品の多くに存在する一連の脆弱(ぜいじゃく)性を発見し、その情報を公開した。特に深刻な問題の中には、Symantecの主力マルウェア対策製品の中核エンジンに存在する重大な脆弱性も含まれていた。マルウェアをスキャンするために、マルウェア対策エンジンそのものがWindowsカーネルの中で読み込まれることが、この状況をより悪いものにした。
潜在的に悪質なコードをWindowsカーネルに持ち込むのは、部屋いっぱいのハトの中に、オジー・オズボーン(生きたハトを食いちぎるといった過激な行動で知られるミュージシャン)を連れて来て、品行方正を期待するようなものだ。Symantecのこの事例は残念ながら、マルウェア対策業界の憂慮すべき現状をあらためて認識させた。
そしてマルウェア対策業界の窮状が今、再び脚光を浴びている。ただし今回はセキュリティ企業に過失はない。
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Windows 10のセキュリティ機能
マルウェア対策ベンダーの“第3の敵”
Kaspersky Lab、Intel Security、AVAST Softwareなどの大手マルウェア対策製品のユーザーが、「Windows 10 Anniversary Update」のインストール後に問題が発生したと報告している。内容はマルウェア対策プログラムの機能が無効になった、システムがクラッシュして「死のブルースクリーン」が表れたなど多岐にわたる。
マルウェア対策業界はこのところ減退気味だが、サイバー空間にあふれるマルウェアの波からWindowsを守る上で、Microsoftはこれらの製品に大きく依存している。セキュリティ対策を真面目に考える企業は、従業員がWindowsに搭載されたセキュリティ機能のみに頼ってシステムを防御することを認めていない。さらにシステムが無防備な状態で放置されないよう、Microsoftも特別かつ慎重に、更新プログラムとマルウェア対策製品との互換性を確認しているはずだと期待しているはずだ。
ところがそうではなかったらしい。しかもIntel Securityのセキュリティアドバイザリ(マカフィー「Windows 10 Anniversary Update と複数のマカフィー製品間で互換性がありません」)によると、その理由が腹立たしい。
Microsoftは意図して、アップグレード/インストールを確実にするためのマカフィー製品バージョンとの互換性をチェックするための機能を実装していますが、Windows 10 Anniversary Updateには、時間的な制約によって、インストレーションチェック機能が実装されていません。
「時間的な制約」といっても、問題を避けるために必要なリソースがMicrosoftになかったとは信じ難い。マルウェア対策ベンダー各社は、ただでさえサイバー攻撃や自社製品の不備を相手に苦戦している。リング上でMicrosoftと共に“3番目の敵”に対峙する余裕はない。
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