開発コンテナと運用プラットフォームを選ぶ
「Docker」の次に注目したいコンテナツール5選(1/2 ページ)
Dockerはコンテナの世界をリードしてきた。だが、今では他にも多数の選択肢がある。Dockerに代わる5つの頼りになるツールを、専門家が実践的なアドバイスと併せて紹介する。
事実上SQLは1970年代前半にIBMが発明したものだといえる。だが、Relational Software(現Oracle)が1979年にRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)をリリースしてビジネスで使用されるようになるには、ボブ・マイナー氏、エド・オーツ氏、ラリー・エリソン氏という3人の男性がSQLに関わる必要があった。RDB(リレーショナルデータベース)は大きな進歩だった。少なくとも結果論では、大規模で競争力のある市場がRDBを中心に発展することは明らかだった。
それから38年後の2016年、IBMがGoogleなどの企業と共に、基本的なコンピュータの発展に携わっているのは、なんたる因縁だろうか。その進歩とは「Linux LXC」(Linux Containers)のコンテナ化だ。今回もdotCloudの起業家精神に溢れるソロモン・ハイクス氏によって、これらのアイデアとツールは商業的に実用性のあるプラットフォームへと姿を変えることになった。この取り組みによって生まれたのが「Docker」だ。現在DockerはLXC上で運用されていない。だがLXCに起源があり、LXCを継承していることに変わりはない。
開発コンテナとその運用プラットフォームの世界では、Dockerが中心的な役割を果たしているが、支配的な役割は果たしていない。現在Dockerが所有している主要なパーツとそれを取り囲むツールのエコシステムで、今後は競争が繰り広げられるだろう。以下にDocker以外のコンテナで注目に値するものを5つ紹介する。
1.Open Container Initiative(OCI)
基本的なインフラの進化は、特定の事業体に委ねるには荷が重過ぎる。その結果、開発コンテナの形式とランタイムのオープンスタンダードを推進するために、OCI(Open Container Initiative)が2015年に設立された。Dockerは主な支援者で、最近では「runC」をOCIに寄贈している。その他にもGoogle、Amazon、Faceboook、IBM、Red HatがOCIを支援している。
OCIにとって歴史上の最適なモデルは、ネットワーク通信と統合のOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの前身となったOSIイニシアチブだろう。OSIイニシアチブと同様に、OCIはその活動範囲を狭く定義している。また最近ではコンテナイメージの形式の仕様書をリリースしている。OCIがOSIと同様の実用性を達成して成功を収めれば、数年後、私たちはもっと安定して広く理解された概念と操作に使うツールのフレームワークを手にしていることだろう。
2.Kubernetes
個々の開発コンテナを初めて扱うときには、展開モデルのシンプルさに驚くだろう。展開したコンテナの数が急速に増えるにつれて、新たに対応しなければならない複雑な物事が出てくる。これはコンテナに限ったことではない。具体的には、イメージのビルドからコンテナのライフサイクル管理、サービスの検出、ネットワーク、永続的なデータなどがある。LXCの早期発展に貢献した企業の1つであるGoogleは、他の企業よりもコンテナ化が進んだアプリケーションを実行しているだろう。同社のオープンソースオーケストレーションプラットフォームである「Kubernetes」は、「Omega」と早期の「Borg」における同社の長年の経験に基づいて構築されている。恐らく、これは今もなお世界最大のコンテナ管理システムだろう。
Kubernetesは標準のクラスタとコンテナ管理プラットフォームをリードする競合製品へと瞬く間に成長した。主なメリットの1つは、クラウドプロバイダーによって異なる多くの基本リソースに、一貫したオブジェクトモデルとAPIを提供していることだ。それから、Amazon Web Servicesの「Amazon Web Services」(AWS)やGoogleの「Google Cloud」などメジャーなクラウドでKubernetesを実行できるようにモジュールも用意している。
3.CoreOSとrkt
Dockerをはじめとする多くの企業と同様、CoreOSは、成功を収めたオープンソースプロジェクトを足掛かりに成長した企業である。CoreOSの「CoreOS Linux」ディストリビューションは、開発コンテナを実行するためにカスタマイズされ、必要最低限の機能を備えたOSだ。分散Key-Valueストアの「etcd」は、Kubernetesクラスタの状態を一元的に格納するストアを提供する。またCoreOSはイメージのリポジトリとコンテナの自動作成ツールをホストする「quay.io」も運用している。
ごく最近、「rkt」がニュースで取り上げられた。rktは、Dockerに代わるコンテナの形式とランタイムで、Dockerとは大きく異なるアーキテクチャを採用している。これまでDockerの機能は、モノリシックなランタイムデーモンによって提供されてきた。一方、rktはシンプルで構成可能なコマンドラインツールというUNIXの方針に従っている。それから、rktはDockerを含む複数のコンテナの形式と“プラグ可能な”ランタイムコンテナの分離レベルをサポートしている。この分離レベルは、特定の種類のシステムとサーバアプリケーションで役に立つ。rktは、まだ開発の初期段階にある。だが、「Swarm」や「Compose」によって自分たちの領域にDockerが進出したことに不安を覚えているコンテナオーケストレーションツールの開発者が、特に関心を寄せる代替となる兆しが見えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー