2016年06月17日 08時00分 UPDATE
特集/連載

Computer Weekly製品ガイドコンテナ&マイクロサービスとは何か

個別にデプロイできるモジュールは、アジャイルアプリケーション開発にどう活用できるのか。この業界の主なサプライヤーも紹介する。

[Bob Tarzey,Computer Weekly]
Computer Weekly

 コンテナは、業務をこなすために必要な最低限のリソースのみを配備したアプリケーションロジックのコンポーネントを格納する。仮想マシン(VM)と異なり、コンテナはOSを必要としない。OSリソースはAPI経由で呼び出される。

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 コンテナ化は、実質的にはOSレベルの仮想化といえる(これに対してVMはハイパーバイザー上で実行され、それぞれフル機能のOSを伴う)。コンテナはパッケージ化が簡単で、軽量かつ実行場所を選ばない。複数のコンテナを1つのVMにデプロイすることもできる。

 マイクロサービスは、例えばネットワークトラフィックのルーティングやオンライン決済、医療結果分析といった単一機能のアプリケーションを指す。その概念は新しいものではなくWebサービスから進化したもので、複数のマイクロサービスを連結してアプリケーションとして機能させるのは、数年前に流行したサービス指向アーキテクチャ(SOA)の進化形だ。

コンテナとマイクロサービスの違い

 コンテナとマイクロサービスは同じではない。マイクロサービスはコンテナの中で運用することもあれば、プロビジョニングされたVMとして運用することもある。コンテナはマイクロサービスのために使われるとは限らない。だが、コンテナはマイクロサービス開発とデプロイの優れた手段であり、コンテナ運用のツールとプラットフォームはマイクロサービスベースのアプリケーションを管理する手段として優れている。多くの場合、これらの用語は相互に入れ替えることもできる。

 コンテナは何年も前からUNIXやLinuxに統合されてきた。最近は総合的なサポートのエコシステムが成長してきた。コンテナ化はITの周辺で起きている現象ではない。多くのWebスケールサービス運用の中核をなし、保守傾向の強い組織にも普及しつつある。本稿で紹介するサプライヤーは、NHSから大手銀行まで幅広い層を顧客に持つ。

 これに関わるサプライヤーは数多い。だが「Docker」が市場の中心で主導していることに異論はない。Dockerは、何百万というデベロッパーや数万もの組織がその技術を使っていると説明する。ただ、多くの組織にとってコンテナ化が目新しいものであることを示す統計もある。Dockerの顧客のうち、コンテナを本番環境で運用しているのは40%にとどまる。

 Dockerの優位は、必ずしも独占状態にあることを意味しない。むしろそれとは程遠い。コンテナのエコシステム全体を見渡すと、選択肢は豊富に存在する。多くの新興企業があり、IT業界が総力を結集している様子は、2016年2月の業界展示会「Container World」のスポンサー企業に見て取れる。最大手スポンサーのIBMは、MicrosoftおよびAmazon Web Services(AWS)と並んで世界進出を目指すDockerの主要パートナーの1社だ。

オープンソースコンポーネント化

 複数のコンテナはクラスタにデプロイされ、幅広いツールを使って管理される。そうしたコンテナの多くは事前に構築されたコンポーネントとなり、積み重ねてアプリケーションイメージを構成する。主なメリットは、アプリケーションを運用した状態で個々のコンテナを簡単に「上書き」できる点にある。定期的なダウンタイムが減れば、事業継続性が向上する。

 これは「DevOps」の概念の台頭につながってきた。DevOpsでは、より速いペースで新しいソフトウェア機能を直接OS環境にデプロイできる。

 中核的なコンテナ技術の多くはオープンソースであり、VMwareのようにかつてはこれを避けていたサプライヤーも引き込まれている。その中心にあるのが2015年に発足した「Open Container Initiative」(OCI)だ。OCIはLinux Foundationの傘下でコンテナ形式とそのランタイム環境に関するオープンな業界標準を策定する。Dockerはその土台とするために、自らの形式とランタイムをOCIに提供した。

 コンテナ化されたコンポーネントの多くは「GitHub」「Docker Hub」のようなオープンソースコラボレーションプロジェクトからダウンロードできる。全てのオープンソース技術にいえることだが、市場に進出しているサプライヤーは、安定したバージョンを関連サポートサービスと併せて提供することによって収益を確保している。

コンテナ化スタック

 検討すべき技術層は4つある。

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