「ネットワークが重くて」は言い訳にできない
「クラウドでOK」と主張するIoTを信頼してはいけない理由(2/2 ページ)
セキュリティ対策
IoT製品と通信するデバイスが増えるほど、セキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性が生じる可能性は高くなる。IoTを構成するデバイスの多くは、暗号化のための処理能力を持たずアップデートのためのインフラはなく、さらに(悪意のある行為によって不正なデバイスへ)簡単に交換できる。
エッジデバイスはプロトコルを横断する通信によってそうした問題を解決できるだけでなく、単純なプロトコルにセキュリティ対策を組み込むことができる。つまり、電球からセキュアでないプロトコルを介した短距離通信で情報が伝送されることはあっても、インターネットへの転送はアクセス層と暗号層の両方で保護される。IoTエコシステムの真価をもたらすエッジデバイスでは、データの共有と相互の通信のセキュリティを確保しながら、そうした全てのデバイスを通常の利用パターンで運用できる。
遅延なきソリューション
速度と性能への期待はエスカレートし続ける。現代では、もしスポーツ競技の点数が表示されるまでに5秒以上かかったり、新聞が10秒以内に印刷されなかったり、証券取引が2秒以内に実行されなかったりした場合、そのソリューションは不適格と評価される。
IoTを利用する制御でもユーザーとマシンのリアルタイムへの欲求は増す一方だ。ガレージを開けたり照明を付けたりするのに250ミリ秒の待ち時間は長すぎる。そうした動作はIoTを介していたとしても現在使われているハードウェアスイッチと同様、即座に行われなければならない。
だがクラウドサーバでそうした動作を処理する場合、そのような期待に応える手段はない。現代のネットワーク機器には自宅や会社からクラウドへデータを移動させ、必要な処理を複数のサーバで実行して許容される時間内に反応を返すことしかできない。
これに対してエッジコンピューティングを取り入れたIoT製品ではリアルタイムで処理を実行できる。そのことで、スマートフォンとドアロック、ZigBee対応スイッチ、CANbus HVAC(空調)システムの間でリクエストを転送したり、温度が上限に達すると窯へ送る燃料を減らす処理を実行したりできる。
このように、IT製品の性能や安全性、使い勝手を最適化するためには、リアルタイムで制御できることが必須となる。
利用しやすいサポートモデル
あらゆるIoT製品にとって、成功するために最も重要なのは「値ごろ感」だ。これには初期開発費用だけでなく将来的な運用コストも含まれる。IoT製品が利用する制御用の各メッセージはその後何年にもわたって高価なインフラ間を移動するためだ。
絶え間なくインターネットと通信するIoT製品は、重要な情報のみ伝達するソリューションに比べて運用コストが大幅にかさむ。バッテリー残量が5%以下になった場合のみ現状についての更新情報を送信するソリューションは絶えず通信を行う製品に比べて長期的な保有コストがはるかに低い。
しかし、エッジを含むIoT製品ならば最適化された形態の通信を可能にする。初期の導入から何年も経過した後も運用側でデータ通信規格を変更できる。エッジベースのIoT製品ではフィルター条件実行やデータの抽出、デバイスノイズの除去ができることから、IoTサービス提供業者はIoT製品を最適な状態に調整して手の届きやすい料金で提供できる。
IoT技術は急速に普及して既存のITシステムとシームレスとなりつつある。クラウドベースプラットフォームを利用したIoTの第一段階は、そうした目標を達成する始まりにすぎない。IoTが必要とする展望を実現するためにはサーバとエッジの両方の条件を満たす必要がある。常時接続され、統合的で高速かつコスト効率の高い製品を構築しなければならない。
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