パスワード依存は時代遅れ?
「パスワードのいらない時代」が本当にくるかも、新認証技術「FIDO」が本格普及へ(3/3 ページ)
パスワード依存は時代遅れに
これまではパスワードにとって代わる認証手段がなかなか現れなかったが、FIDOは急速に普及している。この事実は、FIDOがエンドユーザーと企業に少なからぬ利益をもたらすことを証明している。パスワードから解放され、セキュリティが強化されるというFIDO認証のメリットに気付くエンドユーザーが増えていけば、パスワードに頼るオンラインサービスは淘汰(とうた)されていくであろう。
FIDOを導入して、ログインのしづらさのために使われていなかったショッピングサイトの利用が回復すれば、小売業者は自社サイトの更新とFIDO準拠に掛かるコストを簡単に回収できるだろう。PayPal、Alibaba Group、Alipayはいずれも、FIDOに基づくセキュアな支払いプロセスを提供している。Dropbox、GitHub、Dashlane、Salesforce.comといった主要クラウドサービスは、U2Fを利用可能にするようになった。
次期バージョンとなる「FIDO 2.0」は、OSやWebブラウザのサポートや公開鍵暗号を使用する端末間認証を実現する。これはネットワークに接続するIoT(モノのインターネット)端末にとってプラスになるだろう。2017年には「Client-to-Authenticator Protocol」(CTAP)という機能のリリースが予定されている。CTAPは、WebブラウザやOSが、USBキーフォブ(認証機能を備えた小型装置)やNFC端末、Bluetooth端末など外部の認証システムとやりとりできるようにする仕組みだ。エンドユーザーが使用する全ての端末で再登録する手間が省けるようになる。
モバイル決済の本人認証手段「Consumer Device Cardholder Verification Methods」(CDCVM)を実現するために、モバイル決済サービスベンダーや決済アプリケーション開発者向けの標準に対する取り組みもなされている。指紋や写真による生体測定データなど、FIDOに準拠した端末内にある認証コードを使用すれば、店舗やアプリ内でモバイル決済をするとき、エンドユーザーが立ち会っていることを証明できるようになる。
パスワード認証の効果の薄さから、サイバー犯罪者は長きにわたって大きな利益をむさぼってきた。だがFIDOによって、クレデンシャル情報を盗むことは非常に困難になり、高いコストを伴うようになった。セキュリティの利便性が損なわれることもない。うまくいけば、パスワードは主要な認証要素としての役目を終えることができる可能性がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
5
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
6
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
7
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
8
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
9
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
10
ライオンが脱レガシーシステムのパートナーに「Google Cloud」を採用した理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー