契約条項の大幅な見直しが必要か
世界で激変する個人情報保護ルール、2017年の法規制で影響を受けるのは?(1/2 ページ)
データアナリティクスやブロックチェーン、アジャイル開発などの最新ITを進める中で、テクノロジーに関する企業同士の契約状況を大幅に見直す必要が出てくる。どのように見直せばいいか本稿で紹介する。
2017年、データに関わる事業で契約を締結する予定のあるIT企業は、契約条項を大幅に書き換えなければならないだろうと、国際的な活動を展開している法律事務所Mayer Brownのパートナーは指摘する。同社でハイテク企業の案件を担当している弁護士たちは、データに関する国際的な法規からアジャイルによるソフトウェア開発の急増に至るまで、2017年にテクノロジー関連でブームになりそうなことを予測している。ハイテク業界の関係図や契約に変化があるとき、そうしたトレンドが要因となるからだ。同社の弁護士たちは、TechTarget編集部と電話会議をしたそのときに2017年のトレンドに対する分析結果を次の通り語った。
併せて読みたいお薦め記事
「セーフハーバー協定無効化」と「プライバシーシールド」
気にすべき2017年ITトレンド
データ関連の法規制
国際的な法規に関して、大きな変化が近年相次いで起こった。「企業は、テクノロジープロバイダーと結んでいるセキュリティに関する契約や基本契約の条文が、最新の情勢を正確に反映しているかどうか再確認が必要になる」とMayer Brownのパートナーの1人であるレベッカ・アイズナー氏は話す。まず挙げるべきは「プライバシーシールド」で、米国企業が欧州の個人データを米国に移転させる方法を規定した新しい協定だ。同種の協定として以前は「セーフハーバー」を運用していたが、2015年に欧州連合(EU)司法裁判所は、セーフハーバーを無効とする判断を下した。以降、各社は大西洋の向こう側にデータを転送するための代替策を求めて躍起になっている。枠組みが入れ替わったことによって、欧州企業は法務上の困難に直面している。
ところが、個人情報保護規則の方が「さらに影響の大きい、画期的な変化」だとアイズナー氏は指摘する。これは現行の「個人情報保護指令」に代わるもので、2018年5月から施行される。個人情報保護規則に準拠するために企業は、書類などの形式上、または事業運営上の変更が必要になる可能性が高い。「今は、この規則の自社への影響を評価し、予想される変更に備えるのに絶好の時期だ」とアイズナー氏は述べる。
さらにデータ関連の新しい法規が施行されるのは、欧州だけにとどまらないと、アイズナー氏は注意を促す。ロシアは現在、新たに制定された個人情報法へのコンプライアンスを検証中だ。この新法は、ロシア国民の個人情報をロシア国内のデータセンターに保管することを義務付けている。また中国のサイバーセキュリティに関する法律が、2017年6月に施行される。この法律はネットワーク事業者および重要な情報のインフラを運営する事業者も適用対象に加えられ、データを中国国内に保管するといった厳しい要件やデータの国外移転についての制限を定めている。
一方、米国の規制当局は、2017年初に発足したトランプ新政権の指示に従うことになる。各州は、健康状態や財政状況、子どもなどについての個人情報に関して、新しい諸法規を施行する。またビッグデータ、モノのインターネット(IoT)、コネクテッドカーに関しても、新しい法律が制定されるだろう。
「規制当局は、企業がベンダーやその他のサードパーティーがもたらすリスクを適切に評価しているのかや、その評価を意思決定と各種契約の内容、該当するサードパーティーへの監視の継続に反映しているのか、などを監視するようになるだろう」とアイズナー氏は予測する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー