ここが違う、従来型ストレージとオブジェクトストレージ【後編】
隠れたオブジェクトストレージのメリット「バックアップ不要説」は本当か(2/3 ページ)
オブジェクトストレージテクノロジーを使用するユーザー
オブジェクトストレージで最大のユーザーは、メディア企業、エンターテインメント企業、石油ガス会社、医療機関だ。これらの企業は、非常に短時間で拡張できて、何十億ものデータ要素を効率的に保存できるデータストレージを強く求めている。彼らの条件を満たすストレージがオブジェクトストレージとなる。
また、クラウドサービスプロバイダーを筆頭としたテクノロジー企業、他のソフトウェアプロバイダーやサービスプロバイダーもオブジェクトストレージを利用している。
オブジェクトストレージアーキテクチャの長所と短所
オブジェクトストレージアーキテクチャには数多くのメリットがある。それを以下に示す。
単純さ 大量の非構造化データを管理する作業では大抵、オブジェクトストレージが最適なツールになる。強力なメタデータ機能とフラットな構造により、オブジェクトストレージではファイルシステムのような抽象化レイヤーは不要だ。
コスト 従来型のストレージを拡張しながらデータの増大を予測するのは難しいことがあるため、多くの企業がストレージを余分に購入している。そうすることで、ストレージを管理する回数と間隔を抑えて、必要なときにストレージが足りなくなるという事態を防げるようにしている。
オブジェクトストレージは拡張性が高いため、ストレージコストを企業でコントロールするのに役立つ可能性がある。前もって大量に買い込まなくても、必要に応じてストレージを簡単に追加可能だ。
この拡張性により、従来型のストレージに付随するリフレッシュという概念もなくなる。週末に新しいストレージへ移行する計画を隔年で立てることはなくなり、新しいノードを追加して古いノードの使用を停止するだけで済むようになる。
構成 管理の単純さもメリットの1つだが、データにアクセスして取得するのが簡単な点もメリットになる。オブジェクトストレージに備わっているシンプルさのおかげで、ユーザーは簡単にコンテンツを見つけることができる。
ただし、オブジェクトストレージには制約も幾つかあるため、万人向けとはいえない可能性がある。例えば、トランザクションの回数が多く負荷が高いデータベースなど、膨大な数のデータ変更がある場合、オブジェクトストレージは向いていない。
さらに、一部のオブジェクトストレージベンダーの製品では、仮想マシンの実行をサポートしていなかったり、推奨されていなかったりする。仮想マシンの基盤となるデータの変化があまりにも速いことが原因で、アプリケーションのパフォーマンスが低下する恐れがあるためだ。
それから、オブジェクトストレージシステムの中には従来のツールを使ったバックアップは必要ないと主張されているものもあるが、それに異議を唱える企業のリスクマネジャーは多い。また、一部の従来のバックアップツールでは、オブジェクトストレージの保護をサポートしていない。オブジェクトストレージを採用するなら、自社のポリシーに合わせてオブジェクトストレージシステムを保護する別の方法を探す必要がある。
オブジェクトストレージソフトウェアの購入
オブジェクトストレージは複数の方法で購入できる。ソフトウェア定義のデータセンター(Software Defined Datacenter)の時代である今、自社所有のハードウェアを増やすことをいとわないなら、多くのリソースはソフトウェアのみという形で購入可能だ。
だが、多くの企業は導入準備が整った製品の購入を好み、アプライアンスに組み込んだソフトウェアを選んでいる。このようなアプライアンスは、特定のソフトウェアで実行するように調整したx86サーバが多い。
もう1つのオブジェクトストレージを購入する選択肢は、ベンダーに管理を委ねて、ホスティング施設でオブジェクトストレージを管理することだ。またクラウドも忘れてはいけない。オブジェクトストレージは、クラウドストレージプロバイダーで普及している。一般的に、オブジェクトストレージベンダーはパブリッククラウドでの導入をサポートしており、オンプレミス環境からシームレスなデータの移行を実現するハイブリッドクラウド戦略を可能にしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー