ユニファイドコミュニケーション選定の5大要素
“チャット好き社員”の増加で「UC」選びの常識が変わる?
企業が均整の取れたコラボレーションを実現する際に役立つ「ユニファイドコミュニケーション」(UC)。その選定を進める上で重要な、核となる5つの要素を整理する。
企業がコラボレーションを改善するサービスを検討する際、「ユニファイドコミュニケーション」(UC)が常に議論に上る。その理由は明白だ。UCは、コミュニケーション用アプリケーションのインタフェースを統一する仕組みを提供する。その結果、さまざまなエンドポイントやネットワーク環境でのユーザーエクスペリエンスに一貫性が生まれる。従業員が、一連の流れに統一感のない方法でコミュニケーションアプリを使用しているのであれば、UCは魅力的な価値提案になる。
UCは、唯一のコラボレーション手段ではない。ただし大半の企業にとっては、UCがコラボレーションの基盤を担うものになる。たとえコラボレーションニーズがそれほど高くないとしてもだ。
一般にUC製品は、5つの核となるコミュニケーション要素から構成される。これらをカバーする機能はベンダーによって異なるため、自社の要件に基づいて評価しなければならない。
極めて重要な「音声」
大半のUC製品は、音声を中心に据えている。それは、主要ベンダーのルーツが電話技術に密接に関わっているからだ。こうしたベンダーにとってはUC製品が、IP電話向けPBX(構内交換機)である「IP PBX」の後継としての役割を担う。エンドユーザーは、依然としてリアルタイムコミュニケーションに音声を使うことを好む。従ってどのようなUCでも音声が極めて重要になる。
ここで注目すべき点が2つある。1つは、音声よりもテキストによるコミュニケーションを好む若手社員が増えていることだ。従って音声の重要性は、企業全体で普遍的なものとは言い切れない。もう1つは、音声と電話を区別する必要があることだ。
以前とは異なり、卓上電話を使用しない従業員が珍しくなくなっている。だからといって音声によるコミュニケーションが廃れたわけではない。電話とは別の手段で音声を使っているのだ。音声をIPパケットに変換して音声通話を実現するVoIP(Voice over IP)アプリがその例であり、ここにUCの価値が生まれる。UCは、こうした音声利用手段全てを、他のコミュニケーションアプリと連携できる。
勢いを増す「メッセージング」
チャットをはじめとするメッセージングは、特に1980年代から2000年代初頭に生まれたミレニアル世代で急速に勢いを増している。この世代が職場で一定数を占めるようになったら、UCにとってメッセージングが不可欠になる。
エンドユーザーは、メッセージングによるコラボレーションには制限があることを理解している。だがメッセージングの効率は、チームワークの効率化に役立つ可能性がある。
Slack Technologiesの「Slack」など、メッセージングを中心とするサービスの人気が急速に高まっている。だがユースケースは限られており、まだ完全なコラボレーションサービスとはいえない。ここにUCが魅力を発揮する場所がある。メッセージングはチーム作業でエンドユーザーをサポートするアプリの1つとなると考えられる。
価値が高まる「動画」
動画の魅力は他のコミュニケーションアプリほど普遍性はないが、コラボレーションでの重要性は増している。テクノロジー進化の恩恵を受け、動画はビジネスでも十分使用に耐えるものになり、使い方も容易で経済性も高くなっている。動画の増加にも世代の影響が見られ、カメラに向かって話す方が快適だという若手社員が現れ始めている。
仕事場所の分散化がすすみ、従業員が遠隔地で作業することが珍しくなくなる中、動画を利用すれば、従業員がどこで作業しているかを問わず、同じ場所にいるかのように感じられる。こうした全ての要因が合わさって、企業は動画を用いたコラボレーションを検討せざるを得なくなっている。
「会議」がコラボレーションを促進
会議アプリは、具体的なコミュニケーション手段というよりは、コラボレーションに不可欠なアプリだといえる。会議アプリが重要なのは明らかだが、UCの一部になることでその価値が高まる。
スタンドアロンの会議アプリは会議をするだけなら最適だが、顧客関係管理(CRM)などの業務システムや他のコミュニケーションアプリとの連携ができない。ただし音声会議でもビデオ会議でも、出席者はリアルタイムでさまざまなデータソースにアクセスする必要があることが多いだろう。そこにUCによる統合の価値が生まれる。
「モバイルデバイス」が促すメッセージングの強化
モバイルデバイスは会議アプリと同様、新たな作業手段になる。普遍性は会議アプリよりも高い。携帯電話回線の高速化やスマートフォンの普及により、モバイルデバイスはオフィスで選択可能な手段になった。
UCの導入を進めるには、従業員が作業する場所でのコラボレーションを促進する必要がある。つまりモバイル設定の意義がますます高まることになる。だがモバイルデバイスは、広範なコミュニケーションアプリ全てをサポートすることはできない。そのためモバイルUC製品には通常、弱点があることに注意が必要だ。
画面サイズの小ささやマルチタスク機能の制限から、モバイルデバイスがコラボレーションにおいて果たす役割は補助的になる。一方でモバイルデバイスがメッセージングを促進しているのも確かだ。コラボレーションでテキストを活用する若手社員が増えていることを考えれば、モバイルデバイスをUCの対象とする必要性は明白だ。
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