スマートウォッチ市場の注目株
新型「Apple Watch」は“iPhone離れ”? LTE対応なら買いか
「Apple Watch」は「iPhone」なしでは真価を発揮できない、という小さくない課題がある。だが2017年秋に登場する新型Apple WatchはLTE通信への対応が見込まれている。その可能性について、専門家が解説する。
2014年、多くのメディアは「Apple Watch」について“ティム・クック氏のCEO就任後に発表した初の全く新しい製品カテゴリー”という切り口で捉え、この製品の成功が同社のトップとしての地位の正当性を立証するものになるだろうと伝えた。アナリストの中には、このスマートウォッチは、当時累計販売台数が2億台を達成した「iPad」の成功をいずれ超えるであろうと信じていた者もいた。
しかしそれと同時期に、IT業界にいる筆者の友人は「350ドルを払わなくたって、自分のポケットに入っている『iPhone』を取り出せば済むのでは」と言っていた。これに対し的を射た反論は聞いたことがない。
この3年間を振り返ると、彼の述べた通りであった。その後Apple Watchの新モデルの販売価格は下がったが、iPhoneへの依存度はいまだに高い。Apple Watchが通信キャリアに接続するためにはApple Watchの近くにiPhoneを置いておく必要があり、その点が今なお実用性と利便性の障壁となっているのだ。Apple WatchをWi-Fiに接続していない場合、インターネット接続を必要とする機能(メッセージと電子メールの確認や通知の受信など)を利用するためにはiPhoneを近くに置いておく必要がある。ならば、単にiPhoneだけを利用して、お金を節約すればいいのではないだろうか。
『Bloomberg』によると、2017年秋にAppleはIntel製のLTEモデムをスマートウォッチに搭載し、Apple WatchをLTE通信対応とすることで、この問題の解決策を示す予定だという。このデバイスの購入を妨げている原因を取り除くことで、LTE通信対応のApple Watchは普及を拡大できる可能性がある。
「これは、スマートウォッチへの期待に胸を膨らませている新しい消費者層を引きつけることになるだろう」と調査会社Moor Insights and Strategyのプレジデント兼プリンシパルアナリストのパトリック・ムーアヘッド氏は語った。
「Samsung Gear S」や「LG Watch Urbane 2nd Edition」を含む競合のスマートウォッチには既にLTE通信対応をしている製品もある。これらの製品は、まだスマートウォッチ市場の支配はしていない。しかしAppleが持つ、競合他社が既に搭載した機能に消費者を引きつけることができる並外れた手腕は、このデバイスでも変わらず発揮されるはずだ。
IT部門にとっては、従業員がインターネット接続できるデバイスをさらに持ち込むということを意味する。つまりIT部門の管理外にあるデータのエンドポイント数が増加するということになる。
「IT担当者は、現時点においてLTE接続が可能なデバイス全てを把握すべきであると同様に、デバイス自体についても詳しくなるべきだ」とムーアヘッド氏は語った。「それらのデバイスは社内ネットワーク内にある必要はないのだ」
ユーザーには、答えを必要とする質問がまだまだある。
電話をかけること以外で、新型Apple WatchはiPhoneの全機能を単体で利用できるのだろうか。
ユーザーは新型Apple Watchの利用に当たり、別途新たなデータプランに加入する必要があるのだろうか。料金によっては、購入判断に影響を及ぼす可能性がある。
LTE接続によって、どの程度バッテリー持続時間が短縮されるのだろうか。このデバイスに関して言えば、既にバッテリー持続時間はセンシティブな話題となっているので、深刻な問題となりうる可能性もある。
Appleは、容量の大きいバッテリーが内部に収まるように本体サイズを大型化するのだろうか。格好悪く見えなければ、スマートウォッチの大型化を気にしないユーザーはいる。
「LTE通信に関する優れたエクスペリエンスを提供するためには、Appleは時間を必要とするだろう」とムーアヘッド氏は述べた。
「今回の最初のLTE機能搭載は完璧になるとは思わない。しかし将来を見据えると、LTE機能搭載は重要な動きといえるだろう」とムーアヘッド氏は続けた。
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