アイデアはあるのに使えないもどかしさ
Apple Watch、仕事で使いたいアプリが一向に登場しない理由は?(1/2 ページ)
ウェアラブルデバイスのビジネス利用について多くのユーザーが将来性のあるアイデアを数多く提案しているのに、ユーザーが使いたいと思えるビジネスアプリが一向に登場しない。その理由と解決策を考える。
個人だけでなく企業にもウェアラブルデバイスを普及しようと本当に考えているなら、メーカーは「それは自分たちの役割ではない」という考えは捨てて、ビジネスでウェアラブルデバイスを使ってもらうために必要なことに取り組むべきだ。しかし、現時点ではそのようは動きはほとんどない。
ウェアラブルデバイスの強みは、小型かつ軽量で使いやすいモバイルデバイスであるがゆえに、ユーザーがハンズフリーで仕事を遂行できることにある。特に、スマートウォッチはデータを収集し分析する強力なセンサーを搭載しているので、分析したデータをコンピュータやその他のデバイスにワイヤレスでフィードバックできる。このような機能は、ウェアラブルデバイスがビジネスシーンでも優れたツールになる可能性を示している。
「しかし、それはまだ実現していない」とフロリダ・アトランティック大学でCTOを務めるメヘラーン・バシラトマン氏は述べる。「関係者は技術を表面的に論じているだけにすぎない」とバシラトマン氏は続ける。「だが、私はビジネスシーンで大きく成長する可能性があると考えている」
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Apple Watchで使えるアプリはこれだけあるが……
現在、ウェアラブルデバイスの種類は、スマートウォッチやスマートバンドからバーチャルリアリティヘッドセットまで多岐に渡っている。市場規模は個人向けを中心に勢いを増している。リサーチ企業のStatistaは、2015年には71億ドルの市場価値があったが、2018年には126億ドルになると予想している。米IDCによると、Fitbitのようなヘルス&フィットネスバンドがその成長における主要な役割を担ってきているが、Apple Watchもまたウェアラブル市場全体で推定61.3%のシェアを獲得した。
みんな“夢見る”企業のウェアラブル活用アイデア
「多くの組織は何らかの企業向けウェアラブルデバイスをすでに導入している」とMoor Insights and Strategyの社長でプリンシパルアナリストであるパトリック・ムーアヘッド氏は語る。多くの場合、従業員はオフィスの入室やコンピュータにアクセスするためにキーカードまたはトークンを使用し、これらをベルトに掛けたりポケットに入れて持ち歩いている。
このように「物理的なデジタル鍵」の進化した姿として、物理的なデジタル鍵がユーザーの手首に着けるスマートバンドに、または、ユーザーが使用するスマートウォッチにインストールするアプリになることを多くの関係者が提案している。IT部門は労働時間を管理するために、従業員がいつオフィスに在席したかを追跡できるようにこのようなバンドを利用するかもしれない。
「スマートウォッチに搭載するセンサーは進化し、アプリは機能を増やし、バッテリー駆動時間も伸びるだろう」とAppleのリセラーでありTSP LLCのCTO兼創立者のマイケル・オー氏は予測する。これらの進歩で実現する技術は、多くの異なる業界でウェアラブルデバイスをより便利なものにしてくれるだろう。
「ヘルスケア業界では、ウェアラブルの普及と利用が確実に進んでいる」とITコンサルタント企業のSIGMAnetでビジネス開発および戦略構想のバイスプレジデントを務めるステファン・モンテロス氏は説明する。スマートウォッチとその他のウェアラブルは歩数、心拍数、発汗量や運動量、睡眠パターンなどを含む幅広い健康の測定基準を追跡できるため、ヘルスケア業界が関心を示している。例えば、オムロンの「プロジェクトゼロ」スマートリストバンドは、患者や医者が観察する目的で、ユーザーの血圧を常にスクリーンに表示する医療用デバイスだ。これらの種類のウェアラブルデバイスは、医者、理学療法士、トレーナーにとって役に立つ。
ウェアラブルデバイスは、仕事で従業員が両手を自由に使えるようにする必要があるほとんどの業界でユーザーにメリットをもたらすだろう、とEMM(エンタープライズモビリティ管理)メーカーのAirWatchで製品マーケティングのバイスプレジデントを務めるブレーク・ブラノン氏は述べる。
建設現場や石油基地の作業員は、高層ビル上で立ったり可燃物を使用して仕事をするといった安全上の理由から両手を自由に使える状態が必要だ。しかし、彼らが仕事をするためには取扱説明書、測定結果、設計図を利用する必要もある。これらは、彼らがスマートウォッチを音声コマンドで操作すればアクセスできるようになるかもしれない。「音声コマンドの活用が最初に普及するのはこのような分野だ」ブラノン氏も予想する。
大規模な卸売店でも企業向けウェアラブルデバイスを使った利用方法を考えている。上司が部下の位置を追跡し、注文、製品在庫、備品の問題に関する情報をリアルタイムで把握するためにウェアラブルデバイスでそれらの情報を送信する必要があるからだ。さらに、旅行会社でも、観光する場所に関する情報や合流時間を旅行者に知らせることができるなど、ウェアラブルデバイスが役立つ。このケースで有名な事例としてはウォルト・ディズニー・ワールドのマジックバンドがあるが、これを利用すると来園者はテーマパークに入場して食事や買い物の支払いを行い、泊るホテルの部屋にあるドアの開錠までできてしまう。
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