BYODの新たなデバイス登場
注目の「Apple Watch」、ネガティブ要素を吹き飛ばすビジネス用途とは
「Apple Watch」が登場すれば、IT部門が管理すべきもう1つのモバイルデバイスになる。企業はその最適な使い方の検討に入らなければならない。
「Apple Watch」は、消費者を主なターゲットにしているが、IT部門にしてみれば、スマートデバイスの常として、「従業員がApple Watchを手に入れると、すぐに会社のWi-Fiネットワークにつなごうとする」ことは目に見えている。
米国で2015年3月9日(現地時間)に詳細が発表されたApple Watchでは、電話の発着信、テキストメッセージや電子メールの閲覧と送信、地図機能の利用、連絡先やカレンダーの参照などができる。
これらはApple Watchでできることのごく一部にすぎない。米Appleは開発プラットフォームの「WatchKit」もリリースしたからだ。WatchKitでは、Apple Watchアプリを新規作成したり、既存のiOSアプリをこの新ウェアラブルデバイスで使えるように改変したりできる。また、WatchKitで作成可能な「グランス」機能により、ユーザーはApple Watchで、他のiOSデバイスに接続されたアプリからの情報の読み取り専用ビューを素早く得ることもできる。
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Appleデバイスの熱狂的なファンは、4月24日の発売時にApple Watchを手に入れようとするはずだ。そして仕事に使おうとするだろう。IT部門にとっては、管理すべきデバイスがまた1種類増えるということだ。一部の従業員は、社内ネットワークで既に3~4台のデバイスを使っている。IT部門はこうしたデバイスを、優先順位を付けて管理しなければならない。これらのデバイスの業務利用に関するポリシーを策定し直す必要もあるかもしれない。
「IT部門は、BYOD(私物端末の業務利用)への取り組み方を再検討していかなければならないだろう」と、カナダのITサービスプロバイダーであるSoftchoiceでクライアントコンピューティング担当カテゴリーマネジャーを務めるネッド・カーマン氏は指摘する。
Apple Watch――新しいエンタープライズモビリティツール?
企業は、今後Apple Watchを効果的に活用する機会があると考えるかもしれない。だが、このデバイスの企業における画期的な使い方が見つかるのは、まだかなり先のことになると、米Tech Superpowersの創業者マイケル・オー氏は語る。同社はITマネージドサービスを提供しており、Appleのリセラーでもある。
「企業がApple Watchで何ができるかを把握するには、しばらく時間がかかるだろう」(オー氏)
だが、今すぐに思い浮かぶシンプルな使い方もある。例えば、企業のCEOがこのデバイスを使って、「どの商談が今週まとまる見込みか」「自社の会計士がコストについてどのような意見を述べているか」といった重要情報に関するメモを受け取ることなどが可能だ。
「このデバイスはさまざまな可能性を持っているが、具体的な活用計画を進める企業が出てくるのは、しばらくたってからだろう」とオー氏は見る。
多くのユーザーにとっては、Apple Watchは基本的に、スマートフォンを拡張するものだと、米TECHnalysis Researchの創業者で主席アナリストを務めるボブ・オドネル氏は指摘する。
「Apple Watchは、リモートアクセスツールとしての役割が大きくなるだろう」(同氏)
Appleはスマートウオッチ開発では後発で、韓国LG Electronics、韓国Samsung Electronics、米Motorola(中国Lenovo傘下)などが既に市場に参入している。しかしAppleの新製品投入は、市場が大きく変化するきっかけになることが多く、企業も注目するに違いないと、カーマン氏は語る。
「魅力的な製品ポートフォリオを構築できたベンダーが、既存市場で支持を得るだろう」(カーマン氏)
カーマン氏は、Softchoiceの従業員の例を引き合いに出し、スマートウオッチのメリットを紹介した。この従業員は、スマートフォンが上の階に置いてあるときに、スマートウオッチを使ってBluetooth経由で電子メールにアクセスしているという。
「スマートフォンが手元になくても、生産性は大幅に上がる」(カーマン氏)
Appleは、サードパーティーのエンタープライズモビリティ管理ベンダーに対するOSのAPI公開を適切に行っており、Apple WatchもこれまでのAppleデバイス同様にサポートされるだろうと、オー氏は語る。
Appleが3月9日に発表した新しいオープンソースソフトウェアフレームワーク「ResearchKit」も、同社のオープン性を示す成果だ。このフレームワークは、iOSデバイスを利用した臨床医学研究アプリケーションの開発をサポートする。
Apple Watchの企業導入における課題は、画面の小ささかもしれない。前述のグランス機能は、便利な情報のスナップショットをユーザーに提供するが、画面が小さいことが生産性を阻害する恐れがある。
「人々はこうした小さなフォームファクタのデバイスを、どれだけ辛抱強く扱うだろうか」(オー氏)
Apple Watchに表示できる重要なビジネスデータは、iPhoneにも表示できると、オドネル氏は語る。
「『企業にとって極めて重要なデータが届き、携帯電話を取り出す前にすぐにグランスで見る必要がある』といったことはめったにない」(同氏)
Apple Watchの各モデルの価格は、「Apple Watch Sport」が349ドルおよび399ドル(税別で4万2800円および4万8800円)、「Apple Watch」が549~1099ドル(同6万6800~13万2800円)、ハイエンドの「Apple Watch Edition」が1万ドル(同128万円)から。
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