画面サイズだけではないその理由
「iPhone 6 Plus」はなぜ大ヒット? 次に“大画面スマホ”を選ぶべき5つの理由
「iPhone 6 Plus」をはじめ、5.5インチ以上のディスプレーを搭載した“大画面スマホ”が支持を集めている。ユーザーが便利に思っていることとは? 5つの理由を挙げる。
「ファブレット」は生まれては消えていく流行語の1つで、何とも奇妙な造語だ。だが、今日では何でも大きいことが普通になっている。ほんの2年前に大きいといわれていた最上位機種は、現在では進化して大きくなった機種の「コンパクトな」バージョンと考えられている。また、大手スマートフォンメーカーでは、従来のスマートフォンと小型タブレットの中間サイズのデバイスが大きく売り上げを伸ばしている。米Appleの動向は、良くも悪くも世界のテクノロジーに関する嗜好を左右する。そのAppleが「iPhone 6 Plus」で大型化の流れに便乗した。その結果、次に購入するスマートフォンの候補として、大型スマートフォンを真剣に検討するユーザー数はうなぎのぼりに増えている。
本腰を入れて考えると疑念が強まる。ファブレットの購入を検討するユーザーは「サイズが大きすぎやしないか」という疑問を持つかもしれない。そう感じる人がいても無理はない。ファブレットがズボンのポケットにぴったり収まることはないからだ。ただし、高性能のスマートフォンに乗り換えることを検討している多くのユーザーは、ファブレットを選択肢の候補から外さないのが賢明だろう。本稿では、その理由を示す。
1.メディア視聴の快適さ
一般にファブレットの一番優れている点は、最大の特徴でもある大きな画面だ。通常は、5.5インチ以上のディスプレーを搭載したスマートフォンがファブレットに分類される。最上位機種の定番サイズより0.5インチほど画面が大きくても、それほど違いがないように思えるかもしれない。だが実際に使ってみると、その差は歴然だ。
解像度が高い1080p以上のスマートフォンの画面で映画を見たりゲームをプレ―すれば、小さい画面のときと比べて、とにかくぜいたくな気分になれる。小さいテレビの画面をのぞき込むよりも、大きい高画質な画面で見た方が、快適で内容に集中できるのと同じだ。マルチメディアは大画面の方がゆったり視聴できるため、若干小さいスマートフォンの画面で視聴したときよりも、「何かしっくりこない」という感覚は薄れる。ゲームであれば、画面に表示されるコントロールも操作しやすくなる。つまり、純粋にゲームを楽しむことができる。
ファブレットの狙いは、スマートフォンとタブレットの良いとこ取りをすることだ。優秀なファブレットは、これを見事に実現している。米Googleの「Nexus 6」と韓国Samsung Electronicsの「Galaxy Note 4」は、豪華で鮮明すぎると言ってもよい「クアッドHD」(2560×1440)ディスプレーを搭載している。コートのポケットに十分入る大きさで、片手で持ち歩くこともできる。メディアの画質は、高画質テレビやノートPCに後れを取っているのが実情である。だが、窮屈な機内などで、ファブレットより小さなスマートフォンや、大きくて操作しにくいタブレットを使うような状況を考えてみてほしい。このような状況で品質と便利さのちょうど良いバランスを実現するのは優秀なファブレットだろう。
2.バッテリーの持続時間
一概には言えないが、人気のあるファブレットの大半は、大容量のバッテリーを搭載している。大きい本体の空間を最大限に活用したバッテリーが、大画面による電力消費を支えている。バッテリーの持続時間は、今日のスマートフォンで改善の余地が十分にある分野の1つだ。中国OnePlusの「OnePlus One」や上述のiPhone 6 Plusのように、1回の充電でほぼ丸2日バッテリーが持続する端末も珍しくない。これは大き過ぎるといわれることもあるファブレットの特徴が有利に働く好例だ。よほど過酷な使い方をしなければ、ファブレットのバッテリーが1日持たないことは、まずないだろう。そういった意味では、モバイル技術が一歩前進しているといえる。
3.入力時のイライラ解消
入力ミスは、税金の支払いや紙で手を切ることと同じくらい、誰もが嫌がることだろう。幅広のファブレットの画面であれば、入力ミスはずっと少なくなる。ファブレットの仮想キーボードに表示されるキーは、スマートフォンよりも当然大きい。手が大きいユーザーや指が太いユーザーにとって、スマートフォンでの文字入力は厄介な操作である。だが、ファブレットであれば、このイライラに悩まされることもないだろう。
4.デバイス数の削減
先ほど説明した通り、優秀なファブレットは、スマートフォンの便利さとタブレットのぜいたくさを兼ね備えている。つまり、大枚をはたいて両方のデバイスを購入したくないユーザーにとって、ファブレットは有力な選択肢となる。それから、両方を購入する資金がないユーザーについても同じことがいえるだろう。確かにファブレットは安い買い物ではない。Galaxy Note 4とiPhone 6 Plusは、通常のスマートフォンより100ドル高い。だが、優秀なファブレットを使えば、優秀なタブレットは優秀なスマートフォンよりずっと冗長であることが明らかになる。
米Microsoftの「Surface Pro」のように、仕事用のツールとしてタブレットを使うケースもあるだろう。残念ながら、今日のファブレットは、そこまで強力な機能を再現するには至っていない。今のところ、ファブレットはノートPCではなく、かなりスマートフォン寄りのデバイスである。Nexus 6やiPhone 6 Plusを持っている場合、Googleの「Nexus 7」やAppleの「iPad mini」は使いづらいと感じるだろう。仕事はできるが、これらのタブレットは普段使いを重視した設計になっている。ファブレットは、スマートフォンに比べてWebサーフィンやゲームの表示領域が広い。また、メールやメモなど、仕事関連の単純な作業を行うこともできる。全ての機能が1対1で対応しているわけではないが、新しく購入する物の数が少なく済めば、それに越したことはない。
5.片手で操作する必要はあるのか
ファブレットにとって最大の問題は、片手で使いにくいことだ。この問題は認めざるを得ないだろう。中国Huaweiの「Ascend Mate7」など、6インチのファブレットで文字を親指1本で入力するとどうなるか想像してみてほしい。デバイスを何度も落とすことになるのは目に見えている。ただ、正直なところ、1日の中で片手でデバイスを操作せざるを得ない時間はかなり少ないように思える。
多くの書籍や記事で、私たちは自分たちが思うほど忙しくないことがつづられている。スマートフォンの価値を正当化するために、片手で操作できることの重要性を主張する人にも同じことが当てはまるだろう。出先でアタッシュケースを片手に持ち、もう一方の手で重要なメールの文面を入力する必要がどれほどあるか考えてみてほしい。ソニーの「Xperia Z3 Compact」など、強力で便利な製品が誕生することは喜ばしい出来事だ。だが、Googleの「YouTube」アプリで「面白動画」と入力するのに両手を使ったからといって深刻な事態に陥るわけではない。
ファブレットは大きいが、その多くは片手で電話に出たりロックを解除できないほど大きいわけではない。ファブレットを使うたびにコーヒーカップをテーブルの上に置く必要があるかもしれない。しかし、それ以外のほとんどの操作で実感できるパワーと快適さには、それを補って余りあるだけの価値がある。画面の大きさを問わず、大抵は片手よりも両手で文字を入力した方が効率的で間違いも少ない。もちろん、自分に合ったスマートフォンを選べばよい。だが、一度、落ち着いて考えてみてほしい。片手で操作せざるを得ない状況がそれほど多くないことに気付けば、大きいスマートフォンという発想も少しは受け入れられるのではないだろうか。
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