時代はテラバイトからペタバイトへ
テープ新規格「LTO-8」は1カートリッジで32TBを実現、どこまで大容量、高速になるのか(2/2 ページ)
増加するテープストレージ出荷容量
HPE、IBM、ストレージ提供企業のQuantumの3社で構成するLTO関連企業団体(LTO Program Technology Provider Companies)の年次メディア出荷情報報告書によると、2016年のテープカートリッジ総出荷台数は前年から横ばいだったが、テープの総出荷容量は前年より約26.1%増え、圧縮時の容量9万6000P(ペタ)Bを達成した。
HPEのワールドワイドマーケティングプロダクトマネジャー、ローラ・ロレド氏は、LTOはデータのアーカイブと長期保存に重要な技術だと語る。メディアやエンターテインメント分野の企業においては、ディスクと比べて安価なテープをそうした用途で採用することが多いという。
これに対し、HDDの方は減少傾向にある。同報告書によると、2016年のHDD販売台数は前年より約9.5%減少した。この現象の理由は、メインストレージとしてHHDに代わるSSD(ソリッドステートドライブ)が台頭したことや低コストで大容量のテープに顧客が魅力を感じているためと推測する。
IBMでデータ保護対応ストレージ製品のプログラムマネジャーを務めるカルロス・サンドバル・カストロ氏は、テープストレージの出荷容量は他の媒体より大幅に増加する余地があると語った。
期待の集まるLTO-8
テープライブラリ提供企業のSpectra Logicが発行した報告書「Digital Data Storage Outlook 2017」は、LTOはこれまでも、そしてこれからも、最重要テープ技術であるとしている。
「バックアップ媒体がディスクに移行し、2次ストレージ(バックアップ目的のストレージ)としてのテープ事業は年々規模を縮小している。しかし同時に長期アーカイブ市場におけるテープの需要は成長を続けている。テープ技術はこの分野に適しており、設置面積と消費電力の両面において比較的負担の少ない拠点構築が可能、長期データ完全性が高水準で担保できる、他のどのストレージ媒体よりもGBごとの単価が低いといった利点がある」と同報告書は述べている。
Spectra Logicは、長期的にはオンラインの用途に使うフラッシュとアーカイブの用途に使うテープが併用され、この2つの媒体がそれぞれの市場をリードしていくと見ている。小規模テープシステムの市場はクラウド型ストレージに移行しつつある。一方多くのクラウドプロバイダーはテープを採用している。
前述の通りLTOはほぼ2、3年間隔でリリースを行っており、LTO-7がリリースされたのは2015年だ。このためLTO-8は2017年中にはリリースされると推測する。
またSpectra LogicはLTO-8の先行購入プログラムを用意している。先行購入すると、LTO-8が利用可能になるまでの間はLTO-7ドライブとメディアを利用して、LTO-8が利用可能となると優先的にLTO-8ドライブとメディアの提供を受けることができる。
LTO-8ドライブとメディアの導入が完了すると、同社のテープライブラリ製品は少なくとも1PBの圧縮時ストレージ容量をサポートすることになるという。また、LTO-8はLTFS、WORM、AES暗号化をサポートする予定だ。
- LTFS(Linear Tape File System。テープをHDDのようにファイルアクセスする仕組み)
- WORM(Write Once Read Many。一度書き込まれたデータの消去・変更ができない追記型の記憶メディア)
- AES暗号化(Advanced Encryption Standard。256bitの暗号鍵を使ったハードウェア暗号化技術)
Spectra Logicの最高販売責任者、ブライアン・グレーンジャー氏は「LTOには長い実績がある。それはこれからも続いていくだろう」と語った。
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