拡張性やサードパーティーとの連携に注目
徹底比較:AWS、Google、Azureのチャットbot開発基盤はどれが最適?
音声やテキストメッセージでアプリケーションとやりとりしたいユーザーが増え、チャットbotの人気が上昇中だ。これに伴い、パブリッククラウドでのチャットbot開発が注目を集めている。
Amazon、Microsoft、Googleは、それぞれのクラウド基盤でチャットbot開発ツールに力を入れている。いずれのツールでも、一般消費者向けとビジネス向けアプリの対話型インタフェースを簡単に作成できる。これらを活用するには、あらかじめ目的を明確にし、パブリッククラウドで提供される機能の選択肢を知っておこう。
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チャットbotが描く未来とは
チャットbotの開発利用について
チャットbotの機能
「Amazon Web Services(AWS)」「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」のチャットbot開発ツールはいずれも、音声とテキストによるバックエンドサービスとの対話(システム間の連携)をサポートする。
音声インタフェースには、スマートスピーカーと呼ばれる専用ハードウェアの「Amazon Echo」や「Google Home」、スマートフォンやMicrosoftの「Cortana」搭載のPCなどを使用する。また、テキストインタフェースをWebサイトに組み込んで、アプリケーション機能を強化する選択肢もある。
対話型インタフェース関連のコンサルティングサービスを提供するTMA Associatesのプレジデント、ウィリアム・メイゼル氏は「テキストや音声による自然言語処理を利用できるシステムは、次の段階のオペレーティングシステムになり得る。だからこそ、これほど多くの企業がこの分野に投資している」と話す。これまではGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)が長い間問題なく機能していたが、機能やアプリがあまりに多くなり、スマートフォンの小さな画面に収まらなくなってきた。こうした限界を解決するのが、テキストや音声での自然言語処理だという。
チャットbot開発基盤の活用はまだ初期段階であり、企業は自社のWebやモバイルアプリにどう利用するのが最適なのか模索している。例えば、音声インタフェースは企業内のビジネスユーザーより、自宅にいる一般消費者を対象とする方が向いている。一方、テキストインタフェースは顧客サポートを補強したり「Slack」などのビジネスコミュニケーションアプリと連携して業務プロセスを自動化したりするのに適している。
パブリッククラウドのチャットbot開発機能の比較
大手パブリッククラウドが提供するチャットbot開発基盤はそれぞれ長所がある。本稿では以下の3つについて解説する。
- Amazon Lex
- Microsoft Bot Framework
- Google Dialogflow
AWSが提供する「Amazon Lex」は、AWSのツールやリソースと簡単に統合できる。さらにAlexaデバイスや豊富な「Alexaスキル」(Alexa用拡張機能)の利用者数が増えていることに強みがある。Microsoftが提供する「Microsoft Bot Framework」は、Microsoftの膨大な数の開発者に支えられていることと、Cortanaや「Microsoft Cognitive Services」との密接な連携が強みだ。Googleの「Dialogflow」は、Googleが2016年に買収したbot開発企業API.aiの自然言語対話基盤を基にしており、異なる基盤でもアプリの作り直しが不要な「クロスプラットフォーム」サポートが充実している。
もう少し詳しく紹介しよう。
Amazon Lex
Amazon Lexは自然言語を理解する機能を備え、Alexaと同じ技術を利用している。開発者は「スキル」と呼ばれるアプリコンポーネント(部品)を作成し、これらを組み合わせて高度なチャットbotを構築する。
仮想コールセンターエージェントや、情報取得、企業向けビジネスアプリなど、さまざまな業務やシステムをサポートする。消費者を対象とするLexアプリは、1000万台以上のAlexaデバイスで実行可能だ。例えば、花の通販会社1-800-Flowersは、Lexで開発したeコマース(電子商取引)アプリで販売窓口を増強している。Amazonは、コールセンターで人間の担当者の業務を補うといった企業向けの用途にもLexを位置付けている。
Amazonは「iOS」と「Android」用デバイス向けのLexソフトウェア開発キットを提供している。Webアプリ用には、Java、JavaScript、Python、.NET、Rubyなどに対応した開発キットを提供している。
開発したLexアプリケーションは、ホストするAWSプラットフォームで処理されたリクエスト数に基づいて課金される。音声リクエスト1件当たり0.004ドル、テキストリクエスト1件当たり0.00075ドルだ。
Microsoft Bot Framework
Microsoft Bot Frameworkは、Microsoft AzureやCognitive Services、Cortanaアプリを基にしている。これを利用して開発したチャットbotはプライベートサーバかMicrosoftのチャットbot運用基盤である「Azure Bot Service」にデプロイできる。サーバレス環境である「Azure Functions」でbotを実行すればスケーラビリティ(拡張性)を高めることも可能だ。
さまざまなサービスに対応しており、SMSやOffice 365のメール以外にもメッセンジャーサービスのSlack、「Facebook Messenger」「Skype for Business」「Microsoft Teams」「Kik」他、主要サービスでユーザーと対話できる。開発にはC#またはNode.jsを使用する。作成したbotはMicrosoftのbotライブラリに登録すれば簡単に公開できる。このライブラリには、タクシーを呼ぶサービスやビジネスアプリ照会などサードパーティー製botサービスを呼び出すツールもある。
Azure Bot Serviceは「チャネル」と種別と「プラン」という2つの種別がある。チャネルはさらに2種類あり、「Standardチャネル」と「Premiumチャネル」だ。StandardチャネルではMicrosoftが定めたアプリやWebサイトしか利用できないが、Premiumチャネルはそれ以外の独自アプリなどにも利用可能だ。Standardチャネルは無料。Premiumチャネルは「SIプラン」の場合はメッセージを1000件当たり0.50ドルで送信できる。
Google Dialogflow
Googleの企業向けチャットbot戦略は、買収したAPI.aiの基盤を改称したDialogflowを中心に展開している。開発用言語にはC++、Python、Ruby、Javaなどを使用できる。開発キットはiOS、Android、「Cordova」「Xamarin」「HTML」に対応する。
Googleは引き続き、Dialogflowの基本的な機能を、GoogleハードウェアとAndroidデバイス向けサービスの「Google Assistant」、解析機能を提供する同社の「Chatbase」、また各種メッセージングサービスにも統合できる。Dialogflowは主要クラウドチャットbotツールの中でも最も多様なメッセージング形式と基盤をサポートしており、Alexaにも対応している。
Dialogflow基盤には現在、さまざまなタイプのチャットbotの開発に利用できる基本テンプレートとして、40種のエージェントが用意されている。これを使えば、新しいチャットbotを一から作成しなくても、用途に応じた既製のチャットbotをカスタマイズできる。
Dialogflowの「Standard Edition」は無料、より多くの機能を利用できる「Enterprise Edition」はテキストリクエスト1件当たり0.002ドル、音声リクエスト1件当たり0.0065ドルだ。
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