過去90日間アクセスの無いデータが対象に
データの95%はアーカイブ可能、ユーザーの不満を生まない4つのルール
データをアーカイブするシステムの設計を見直す場合、徐々に量を増やしながら、プライマリーストレージからアーカイブに絶えずデータが移動するようにすれば、誰もが満足するだろう。そのためには4つのルールに従うのがお勧めだ。
大半のデータセンターでは、保存しているデータの80%以上が1年以上アクセスされていない。もっと短期間では、95%のデータが過去90日間一度もアクセスされていないという。つまり大多数のデータが、アクティブデータ用の高価な高速フラッシュアレイをただ占有しているだけなのだ。この現実を無視することはできない。
問題は、ほとんどのITプロフェッショナルがこの95%のデータをセカンダリーストレージ層に移行するといった積極的な手段を取るのをためらっていることだ。だが設計が適切であれば、ほとんど不満を生むことなく、データをセカンダリーストレージに移行できる。そのためには戦略を立てる際に従うべき4つの基本ルールがある。
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ルール1:アーカイブの応答速度をプライマリーと同程度にする
データアーカイブ戦略には大容量のHDDを採用し、圧縮と重複排除を利用して、ストレージ層のコストを可能な限り排除する。このようなテクノロジーは全てデータへのアクセスパフォーマンスに影響すると考えられる。だが大抵の場合、アクティブアーカイブの設計が適切であれば、アクセス速度はプライマリーストレージと変わらない。
その理由はアクセス頻度にある。プライマリーストレージは1秒当たり数十万とまではいかなくても数百回のアクセス要求に応答している。これに対し、アーカイブが応答するのは1時間当たり通常1~2件程度だ。アーカイブは通常、受け取った書き込みトラフィックの処理に追われている。古いデータへのアクセスはこれに比べてはるかに少ない。ディスクベースのアーカイブストレージは応答すべきI/Oが少なければ、プライマリーストレージとほぼ同じ速度で個別の要求に応答できる。ただしアーカイブはプライマリーストレージと同じ速度で応答する必要はない。ユーザーが違いに気付かない程度の速度で応答すれば問題ない。
ルール2:全てを初日にアーカイブしない
アーカイブソフトウェアのベンダー、中でも特にハードウェアベンダーは、自社のROI(費用対効果)を自慢し、データアーカイブ戦略に投資すれば導入後30秒で採算が取れると言う。問題は、この迅速なROIを実現するには、顧客は100TBのアーカイブまたはセカンダリーストレージを購入し、アーカイブプラットフォームを立ち上げたら即座にデータの80~90%を移行しなければならないところにある。実力のあるITプロフェッショナルなら、このような方法は取らない。即座に移行する必要などない。全てのデータを保持しているプライマリーストレージは既に購入したものだ。慌ててアーカイブしてそのストレージアレイの半分を空け、その分を返品して払い戻しを求めてもそれに応じるベンダーはほとんどないだろう。
もっと適切なデータアーカイブ戦略は、必要に応じてデータをアーカイブするものだ。例えばプライマリーシステムのメンテナンスが終了したとき、システムのライフサイクルを終えたとき、容量がいっぱいになり追加の容量や別のプライマリーストレージシステムを購入しなければならなくなったときにデータをアーカイブする。また、プライマリーストレージアレイからアーカイブするデータ量を把握しておきたい。その量に応じて必要なストレージ容量のみをアーカイブベンダーから購入する。そうすれば、プライマリーストレージシステムの購入を先延ばしをすることも、ずっと小規模で高パフォーマンスのストレージシステムを運用することもできる。アーカイブ戦略にとってプライマリーストレージを追加購入する唯一の理由は、パフォーマンス向上にある。決して容量の追加ではない。
ルール3:透過的なアクセスの重要性を見極める
プライマリーストレージの80%をアーカイブするといったように積極的なデータアーカイブ戦略を採用する場合は、ユーザーからのデータへの頻繁なアクセスに備えることになる。ルール2で示したように段階的にアーカイブストレージに移行する場合は、データへのアクセスはそれほど頻繁にはならない。
まず、IT部門の介入なしでほとんどのデータアクセスができるようにする。つまり、以前のファイルの場所と、アーカイブ上の現在のファイルの場所との間に透過的なリンクを設定できるソフトウェアを選ぶ必要がある。アーカイブは、オンプレミスのディスクからテープへ、またはオンプレミスのディスクからクラウドへというように複数の手順で行われることがある。そのためファイルが別のストレージデバイスに移動するたびに、ファイルの場所を表すリンクを更新しなければならない。
透過的アクセスには、スタブファイルや一元管理メタデータ制御層を含む構造をアーキテクチャに設定する一面もある。他の任意の構造と同様、こうした構造には制御層に対するある程度の柔軟性の欠如が存在する。例えばスタブファイルに伴う潜在的な管理の問題や、データ管理ベンダーへのある程度のロックインが生じる。透過的アクセスのデメリットとメリットのどちらが上回るかを判断しなければならない。
ルール4:データへのアクセス頻度の増加を予測する
データアーカイブ戦略の目標がデータの95%を移行することか、その方向に進んでいるのであれば、データへのアクセスの増加に備えることになる。アクセスを透過的に行う場合でも、透過的アクセスのコンポーネントがなく手動でアクセスを行う場合でも、1時間当たり何十件のアクセスがあるかを測定できる。データへのアクセス率が高いほど、ディスクベースのアーカイブに向かうことになる。全面的にディスクベースにする場合もあれば、ディスクをテープのフロントエンドとして利用する場合もある。
アーカイブのほとんどがディスクベースなら、アクセス率が高くてもパフォーマンスへの影響はないだろう。少なくともアーカイブのフロントエンドは、ディスクベースかクラウドベースにすべきだ。テープを利用する場合は、アクセス頻度の少ないデータのアーカイブに利用するか、単にアーカイブのバックアップとして機能させるようにする。テープは堅牢で信頼性の高いテクノロジーだが、よりアクティブなアーカイブシステムにテープを利用する場合は綿密な計画が必要だ。
短絡的なデータアーカイブ戦略はとらない
データの95%がアーカイブの対象になるのは間違いない。アーカイブを、ストレージ容量を空けるためにたまに行うものと考えてはいけない。アーカイブは段階的に行う組織的変化であり、導入を始めたら途中でやめてはならない。プライマリーストレージからアーカイブストレージに絶えずデータを移動し、そして時々プライマリーストレージに戻すようにすべきだ。
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