IT支出動向から読み解く
「マルチクラウド」がデータセンターのアーキテクチャを変える?
企業はマルチクラウドへの移行に向けて、データセンターアーキテクチャを改革している――。企業のIT支出動向調査の結果からは、そんな現状が読み取れる。
企業の間で、データセンターのアーキテクチャを大幅に変更する取り組みが広がりつつある。より多くのビジネスアプリケーションを実行するために、将来的に複数のクラウドサービスを組み合わせたマルチクラウド環境へ移行しようとする動きの一環だ。
調査会社IHS Markitによる北米151社の調査によると、マルチクラウド移行に向けたアーキテクチャの変更には、ネットワークの高速化、サーバの多様化、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)の増加などがある。この変革の背景には、マルチクラウド環境を構築する際に、データセンターを最重要設備に位置付けようとする企業の戦略がある。
企業は、自社のデータセンター内を流れるデータの増加に対処するために、ネットワーク速度を向上させている。企業の68%がネットワーク容量の増加、62%が仮想マシン移動の自動化やネットワーク仮想化技術に支出していると、IHSは報告している。この傾向は、クラウドベースのアーキテクチャを持つデータセンターの構築が進む現状と符合する。
IHSの調査によると、回答者の49%が、トラフィックの増大に対処するために物理/仮想のスイッチやルーターの支出を増加させると答えた。
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変化するデータセンター
新しいデータセンターアーキテクチャでコンテナ化に移行する企業
クラウドコンピューティング環境でのアプリケーションの実行にコンテナを使用する動きも広がっている。この変化は、データセンターで仮想マシンを実行するためのハイパーバイザーの使用に影響を与えている。IHSは、ハイパーバイザーを実行するサーバの数が2019年までに37%から30%に減少すると予測する。
IHSアナリストのクリフォード・グロスナー氏は、「この減少は、サーバ仮想化からおそらくコンテナへの移行による。エンドユーザーは、コンテナベースのソフトウェアの利用をより望んでいる」と語る。
77%の企業がサーバへの支出を増加させることを計画しており、物理的なデバイスの数は平均で2倍になると、IHSは予想する。企業は2019年までにサーバの73%でハイパーバイザーやコンテナを稼働させる計画で、これは現在の70%から増加となる。
「より多くのサーバがマルチテナントになっており、複数のアプリケーションを実行している企業で、この変化が多く見られる。サーバの密度はより高くなっている」とグロスナー氏は述べる。
サーバの高密度化およびマルチテナント化は、クラウド型のデータセンターアーキテクチャの特質でもある。
シングルソケットサーバの登場
企業は可能な限り、シングルソケットサーバ(CPUソケットを1基のみ備えたサーバ)を購入することで、資産調達費を削減している。IHSは、安価なハードウェアが企業サーバに占める割合が、2018年の3%から2019年には9%になると予測する。
「シングルソケットサーバ市場は、より高い処理性能のニーズを、より低価格で満たす強力なオプションを提供している」とグロスナー氏は言う。
ストレージ関連支出の増加に関して、企業の53%がソフトウェア定義ストレージ(SDS)に、52%がネットワークストレージに、42%がSSDに支出する予定だとIHSは報告している。
企業は、データセンターを再構築する際に、パブリッククラウドサービスとインフラにも多くの支出をしている。調査会社IDCは、この支出は2018年には前年比23%以上増加して1600億ドルになり、2021年までには2770億ドルに達すると予測する。これは年間22%近くの増加になる。
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