クラウドの活用も有効
ワイヤレスネットワークが災害復旧(DR)計画にもたらすメリットとは?
事業継続(BC)計画と災害復旧(DR)計画では、ITの回復力(レジリエンス)が重要だ。ワイヤレスネットワークの利点がビジネスの継続性にどのように役立つかを探る。
今日、あらゆる組織を成功へと導くためにITは不可欠だ。IT管理者は、重大な障害が発生した場合の対処計画をあらかじめ立てておく必要がある。ネットワーク障害はさまざまな規模で発生する可能性がある。その範囲は一時的なインターネットの接続不良から、洪水や火災による完全な機能喪失にまで及ぶ。最先端の事業継続(BC)計画と災害復旧(DR)計画を駆使して障害発生時の回復力(レジリエンス)を維持することは、あらゆる組織のITに欠かせない、ミッションクリティカルな要素だ。
企業のIT戦略では、ワイヤレス端末とワイヤレス通信(Wi-Fiとモバイルデータ通信の両方)が中核を成す場合が少なくない。これを踏まえ、回復力、継続性、DR計画の一環として、ワイヤレス端末とワイヤレスネットワークの利点をどのように活用できるかを考慮する必要がある。
ワイヤレスネットワーク環境の実現により、壁のネットワークコンセントが不要になるのは明らかだ。建物内のWi-Fiネットワークに障害が発生した場合は、迅速にモバイルデータ通信に切り替えられる。デバイスがWi-Fiネットワークしか利用できない場合でも、Wi-Fiルーターの接続先をモバイルデータ通信に切り替えるルーターを使えばよい。この切り替えは短時間で実行できる。Wi-Fiネットワークは非常に回復力が高く、特定のアクセスポイントで障害が発生した場合には、近くにある別のアクセスポイントをすぐ利用できる点も重要だ。
より広い観点で見てみよう。ワイヤレス端末とワイヤレス通信の組み合わせは、利便性、柔軟性、生産性の向上、場所の独立性の全てを実現する。イーサネットケーブルに接続されたIP電話機やデスクトップPCは、携帯電話、タブレット、ノートブックPCなど、基本的に全てがワイヤレスである機器に置き換わりつつある。端末機器におけるこの現実は、回復力、継続性、DRの可能性の扉を開いている。
クラウドベースのネットワークのメリット
クラウドベースのIT戦略はますます一般的になっている。従って、クラウドサービスをあらゆる許可・認証済みデバイスで利用できるようにすれば、デバイスの故障、紛失、盗難は一時的な問題でしかなくなる。ここでは特にクラウドが重要だ。
ミッションクリティカルなデータやアプリケーションが特定のデバイスでしか使用できない場合、信頼性が低下してしまうのは自明のことだ。そのため、全ての重要なデータと処理をクラウドに格納し、個々のデバイスの役割を最小化することが重要だ。
昨今のモバイル機器に備わっているワイヤレス通信機能で、Wi-Fiの障害耐性と、Wi-Fiからモバイルデータ通信、あるいはその逆への切り替えが可能となる。これにより継続性の問題がほぼ解決できる。
考慮すべき次の要素は、それらのモバイルデバイスが通信するサーバだ。物理的な障害や長時間の停電によってサーバ設備全体に障害が発生すると、全てのIT管理者が立ち往生することになる。この潜在的な問題は、ネットワークや運用管理、アプリケーションなどサーバサイドにあるリソースを、クラウドサービスへ移行すること正当化する理由になる。
ワイヤレスネットワークのメリット
クラウドベンダー間の競争の結果、クラウドサービスの価格はますます低くなっている。クラウドは高い災害耐性、およびダイナミックなスケーラビリティという固有の性質を持つ。この性質により、クラウドを導入することでシステム全体の信頼性を向上できる。クラウド環境を適切に構成・実装し、モバイルとクラウドを中核とするシステムに移行した組織は、優れた回復力、継続性、DRに必要な要素の多くを既に獲得できている。これは驚くべきことだ。しかしワイヤレスネットワークの利点は否定できない。
本質的に、優れた回復力、継続性、DR計画は、物理的な設備からデータ復旧までの全てにおいて、単一障害点の排除を実現する。クラウドやデータなどのコンピューティングリソースを複数のベンダーから調達することや、社内Wi-Fi、公共Wi-Fi、広域モバイルデータ通信などの通信リソースを採用することも検討すべきだ。
ワイヤレスネットワークとモバイルコンピュータ、モバイルデータ通信を活用している組織にとって、構想・計画・実行という一連の流れを実施することは比較的簡単だ。さらに、モバイル通信の柔軟性とワイヤレスネットワークの利点を組み合わせることで、障害の初期対応担当者は、迅速かつ信頼性とコスト効率の高い独自のITサービスを構築できる。
本稿で説明したワイヤレスネットワークの利点は、有線よりワイヤレス通信を優先して採用するIT戦略の副産物だ。このアプローチは、より進化したIT戦略、すなわち「ワイヤレスオンリー」のアプローチに進化する可能性がある。
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