従来モデルよりも処理速度を向上
新型「MacBook Pro」、Apple初の8コア搭載モデルはどれだけ「プロ向け」か
Appleは「MacBook Pro」の最新モデルを発売した。そのハイエンドモデルはApple初の8コアプロセッサ搭載MacBookで、従来モデルよりも高速化を図った。
Appleは2019年5月21日(米国時間)に「MacBook Pro」の最新モデルを発売した。上位モデルはIntelの第9世代「Core」プロセッサを搭載し、MacBook Proでは初の8コア構成となっている。
特に注目すべきなのが、15.4型ディスプレイを搭載した「15インチMacBook Pro」の新モデルだ。ベースモデルは動作周波数2.6GHzで6コアの第9世代「Core i7」プロセッサを搭載し、ハイエンドモデルは2.4GHzで8コアの第9世代「Core i9」プロセッサを搭載する。Appleによると、8コアプロセッサの搭載はMacBook Proでは初めてだ。
13.3型ディスプレイを備えた「13インチMacBook Pro」の新モデルは、2.4GHzでクアッドコアの第8世代「Core i5」プロセッサ(Intel製マイクロプロセッサ製品の高速化機能「Turbo Boost」使用時は最大4.7GHz)を搭載し、その時々に可能な操作内容を動的に提示する「Touch Bar」を備える。13インチMacBook Proは従来モデルも引き続き販売されており、これらはデュアルコアプロセッサを搭載し、Touch Barは備えていない。
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2.4GHzで8コアのプロセッサ(オプションで選択可能)を搭載する15インチMacBook Proは、Turbo Boost使用時の動作周波数が最大5.0GHzとなる。
MacBookシリーズの中でも、搭載プロセッサのコア数が少ないモデルであれば、一般消費者やビジネスユーザーの日常的な使い方に適している。今回の8コアプロセッサ搭載MacBook Proに適したユースケースは、コードのコンパイルや高解像度イメージの処理、3D(3次元)グラフィックの描画、4K(横4000ピクセル前後の解像度)ビデオの編集といった高負荷処理だ、とAppleは考えている。
Appleはプレスリリースで、クアッドコアプロセッサを搭載する15インチMacBook Proの従来モデルと比べた場合、今回の8コアプロセッサ搭載MacBook Proであれば以下が可能になると述べている。以下はプレスリリース(日本語版)の引用だ(注)。
* 音楽制作では、Logic Pro X内部で実行できるAlchemyプラグインの数が最大2倍になり、音楽プロジェクトで同時再生できるマルチトラックの本数が圧倒的に増加。
* 3Dデザインでは、Maya Arnold内部の処理速度が最大2倍となり、3Dシーンの描画時間を著しく短縮。
* 写真の編集では、Photoshopで適用する複雑な編集やフィルタを最大75パーセント高速に実行。
* ソフトウェア開発では、Xcodeを使用したコードのコンパイル作業を最大65パーセント高速に実行。
* サイエンスおよび研究分野では、TetrUSSで行う複雑な流体力学シミュレーションの計算を最大50パーセント高速に実行。
* 映像制作では、Final Cut Pro Xで4Kビデオのマルチカムストリームを最大11本まで同時に編集。
※注:各製品の説明は以下の通り。
・「Logic Pro X」はAppleの音楽制作ソフトウェア。「Alchemy」は、それに付属するソフトウェアシンセサイザー。
・「Maya Arnold」はより正確には、Autodeskの3Dコンピュータグラフィックス(CG)ソフトウェア「Maya」に標準搭載されているレイトレーシングレンダラー「Arnold」。
・「Photoshop」はAdobe Systemsの画像編集ソフトウェア。
・「Xcode」はAppleの統合開発環境(IDE)。
・「TetrUSS」は米航空宇宙局(NASA)が開発した流体力学および航空力学の解析・設計ソフトウェアスイート。
・「Final Cut Pro X」はAppleのビデオ編集ソフトウェア。
8コアプロセッサを搭載する15インチMacBook Proのハイエンドモデルは、次のような基本構成だ。
- 周辺光に合わせてディスプレイの色や明るさを自動調整する機能「True Toneテクノロジー」
- 500ニトの輝度を持つ「Retinaディスプレイ」
- AMDのGPU「Radeon Pro 560X」(または「Radeon Pro Vega 16」「同20」から選択)
- 16GB(または32GB)のDDR4メインメモリ
- 512GB(または1TB、2TB、4TB)のSSD
- 83.6Whバッテリー(最大10時間の無線LAN経由のインターネット閲覧が可能)
今回発売されたMacBook Proの2019年モデルは、いずれもOSに「macOS Mojave」を搭載している。
Intelは2019年4月下旬に、ノートPC向けの8コアの第9世代Coreプロセッサをリリースした。これまでIntelのノートPC向けプロセッサは、ほとんどがデュアルコアまたはクアッドコアだった。AppleはIntelの最新プロセッサでMacBook Proを強化することで、「Microsoft Surface」「Dell XPS」「Samsung Notebook」といった高パフォーマンスWindows 10ノートPCに対するMacBook Proの競争力を維持している。
MacBook Pro新モデルの価格は、13インチモデルが1799ドルから、15インチモデルが2399ドルから(日本ではそれぞれ税別19万8800円から、25万8800円から)。
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