事例で探る「SAP HANA」の実力【前編】
医療ITベンダーの技術基盤を「SAP HANA」はどう支えているか
医療ソフトウェアベンダーのHarrisLogicは、「SAP HANA」を事業推進の中核として利用している。SAP HANAで何を目指し、具体的にどう利用しているのか。
医療ソフトウェアベンダーHarrisLogicにとって、SAPのインメモリデータベース「SAP HANA」は荷馬車の車輪を結ぶ車軸に当たる。
「これは私が好んで使う例えだ」と話すのは、HarrisLogicで最高エンゲージメント責任者を務めるハドソン・ハリス氏だ。同社でのSAP HANAの用途を尋ねられたときに、ハリス氏はそう答えているという。
HarrisLogicは、医療専門家が精神疾患を抱える患者に適切な臨床診断を下すのに役立つツールを開発している。同社には事業推進力となる5つのテクノロジー領域があり、それを「テクノロジーエンジン」と呼んでいる。「各エンジンは当社のテクノロジー活動全てを包括する。その全てのテクノロジーの軸となるのがSAP HANAだ」(ハリス氏)
5つのテクノロジーエンジンを支えるSAP HANA
SAP HANAを基盤としたHarrisLogicのテクノロジーエンジン、つまり同社がSAP HANAの活用を推し進める分野は、以下の5つだ。
- ポピュレーションヘルス(Population Health:自治体などの集団の健康)
- 医療ケアの効率向上と、ワークフロー改善のためのデータ統合
- エンゲージメント
- 効率の良い医療の提供
- 意思決定支援
- 患者のニーズを適切に評価するため、必要なデータとツールを医師に提供
- ワークフロー
- 複数の医療関係者による治療
- 分析
- 臨床データやビジネスデータに基づく実用的な洞察
ハリス氏によれば、HarrisLogicがSAP HANAを導入したのは、柔軟な開発環境を実現するとともに、テクノロジーエンジンをクラウド環境で実行可能にするためだという。データ分析において、同社はビジネスインテリジェンス(BI)ツール「SAP BusinessObjects」やSAP HANAの分析エンジンを利用している。SAP BusinessObjectsは社内および自社の顧客向けに主要業績評価指標(KPI)を示すレポートの作成にも使用している。
「SAP HANAは、自社開発のアプリケーション全てを運用できる基盤をもたらした。その上、当社が必要とする分析を全て実行できるようになった」とハリス氏は語る。
SAPのグローバルバイスプレジデントを務めるフィリップ・オン氏は「SAP HANAはオールインワンのデータ基盤を目指して進化している」と話す。ユーザー企業はSAP HANAを使ってデータを分析し、やりとりに伴う通信を処理するアプリケーションを開発できる。
「私見だが、当社がSAP HANAを提供する理由はオペレーショナルDBMSにある」とオン氏は語る。オペレーショナルDBMSは、ビジネスプロセスに関わるやりとりを扱うデータベース管理システム(DBMS)だ。「顧客は最新のビジネスプロセスを運用するため、リアルタイムで応答するインメモリデータベースを求めている」(同氏)
後編では、引き続きSAP HANAの用途や利用事例について紹介する。
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事例で探る「SAP HANA」の実力
「SAP HANA」にはワークフローの改善、意思決定支援、データ統合という3つの長所がある。SAP HANAを活用するためのヒントとして、医療ソフトウェアベンダーの利用事例や、企業でのさまざまなユースケースを紹介する。
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