「BI」×「自然言語クエリ」のメリット【後編】
「自然言語クエリ」が“分析の民主化”を実現するこれだけの理由
ビジネスインテリジェンス(BI)ツールに自然言語クエリ機能が搭載されていればユーザーの使い勝手は大幅に向上する。その結果、分析する人の能力を補完し、洞察の品質や精度が向上する可能性がある。
前編「ビール大手がMicroStrategy製BIの社内普及に役立てた「自然言語クエリ」とは?」では、スペインビールの「Estrella Galicia」(エストレージャ・ガリシア)を扱う大手飲料メーカーHijos de Rivera(イホス・デ・リベラ)の事例を基に、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの自然言語クエリ機能がもたらすメリットの一つ「使いやすさ」に注目して考察した。こうして社内にBIツールを使いこなすユーザーが増え、機械学習によって処理に役立つデータが蓄積されるにつれ、データ分析と洞察が改善する可能性がある。
本稿では自然言語クエリ機能がデータ分析の品質や精度にもたらすメリットについて考察する。
より深く掘り下げた洞察を獲得できる
自然言語クエリ機能があれば、BIツールの操作に必要な専門知識が少なくて済む。そのことが、深く掘り下げた洞察を獲得するための追い風になる可能性があると考える専門家もいる。データサイエンティストやエンジニアだけでなく、ビジネスの専門家も直接ツールにアクセスできるようになる。この状態のことを、調査会社Gartnerは「分析の民主化」と呼んでいる。
深く掘り下げた洞察は、慎重かつ反復的なプロセスを通じて得られる。その過程でクエリからもたらされる結果には不必要な情報も多い。だが、その結果の中には「非常に微妙な示唆が隠れている」と語るのは、会話分析サービスを提供するAffectLayerの共同創設者で、研究開発部門の責任者を務めるミシャ・ブレークストーン氏だ。こうした結果からクリーンアップ、交差分析、推定を注意深く進めて不要な情報を取り除くことで、その示唆が明確になり、深く掘り下げた洞察が浮かび上がる。
クエリに自然言語処理(NLP)技術を使用できれば、こうした反復作業が大幅に単純化され、分析の急激な進歩につながる可能性がある。データ分析の専門家と、技術に詳しくないビジネス専門家が、自身の話す言語を解釈できるシステムを介して共同作業できるようになるためだ。それが最終的に、深く掘り下げた分析と洞察につながる。
自然言語クエリ機能を使うと、複数のシステムを介して関連データを見つける際の複雑さもある程度隠される。例えば、ユーザーがクレジットカード番号に関連するデータ要素を複数の異なるデータソースから探し出すことに苦労しているとする。それは、各データソースがフィールドに異なる名前を使用しているためだ。そのような場合でも自然言語クエリ機能を使えば「異なる名前であっても検出して、同一のものとして扱うことができる可能性がある」と、メタデータ管理ツールを提供するOctopai B.I.の共同創設者で最高技術責任者(CTO)を務めるガル・ジトン氏は説明する。
曖昧さを減らす
自然言語生成(NLG)技術によって、BIツールでデータからコメントを生み出せるようになる。それにより、トレンド、変化、例外を可視化すると共に言葉で表現できるようになる。多くの場合「百聞は一見にしかず」ということわざは正しい。だが、多くの人がいれば、そうした画像や可視化の解釈も多数存在することになる。
「コメント生成機能によってグラフに説明文が付くため、その意味や解釈に曖昧さがなくなる」――。Oracleでビジネス分析用製品管理部門の統括責任者を務めるジョン・ハガティー氏はこう言う。ビジネスアナリストの多くの職務では、結果に対するコメントの作成に多大な時間が取られている。NLG技術によってそうした作業の時間が大幅に短縮されるだろう。
非構造化データを構造化する
フロントエンドで自然言語クエリ機能を利用するもう一つの側面は、NLP技術を利用して非構造化データを理解することにある。「NLP技術で非構造化データを理解し、整理して、クエリや検索を実行できるようにする」と話すのは、データ管理API(アプリケーションプログラミングインタフェース)ベンダーPubNubの創設者でCTOを務めるステファン・ブルーム氏だ。
非構造化データの一例には、あるブランドに関するソーシャルメディアデータが挙げられる。そのブランドを支える経営陣は、ブランドに対する人々の意見や印象を理解したいと考えている。NLP技術を使用することで、ソーシャルメディアでの発言をトピックごとに分類しながら、感情の分析もできる。そのようにして、それらのトピックに対する人々の感じ方への理解を深められる。
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「BI」×「自然言語クエリ」のメリット
自然言語を使って質問形式でデータ分析ができる「自然言語クエリ」機能を搭載したビジネスインテリジェンス(BI)ツールが次々登場している。そのメリットはどこにあるか。使い勝手や分析精度への影響など、自然言語技術がもたらす価値について考察する。
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