「SNMP」と「ストリーミングテレメトリー」の違い【後編】
「ストリーミングテレメトリー」のネットワーク監視は「SNMP」と何が違う?
SNMPに替わるネットワーク監視の方法として脚光を浴びるのが「ストリーミングテレメトリー」だ。SNMPと何が違い、どのように活用できるのだろうか。
前編「いまさら聞けない『SNMP』 ネットワーク担当者を悩ます3つの欠点とは」は、トラフィックなどネットワーク機器の情報を取得するために用いられるプロトコルである「SNMP」(Simple Network Management Protocol)の概要を説明し、3つの欠点に触れた。後編は、SNMPに代わるネットワーク監視法の一つとして、ネットワーク機器の稼働データ「テレメトリー」を使用する「ストリーミングテレメトリー」を紹介する。
ネットワーク監視方法の進化
ストリーミングテレメトリーは大規模な高性能ネットワークのネットワーク監視に広く利用され始めている。システム異常のようなイベントが発生した場合に情報を配信するイベント駆動型の方式を採用している。SNMPが採用しているポーリング方式では、ネットワーク機器と通信する役割を担う「ポーリングステーション」が、ネットワーク機器に対して周期的に状態を問い合わせる。対するストリーミングテレメトリーでは、ネットワーク機器側が通信を開始する。ポーリング方式では、ネットワーク機器がポーリングステーションからのリクエストに対して強制的にレスポンスを返さなければならないが、ストリーミングテレメトリーではネットワーク機器にその負担が掛からない。
SNMPでは複数のポーリングステーションが同一のネットワーク機器にリクエストを送り、ネットワーク機器は個々のポーリングステーションに対してそれぞれ応答しなければならない。ストリーミングテレメトリーでは、あらかじめ決めた相手(ネットワーク管理システム)に対して、ネットワーク機器が定期的に情報を配信するサブスクリプション型を採用している。ネットワーク機器は1つまたは複数の決まったネットワーク管理システムに対して1つのデータセットを送信するだけで済むため、SNMPよりも負荷が低くなる。
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信頼性の違い
ストリーミングテレメトリーでは、イベントが発生すると即座に情報をプッシュ(ネットワーク機器側から能動的に情報を送信)する。このやり方はSNMPでも可能だが、通信に用いるプロトコルがSNMPとストリーミングテレメトリーで異なる。SNMPが採用しているプロトコルがUDP(User Datagram Protocol)であるのに対し、ストリーミングテレメトリーはTCP(Transmission Control Protocol)を採用している。UDPはパケットの到着を確認しないためデータのロスが発生する場合があるが、TCPはデータ転送が完了するまで接続を保証しているため、データロスは発生しにくい。そのため高い信頼性でのネットワーク監視が可能になる。
このように、ストリーミングテレメトリーは、信頼性の高い通信方式でネットワークのイベントをほぼリアルタイムにネットワーク機器から伝達できるため、SNMPよりも正確にネットワークの状況を把握できる。イベントが発生するとすぐにアラートが飛び、ネットワーク担当者はそれを受けて迅速に問題に対処できるため、解決に要する時間が短縮する。自動化のワークフローに組み込めば、ネットワークの問題を自動的に修復することも可能だ。
通常、ネットワーク機器の情報はそのままでは構造化されていないため、ストリーミング(配信)時にデータモデルを使用して構造化する。例えば「NETCONF」や「RESTCONF」といったネットワーク管理プロトコルを介して、ネットワーク機器からネットワーク管理システムに情報を送信する際には、「YANG」というデータモデリング言語を使用する。この場合、ネットワーク機器がこれらのプロトコルを利用できることが前提となる。古いネットワーク機器だとこうしたプロトコルを利用できない場合もある。
ストリーミングテレメトリーには数々の利点があるが、SNMPもまだ健在だ。SNMPには長年の実績があり、小規模なネットワークでは依然として有効活用されている。前編で触れたような幾つかの制約はあるものの、主要な監視ツールがSNMPを採用していることは珍しくない。ネットワークが大規模になり、複雑化してネットワークパフォーマンスに対する要件が厳しくなると、SNMPでは不十分になることが一般的だ。
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「SNMP」と「ストリーミングテレメトリー」の違い
ネットワーク監視の技術として長年の実績がある「SNMP」。これはまだ健在だが、「ストリーミングテレメトリー」の方が高い性能を発揮する場合がある。それぞれの違いを解説する。
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