先陣を切るのはクラウドベンダーか
「400ギガビットイーサネット」(400GbE)はなぜ必要か
企業ネットワークの次世代技術として期待を集める「400ギガビットイーサネット」。導入の準備ができている企業は多くないが、その必要性は確実に高まっている。
インターネットや企業のデータセンターを流れるトラフィックは急増しており、その勢いが鈍る兆しはない。100ギガビットイーサネット(GbE)が登場して間もないが、既にさまざまなアプリケーションが、100GbEよりも高速なデータ伝送を可能とするイーサネット技術を必要としている。
イーサネットの次世代技術に位置付けられるのは400GbEだ。業界関係者は、400GbEのネットワークスイッチを最初に導入するのは大手パブリッククラウドベンダーになるだろうと予測している。クラウドベンダーが、保有するサーバのイーサネット接続をアップグレードすれば、それに合わせて大量のデータ伝送ができるように、企業のデータセンターにおけるイーサネット接続をアップグレードする必要がある。
パブリッククラウドベンダーは、クラウドサービス用のデータセンターを地理的に分散させて運用することで、バックアップやフェイルオーバー(稼働系から待機系への切り替え)機能を提供している。クラウドベンダーが保有するデータセンターのトラフィックはクラウドサービスの利用が広がるに連れて増大し、それに合わせてクラウドベンダーが持つデータセンター間のトラフィックも増えるだろう。そのため、クラウドベンダーはデータセンター間を接続するネットワークをアップグレードする必要がなる。
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インターネットで400GbEが必要になる理由
パブリッククラウドのデータセンターに加えて、インターネットでも400GbE接続が必要になる可能性がある。以下のようなさまざまな要因があり、トラフィックが急増しているからだ。
- 「Netflix」のような動画配信サービスの利用が広がっている。これによってインターネット経由のストリーミング配信が増え、インターネットを流れるトラフィック量が増大している。
- 世界中で膨大な数のユーザーが動画共有サイト「YouTube」の動画を視聴している。各動画は個々のユーザーに対してストリーミング配信されるため、インターネットを流れるトラフィックを増大させている。
- 従来は携帯電話のネットワークを経由していた音声通話が、インターネット経由に移行している。「WhatsApp」や「Skype」などのコミュニケーションツールは、無線LAN接続が可能な「iPhone」や「Android」デバイスなどで利用され、そのトラフィックがインターネットに流れている。
- 「5G」(第5世代移動体通信システム)が登場した。5Gのネットワークを流れるトラフィックの一部は、インターネットを経由する。
- オンラインショッピングの利用が拡大している。Webサイトで商品を販売する事業者が、動画で宣伝する動きが広がっている。
このような要因が背景にあり、インターネットを流れるトラフィックが増大している。これによってインターネットでも、より高速なデータ伝送を可能にする技術の必要性が高まると考えられる。既にインターネット接続を担う事業者の間では、こうした需要拡大を見越し、400GbEに準拠するネットワークスイッチが市場で入手可能になると、すぐに試験運用する動きが広がっている。業界関係者は、こうしたインターネット接続を担う事業者は、WANの仕様もそれに合わせてアップグレードするだろうと予想している。
高度なデータマイニングや、機械学習をはじめとしたAI(人工知能)技術など、大量のデータを移動させる必要のある処理にも、極めて通信容量の大きいネットワークが必要になる。
IEEEの400GbEに関する取り組み
データ伝送速度の向上を実現する技術開発には時間がかかる。標準化団体IEEE(米電気電子技術者協会)で、400GbEの規格「IEEE 802.3bs」の標準化に向けた検討が2013年にスタートし、2017年末に標準化が完了した。
400GbEは標準化が済んでから間もないため、早期導入企業の間で、現在評価が進められているところだ。とはいえ、ネットワークを流れるトラフィックの増大に対処するために、広く採用される日は遠くないだろう。
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