思わぬ速度低下や料金高騰に戸惑うことも
「クラウドバックアップ」導入に失敗する企業が見落とす2大問題とは?
クラウドバックアップは便利だが、それに潜む2つの問題を度外視すると思わぬ問題に発展する場合がある。この2つの問題とは何かを理解した上で、それらをどこまで許容できるか、考慮する必要がある。
データをクラウドにバックアップする「クラウドバックアップ」を導入する企業が、よく直面する問題は2つある。クラウドへのバックアップ時に生じるネットワーク接続の影響と、オンプレミスデータをクラウドにバックアップするコストを過小評価しがちなことだ。クラウドバックアップにありがちな、この2つの潜在的な問題を回避するには、事前に何をどこまで許容できるか検討しておく必要がある。
併せて読みたいお薦め記事
クラウドを活用したバックアップ
「うちのバックアップは完璧です」という企業がはまるワナ
ネットワークの問題
日々、大量のデータが社内で生成されている。このデータを全てクラウドにバックアップするのに必要なネットワークの通信容量は、実際に利用可能な通信容量をはるかに超える可能性がある。重複排除などのデータ圧縮技術はこの問題を軽減するのに効果があるが、通信容量の制限は常に存在する。
通信容量の制限に関して考慮すべき点は、バックアッププロセスが通信容量を消費することで、本来のビジネスプロセスに支障をきたしてはならないということだ。一部のインターネットサービスプロバイダー(ISP)は、利用する通信容量やデータ伝送速度をうまく制御できていない場合がある。ISPは、アップロードできるデータの月間の総量を制限したり、アップロード速度をダウンロード速度よりもはるかに遅くなるように制限したりする場合がある。同様に、一部のサービスでは、大量のアップロードが進行していると通常業務のためのインターネット接続速度が極端に低下する場合もある。
このようなネットワークの問題は、大企業ではクラウドバックアップの利用に大きな影響を及ぼさない傾向がある。だが小規模組織では、クラウドへのバックアップがインターネットの速度や品質に与える影響の大きさが甚大になりがちだ。
コストの問題
クラウドバックアップの利用を開始して間もない組織は、コストを過小評価することがよくある。従来のオンプレミスバックアップならば、かかるコストは比較的明確に把握できる。例えばバックアップメディアの費用やバックアップソフトウェアのライセンス料金などに関連するコストは分かりやすい。これらのコストは固定的で予測もしやすい。しかしクラウドバックアップの場合は、コストはさまざまな形で発生し、時間の経過とともに増加し続けることがある。
企業がクラウドバックアップを利用するには、主に2つのコストがかかる。1つ目はクラウドベンダーが課金するストレージサービスの利用コストだ。オンプレミスで作成したバックアップとは異なり、組織は「クラウドバックアップ用の保存媒体」というモノを所有するわけではない。ベンダーが月単位でバックアップ用の保存媒体をリースする仕組みだ。そのためクラウドバックアップを利用している組織は、使用するストレージの容量に応じた月額料金を支払うことになる。
クラウドバックアップに関連する2つ目のコストはデータ伝送コストだ。クラウドベンダーは一般的に、データのアップロードとダウンロードの両方に対して課金する。このコストが前述したストレージ利用コストに追加される。さらにISPによっては、伝送されるデータの月間総量に基づいて料金を請求する場合もある。クラウドへのデータバックアップを利用すると、インターネット経由のデータ伝送量が増加し、これによってコストも増加する可能性がある。このようなコスト問題を回避するには、ストレージ利用とデータ伝送にかかるコストを慎重に予測する必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー