今すぐ始められる? 「取っているだけのバックアップ」からの脱出方法「うちのバックアップは完璧です」という企業がはまるワナ【第2回】

見落としがちなバックアップの課題。解決には何が必要なのか? ストレージベンダーに解決のヒントを聞いた。

2019年03月12日 05時00分 公開
[中村篤志, 渡邉利和(取材協力)Techtargetジャパン]

画像 バックアップ課題解決のポイントは?

 前回(「取っているだけ」のバックアップに意味はあるか)は、バックアップで陥りがちな課題について解説した。取り上げたのは、以下の課題だ。

  • データを保持するだけでなくアプリケーションによって適切な「データの静止点」を作る必要がある
  • データだけでなくシステムも含めたバックアップが必要になる
  • バラバラなシステムで個別最適化されたバックアップの運用は、複雑になる

 本稿はこれらの課題を解決するヒントについて、幾つかのストレージベンダーの話を基に紹介する。どのような機能やサービスが課題解決につながるのか、製品選定の際に参考にしてほしい。

データとシステムは「リードオンリーの仕組み」で適切にバックアップ

 身代金要求型マルウェアの「ランサムウェア」による脅威が記憶に新しい。ランサムウェアはデータを不正に暗号化したり、端末を勝手にロックしたりする。データを暗号化するタイプの場合、攻撃者は被害企業に対して、復号のために「身代金」を支払うよう要求する。

 例えばあるユーザー企業がランサムウェアの被害を受けた際には、ランサムウェアがサービス提供に関連するシステムのデータを暗号化。ユーザー企業は一定時間、サービスが提供できなかったという。だが、そのユーザー企業は攻撃者の要求をのまず、自力での回復を決断。自社に導入していたストレージ製品の機能を利用することでバックアップからのデータ復旧を実現した。

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