「取っているだけ」のバックアップに意味はあるか「うちのバックアップは完璧です」という企業がはまるワナ【第1回】

バックアップを考えない企業はないだろう。だが、いざというときに「バックアップから戻せなかった」という話も聞く。そのバックアップは本当に役に立つのだろうか?

2018年12月05日 05時00分 公開
[中村篤志, 渡邉利和(取材協力)TechTargetジャパン]

画像 「うちのバックアップは完璧です」という方は注意

 機械学習などのAI(人工知能)関連技術やビッグデータ解析技術の急速な発展により、データの価値がこれまで以上に高まっている。そんな中、システム構築の際にバックアップを考えない企業はないだろう。「失われたらそれっきり」とならないために、規模の大小はあっても何かしら仕組みを持っているはずだ。バックアップの意味は、障害時にそこからデータを戻せることにある。だが「いざという場合にバックアップから戻せなかった」といった話を聞く。なぜこうしたトラブルが発生するのだろうか。

 本稿ではバックアップで発生した失敗事例を基に、バックアップ取得時に発生する課題について解説する。基本的な内容も含んでいるので、バックアップに関する経験が少ない担当者も参考にしてほしい。

「データがあればそれでいい」という誤解

 データのバックアップといっても、単にファイルシステムに格納されているデータファイルのコピーを取っておけばよい、という単純なものばかりではない。アプリケーションの動作を考慮しておかないとバックアップデータの不整合が発生することがある。それはどういうことなのか。

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