HDDとの違いは? バックアップでもフラッシュストレージを使った方がいいケースを解説最適な利用場面とは

フラッシュストレージアレイは従来のディスク型ストレージアレイよりも電力消費量が少なく、バックアップにかかる時間やバックアップアプライアンスの数を大幅に減らすのに役立つ。

2017年04月12日 15時00分 公開
[Brien PoseyTechTarget]
低価格化するフラッシュストレージアレイ。画像はHewlett Packard Enterpriseの「HPE 3PAR StoreServ」シリーズ(出典:日本HP)

 フラッシュストレージの価格が低下し、今やフラッシュストレージアレイはバックアップターゲットの有力候補となっている。ただしフラッシュバックアップには利用場面によって向き不向きがある。

 フラッシュストレージがいまだ一般的なバックアップに適さないのには、容量と価格という2つの要因が影響している。フラッシュストレージは通常、従来の回転式HDDよりも容量が少なく、1GB当たりのコストが高い。両者の差は縮まりつつあるとはいえ、少なくとも今のところ、数PBのデータをフラッシュストレージにバックアップするのは非現実的であり、法外な費用が掛かる。

 とはいえ、フラッシュバックアップは常に非現実的というわけではない。

 フラッシュストレージは、トランザクションが多いデータの継続的なバックアップに向いている。例えば、使用頻度の高いデータベースのバックアップには適任だ。オールフラッシュアレイであれば、そうしたデータベースのバックアップに必要となるパフォーマンスレベルを提供できる。ただし、ストレージの接続性もそれと同じくらいに重要だ。データベースサーバからバックアップ先までのデータ転送速度は、バックアップの全体的なスループットを左右するからだ。

 刻々と変化するデータをバックアップするための選択肢は、フラッシュストレージだけではない。標準的なストレージアレイでも、十分な量のディスクを使用すれば、フラッシュアレイと同等レベルのIOPS(1秒間に処理できるI/O数)を実現できる。ただしそうしたストレージアレイのディスク総容量は多くの場合、企業が本来必要とするよりもはるかに大きい。つまり、容量の無駄遣いだ。経年劣化でリプレースしなければならないディスクの数が増えることで、維持費も余分に掛かる。未使用のディスク容量や余計な維持費を支払うくらいなら、従来型のストレージアレイではなくフラッシュアレイを使おうと考える企業もあるだろう。

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