「コンポーザブルインフラ」の4つの疑問【前編】
「コンポーザブルインフラ」とは何か? 何をコンポーザブルにするのか?
「コンポーザブルインフラ」の概念は分かりやすいとは言えない。コンポーザブルインフラとは何か。具体的に何をどのようにしてコンポーザブルにするのか。その疑問に答える。
仮想化の技術が登場した当初は、稼働率の低い物理サーバを集約することによるコスト削減がその主な目的だった。仮想化の導入が進むと、コスト削減よりも仮想マシンによるインフラ設計の自由度向上や運用の俊敏性向上といった利点が次第に明らかになった。
コンポーザブルインフラの目的は、仮想マシンで実現した設計の自由度や俊敏性の利点をベアメタル(OSやソフトウェアがインストールされていない物理サーバ)に持ち込むことにある。これを実現するためにコンポーザブルインフラはコントローラーを使用する。コントローラーによってサーバ、ネットワーク、ストレージを自由に組み合わせてカスタマイズしたインフラの構築が可能になる。コンポーザブルインフラは短期的に必要とされる用途に対して特殊な構成のインフラを提供することが可能だ。前後編に分けて、コンポーザブルインフラにまつわる疑問とその答えを示す。前編は主要な4つの疑問のうち2つを紹介する。
併せて読みたいお薦め記事
「コンポーザブルインフラ」とは何か
- 「コンポーザブルインフラ」はHCIやコンバージドインフラと何が違うのか
- 「コンポーザブルインフラ」は「HCI」と何が違う? 注目される理由は
- 「コンポーザブルインフラ」がAWSより優れている点と、期待される役割は?
ハイパーコンバージドインフラ(HCI)選びのポイント
目次
- 疑問1.コンポーザブルインフラが必要になるのはいつ?
- 疑問2.何をコンポーザブルにするのか?(会員限定)
- 疑問3.コンポーザブルインフラが適している用途は?(後編)
- 疑問4.コンポーザブルインフラが適さない用途は?(後編)
疑問1.コンポーザブルインフラが必要になるのはいつ?
コンポーザブルインフラが適しているのは変更が多い動的な環境だ。ハイパーバイザーによる仮想マシンのクラスタ構成が最適な手段とはならない環境とも言える。例えば数週間から数カ月という短期的なプロジェクトだ。コンポーザブルインフラはこうしたプロジェクトのために、プールしたリソースを使ってカスタマイズしたインフラを個別に構成する。
あるプロジェクトではカーネルベースの仮想マシンが必要になることもあれば、別のプロジェクトではVMware製の仮想マシン、さらに別のプロジェクトではベアメタルのコンテナあるいは複数の仮想マシンを併用する環境が必要になることもある。コンポーザブルインフラであれば、ソフトウェアとソフトウェア定義のハードウェアを使用して必要とする環境を構成することが可能になる。
疑問2.何をコンポーザブルにするのか?
大半のコンポーザブルインフラ製品は、サーバが内蔵しているストレージとネットワークをプログラムによって制御する。プール化の対象はサーバだけではなく、例えばストレージインタフェース規格PCI Express(PCIe)に準拠したストレージをプールすることもある。
サーバにはラック収納型のデュアルソケットサーバ(2基のプロセッサを搭載するサーバ)、ブレードサーバ、タワーサーバを用いるのが一般的だ。IntelとAMD(Advanced Micro Devices)のプロセッサの場合、いずれもメモリコントローラーを内蔵しており、プロセッサとメインメモリを個別の構成単位に分離することはできない。
ネットワークで一般的に用いられるのは、サーバが搭載する帯域が10Gbps以上のイーサネットアダプターだ。こうしたネットワークアダプターはコンポーザブルインフラのコントローラーによってプログラム可能なスイッチに接続する。
プログラム可能なストレージとして用いられるのはSAN(Storage Area Network)の他、多数のSAS(Serial Attached SCSI)接続型ストレージで構成したストレージファブリックなどだ。一般的に共有ストレージにはSAN、ローカルストレージにはSASファブリックが使用される。
ストレージインタフェース規格「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)準拠のフラッシュストレージをネットワーク経由で利用可能にする「NVMe over Fabrics」(NVMe-oF)によって、SSD(ソリッドステートドライブ)やSANのリソースプールに対して、より高速にアクセスできるようになる日は遠くないだろう。そうなるとSASファブリックは、バックアップやアーカイブ向けのセカンダリーストレージへと退くこととなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「コンポーザブルインフラ」4つの疑問
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー