「コンポーザブルインフラ」は「HCI」と何が違う? 注目される理由はITインフラの変遷を振り返る

HCIに続くITインフラのアーキテクチャとして「コンポーザブルインフラ」が登場した。これまでのITインフラの変遷を振り返りつつ、HCIとコンポーザブルインフラの違いについて説明する。

2019年07月10日 05時00分 公開
[Scott D. LoweTechTarget]
画像

 ITインフラのアーキテクチャは進化を遂げてきた。例えばサーバ、ストレージ、ネットワークが独立した従来の3層型の他、それら3つの要素を1つの筐体に収めて提供する「コンバージドインフラ」(CI)、ストレージを仮想化する技術を取り入れた「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)などのアーキテクチャがある。さらにこれらのアーキテクチャに基づくインフラを、オンプレミス、クラウド、マルチクラウドで利用できるようにもなっている。

 こうしたインフラの分野に、「コンポーザブルインフラ」と呼ばれる新たなアーキテクチャが登場した。これまでに登場してきたアーキテクチャから一歩踏み出したものだ。

 まず、現在定着しているインフラのアーキテクチャについて見てみよう。

  • 従来の3層型
    • サーバ、ストレージ、ネットワークが独立しているITインフラのアーキテクチャを指す。企業は各リソースを購入し、組み立てて全体のアーキテクチャを設計、構築する。各リソースの管理は個別に実施することになる。
  • CI
    • 一見したとろ、従来型の3層型のインフラとよく似ている。主な違いは、各リソースの管理のしやすさを重視している点にある。一般的に、CIはラックに収容された1つのユニットとして、すぐに利用できる状態で顧客の元へ出荷される。従来型の3層型のインフラよりも、CIは簡単に導入でき、管理もしやすくなっている。
  • HCI
    • CIまでとは一線を画すアーキテクチャがHCIだ。サーバ、ストレージ、ネットワークの主要コンポーネントを含むさまざまな要素を1つのアプライアンスに搭載している。同様のアプライアンスを複数ケーブルで接続することで、一つのクラスタを形成できる。アプライアンスの中で運用するコンピューティングリソースは仮想マシンだ。ソフトウェア定義ストレージ(SDS)技術とネットワークが、HCIの構造的な基礎を成す。

コンポーザブルインフラが注目される理由

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...